DXM 350mg 11:30pmごろ、2人の友達と330mgのDXMをやった。粉末状だったので、コカコーラに混ぜて飲んでみた。(飲む前にちょっとだけ味を見たが、凄く苦くてまずかったです)残念ながらジュースといっしょに飲んでも、その味を完全にカバーすることはできず、まずかったです。飲んでいる間、メントールのタバコを吸っていました。 僕は約10分でそれを飲み終え、友達は15分で飲み終えました。もう一人はあまりのまずさにソーダを加え始め、結局ジュースまで加えて飲み、30分かかって飲んでいた。僕らは、次の時はカプセルを使おう、と決めた。 すぐに、少しだけ吐き気が襲ってきたけれど、DXMを吐きだしたくなかったので、じっとベッドに横たわっていた。部屋は、ブラックライトの光と、壁に貼ってあるポスターの蛍光色があるだけで とても暗く、トリップが始まるのを待ちながら、しばらくそこにじっとしていた。 以前にLSDをやったのと同じ方法を試してみた。壁が呼吸し始めないか、じっと見つめてみたのだ。でも、壁は呼吸している様子はなかった。しかしその時、(壁の)ポスターがまっすぐこっちに来たり、またバックしたりして見えるのに気がついた。 ゆっくりとした、でも強い効果が吐き気とともに訪れた。自分で”効き始めている”と はっきりわかるレベルにまで達して、そのあと15分ほどすると、吐き気が消えていった。友達のうちの一人が入ってきて、CDプレイヤーに音楽をかけようとしたけれどうまくできなくて、今度はルームメイトのプレイヤーを使ってやってみたが、それも操作することができないようだった。彼は「全部壊れてる」と不平を言い始めた。僕はそれを見て、彼がトリップしてることに気づいた。以前、LSDで 自分も同じように電気機器を操作できなくなったことがあったからだ。 立ち上がってみたけれど、まだ頭がワンワンしているので、ベッドにすわりこんだ。頭をまた掻きむしって「ちくしょう、頭がむずむず(ちくちく)する」とつぶやいていた。友達も同じようにむずむず(ちくちく)しているようで、このせいでbad tripを引き起こさないかと心配していた。有り難いことに、数分後にはその感じはなくなり、立ちあがってむりやり歩いてみると、それを見た友達が「ロボットみたいだ」と言った。僕は自分がトリップし始めているんだな、と感じた。(僕はLSD風のビジュアルの変化を期待していたので、少し混乱していたのです)聴覚的な変化も微小なものだった。それでも僕は自分がトリップしていることを分かっていたし、空想の中にいるような気分だった。それはLSDのトリップとは全く違ったものだった。 友達と、タバコを吸いに外に出た。タバコが空中で撒き散らす煙がとても奇妙に見えた。そしてすべての動きが途切れているように見えた。何週間か前から咳がとまらなかったのだが、ここ何時間か、咳がとまっていることに気がついた。咳をしてみようとすると、不思議な感じがした。DXMは咳を抑える作用があるからだ。身体全体がとても無感覚になっている感じがして、そして自己分離が起こり始めまた。僕は、金属の柵に突然頭をぶつけはじめたが、ほとんど何も感じなかった。何回か好奇心でたたきつけていると、友達に「何してるんだ、止めろ」と止められた。 友達ともう少し散歩をすることにした。そして、もう一人の友達も散歩に連れていくために、部屋に戻った。 彼は、(たぶんDXMのカクテルにソーダやらジュースを混ぜたせいで)吐いていた。それで僕らは彼を置いて出かけることにした。 歩くのがすごく難しくて、何かに焦点を合わせるということができなかった。視界はぼやけていたわけではなかったけれど、物を見るのが難しかったです。僕は回りのことがわからなくなり、ただ友達についていくだけだった。 樹のあたりから音楽が聞こえてくるのに気づいて、どこから聞こえてくるのか探すことになった。しかし到着したときは、何も見つからなかった。そして、音楽も止まってしまった。もっと探してみたが、友達が発表するところでは、それは「ブラックホール」だったということだ。木を離れる前に、僕らは、それが本当に木であるかどうか確かめるために、何回かまわりを歩いてみた。 すると湖に出た。その湖の水はあたかもその上を歩けるかのように見えた。幸い僕らは、それが良い考えではないことを判断できる思慮分別をまだ持ち合わせていたので、木を通りぬけてアパートに戻った。 部屋に残っていた友達は、今はずいぶん気分が良くなっているようだった。吐き終えた事が、彼の人生最大の偉業であったかのようにはじゃぎまくっていて、吐き気を除けば、かなりトリップしているように見えた。 近くのアパートの女友達が何人か訪ねてきたので、いっしょにリビングで座っていた。時間が非線状に流れているようで、今日起こった出来事の順序がちゃんと思い出せなかった。視界も定まらず、カウチで休んでいる間、みんなぶらぶらと他の部屋に入ったりしていた。何分かごとに、女の子がウォッカをのみにキッチンに入っていった。彼女たちは僕にも話し掛けつづけてくれたのだが、誰が話しているのか、何を言っているのかさっぱり理解できなかった。他の部屋にいるみんなも酒を飲んでハイになって、(あるいはトリップしてハイになって、)すごく楽しく時間を過ごしているようだった。僕も参加したかったけれど、カウチで休んでいた。目をとじて、少しだけ見える、ウネウネした模様を楽しんでいた。 どれくらいたったかわからない頃、友達と僕はさっきの木に戻ってみることにした。歩くのも、まわりを見るのも、まだ少し困難だったけれど、さっきの湖はまだ神秘的な雰囲気をたたえていた。水がまた固くなっているように見えた。そのことを少し友達と話しあった後、僕らはアパートに戻った。 午前三時ごろになってしまったので、女の子たちは帰ることになった。僕らは彼女たちが帰る姿を見送っていた。一人の女の子が走り始めたのだが、僕の友達がその姿を見て「四次元空間に走っていってる」と叫んだ。僕にはそうは見えなかったけれど、本当にそうだったのだろう、と思えた。 僕らは部屋に戻ってテレビをつけて、しばらく見ていたが、4時ごろに眠りについた。 次の朝、目を覚ました時には、もう完全に普通の状態に戻っていた。DXMの体験はとても楽しかった。そして、2回分の量のDXMの強さに驚いたりしていた。僕らはみんな、副作用がほとんどない、すごく良いトリップを体験できた。そしてみんな気分良く目覚めることができた。DXMはLSDのようなサイケデリック的な効果はもたらさないけれど、後まで残らない、独特の作用を持っているようです。(僕の場合、MDMAを除く他の薬は後まで残る) トリップはLSDよりもはるかにわけのわからないものだった。友達は「なにも意味がなかった」と一言で言っていました。
1998-07-10 lycaeum トリップレポートより
|