zzzzz1zzzzz
「息をしている」という点が上げられる。
んで,オレたち死んでいる者の特徴としては
「息をしていない」ことが目立つだろう。
何日も息をしないで生活していると
生きている人間どもから怪しまれる。
「おい,てめえ,生きてないな?」
なあんて突っこまれると,
「んなこたない。息してないだけだ」
などと,ぶざまな言い訳けをしなくちゃならん。
何といっても,息をしていないと時間の経過がつかみにくい。
これは困ったことだ。
ふと気がつくと何もしないまま300年たっていた,
てなことがよくある。
この間も「アンドロイドはクローン人間の夢を見るか」について
ぼんやり考えていたんだ。そしたら
「ねえ,あんた。そろそろごはんにするわよ」
と,女房に声をかけられたんだが
女房の言うには,俺がもの思いにふけってから
もうかれこれ300年たったと言うのである。
メシも食わないで300年間ボーッとしていると
からだがすっかり細ってしまう。
骨と皮だけの情けない姿はまるでミイラだ。
これぞ究極のDIEエットてか?(自爆)
ときどき自分のジョークがあんまり馬鹿げているので息苦しくなる。
頭を掻くと髪の毛がズボラバと脱落して目もあてられない。
3日前,アデランス東京本社に相談に行ったんだが
俺の頭の形がそうとう時代遅れで,カツラをつくるには
特別料金がいるなんて抜かしやがった。
最近は消費税も上がったので残念だがあきらめることにした。
涙も出ねえ。
といっても涙腺はとうの昔に枯れているんだ。
それに,かつらなんぞより先に片づけなきゃならん問題がある。
あんまり眠りすぎて180度寝ちがえてしまったこの首を
元の向きに戻さにゃならん。
整形外科はどこかなっと。
(タウンページをめくるボク)
zzzzz2zzzzz
顔が背中を向いたままでは,歩くたびにつまづいて
からだ中を骨折する。
骨が乾いた音を立てて折れるときのあの感触はなかなか捨て難い。
なんというか,かわいい女の唇を盗むときのようなスリルが味わえる。
それにまた人の体が容易に崩れていくという認識は人を哲学者にもする。
しかし,父母から頂いた体をむやみに傷つけるわけにはいかん。
歯一本もおろそかにしてはいけない。
今日の一言: 死人ほど体を大切に考えている者はいない。
ところで,
何度も繰り返して申し訳けないが,息をしてないと
時間の経過がわからんので時計が手放せない。
死人はほとんど必ずと言っていいほど腕時計をしている。
たとえば,腕時計をしている人と,していない人がここにいて
どちらか一方が死人であると分かっている場合,
95パーセントの確率で,腕時計をしている方が死人だ。
残りの5パーセントは何かというと
人の目を盗んでこっそり腕時計をはずし
こっちの裏をかこうとするやつらがいるわけ。
死人にもお茶目なやつが多い。ぼくも含めて。ウフ。
zzzzz3zzzzz
という奇妙な理論をでっちあげた男が最近脚光を浴びている。
うわさでは彼の著書「死者と時間」は6500万部以上売れたそうな。
彼は言う ------------- 生きている者たちは,「命の有限性」という圧力を常に身に受けており それが「時間感覚」として感じられる。 この圧力を忘れるためには眠りか死,あるいはその両者を選ばねばならん。 そもそも「生きている宇宙」に時間という次元が組み込まれているのは 観測者の命の有限性が「観測対象の全体=宇宙」に反映した結果である。 逆に言うと,死人の世界に時間はないんですぅ。 |
時間の経過がわからんのはあくまでも息をしていないからだ!
これだけは間違いない。
おれが息をしていないのと同じぐらい確実だと言っていい。
-------息をしていないと時間のたつのが実感できない。
?
なんか,同じところをぐるぐる回っているような気がするが
まあ,いっか。
これは最近ふと思ったんだが
死人にとって時間などなんの意味がある?
だって,生きていればこそ,明日はもう来ないかも知れないわけで,
「今」がどんどん「今でなくなる」のが気になるんだろう?
おれなんぞもう死ぬ資格もないのに,時間など気にしてどうする?
夜と昼が逆転するほど眠りこけて何がわるい?
なんでわざわざメシを食らうために
300年のまどろみを破られなきゃならんのか?
おい,女房,死人がメシ食ってどうすんだ。
だいたいあの----------------
main() { int i; for(i=0;i<4989;i++) printf("ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ"); } |
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あ,わるい。また 寝込んでしまった。
ちょっと失礼してふとんで寝てきます。
朝がきたらこの夢から抜け出そう。
そしたらまた話をしてあげるね。
死人は寝るのが本職。
そいじゃ。
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