王様がいた
この王様の奇妙な道楽
王様は夢を見たら
それを側近の従者に語る
従者は王様の見た夢を
出来る限り忠実に戯曲に仕立てて
すばやく配役を決め
その日が暮れかかるころに
王様の御前で演じさせるのである
王様はこうして
昼間には見ることのない
自分のうしろ姿を点検する
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