フェネチルアミン phenethylamine(PEA)

チョコレートの中にも含まれている、アンフェタミンと形が似ている物質です。チョコレートを不意に食べたくなるときがあるのは、この物質が含まれているからだとも言われます。

ちなみに 2CBは4-Bromo-2,5-dimethoxy-PEAです。

 

以下は、シュルギンのPiHKALより、抜粋して翻訳。
 

#142 PEA; PHENETHYLAMINE

合成:この化合物は、工業上の多くのルートでよく見られる物質です。化学薬品を扱っている主要な会社ではほとんどが扱っていて、1グラムあたり安価で提供されています。魚のような(?)においがし、空気にふれるとすぐ固形炭酸塩化します。植物や動物で自然に見られる物質です。

一回量:1600mg以上

作用時間:不明

コメント:( 200, 400, 800 and 1600 mg) なにもなし

( 500 mg) なにもなし

( 800 と1600 mg) なにもなし

( 25 と 50 mg i.v.) なにもなし

その他のコメント:すべてのフェネチルアミンの中で、構造上最もシンプルであり、自然の中のいろいろなところにも見られ、人体の組織の中にも含まれています。アンフェタミンと化学構造がよく似ていて、神経伝達物質とも似ています。そのため、精神的疾患とも関係があるのではないかと思われます。うつ病の人の尿中では濃度が少なく、パラノイア、分裂病の人では濃度が高いということです。また、ストレスがたまっている人でもこの物質の濃度が高くなるだろうと思われます。心理的な変化をみる実験では、一部の臨床医がうつ病の人にPEAで激しい頭痛を引き起こしたと報告していますが、他にはなにも影響が見られなかったということです。この時点ではまだはっきりとはわかっていません。

この物質は植物や動物の中に自然に存在しています。phenylalanineの代謝の結果、最終的にできる物質です。よく知られたものの中ではチョコレートがあります。体のなかにフェネチルアミンが少ない人達は、補おうとして衝動的にチョコレートを食べたくなるということです。phenylacetic acidやtyramineに代謝されていきますが、この物質とも体内で自然にみられるものです。不法な使用としては、アンフェタミンやメタンフェタミンの合成に使われることもあります。

フネルチアミンは、体内に覚醒作用をもたらすほど長い時間は存続しないのですが、本質的には刺激剤的な作用を持ちます。つまり人体では分解され、破壊されてしまうのです。この物質が代謝されないときだけ、明白な作用が感じられるということです。

amineにメチル・グループを加えるとphenylisopropylamine、あるいはアンフェタミンを作り出します。アンフェタミンにさらにメチルグループを加えるとメタンフェタミンになります。

二つの炭素の間にメチル・グループを置くと、cyclopropylシステムを作り出します。最もシンプルな例は、2- phenylcyclopropylamineであり、tranylcypromineと呼ばれるドラッグです。Parnateという名前で取引されています。mono(モノフォニック?)-アミノ オキシダーゼ 抑制剤であり、抗抑鬱剤として売られました。しかし、不眠や不安を引き起こすマイルドな覚醒効果を持ちます。

フェネチルアミン鎖から炭素をひとつなくすと、基本的に不活発である、ベンジルアミンを作り出します。しかし2つのファミリーについて述べておきます。フェンサイクリディン系では、 phenylcyclohexylpiperidine または PCPがベンジルアミンであり、ケタミンも同様です。これらはすべて麻酔剤で鎮痛作用がありますが、覚醒作用はなく、本書の内容とはあまり関係がありません。

ベンジルアミンを持つほかの物質では、その作用がよくアンフェタミンと比べられることがある、 純粋な刺激剤 ベンジルピペラジンがあります。20 から 100 mgで効果を表し、アンフェタミンと似た受容性を持っています。もしもこれが有効な物質であれば、

MDMAの擬似物質N-(3,4-methylenedioxybenzyl)piperazine (または its N-methyl-counterpart N-(3,4-methylenedioxybenzyl)-N'-methylpiperazine)

DOM の擬似物質2,5-dimethoxy-4-methylbenzylpiperazine

などの物質も有効なのではないかと考えられます。

 

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