モノアミン仮説
〜うつ病のメカニズム?〜
とても簡単に言うと、
モノアミンがたくさんある→躁病
モノアミンが欠乏する→うつ病
というような仮説です。
けれども矛盾点がたくさんあって、この仮説が正しいのかどうかわかってません。
矛盾点
1 モノアミンが枯渇しても 必ずしも 全員がうつ病になるわけではない
2 モノアミン再取り込み阻害作用、MAO阻害作用を持つ薬でなくても 抗ウツ剤になる(iprindole,mianserin など)
そしてこれがまたなぜかわからないんですが、
3 抗うつ剤を投与してから二週間くらいたたないと うつが良くならない
っていう不思議があります。
薬を飲めばすぐにモノアミンが増えるのに、瞬間的にウツがよくなるわけではなく、二週間くらいは飲みつづけないといけない。なんで?
というわけで、こんどは「薬を飲みつづけることによって、脳内の受容体に何らかの変化が起きて うつが良くなるんじゃないか」という考えがでてきました。
モノアミンそのものじゃなくて、受容体に話がうつっていったわけです。
受容体が減るんじゃないか?
薬を飲みつづけることによって、5HT受容体が減ることが報告されています。(5HTっていうのはセロトニンのことです。)
うつ病の人では普通の人よりセロトニンが少なくて、そのために5HTの受容体を多くしてバランスを保っています。
その受容体が多いところへ、ストレスなどで刺激が押し寄せてくると、普通の人より過剰に反応してウツになってしまうのではないか・・と考えられました。
そこで 薬を飲みつづけると5HTの受容体が減り、普通の人なみになるというのが 受容体仮説です。
で、結局
どうしてウツが起きるのか?というのはいろいろ仮説があって、まだよくわかっていないのが現状です。
たぶんそのうちに、脳内伝達物質、分子レベル、量子など ものすごいところ
まで話が進み、解決されていくことと思います。
言葉の説明・・・
モノアミン=ノルアドレナリン、セロトニンのこと
MAO=モノアミンを分解する脳内酵素
うつ病の薬で代表的なもの
MAO阻害剤・・・脳の中のノルアドレナリンやセロトニンの分解を邪魔して、シナプスの間のモノアミンを増やすおクスリのこと。
三(四)環系抗うつ剤・・・ベンゼン環が3コ(4コ)あることから名前がついている。これはモノアミンの再吸収を邪魔してモノアミンを増やす。
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