アブサン (Absinthe)

アブサンとは

「アブサン酒」というのを聞いたことがありますか?苦く、緑色をした苦味のあるお酒です。
アブサンはこの中に入っている物質です。

アブサンは、ワームウッド(ニガヨモギArtemisia absinthium )をアルコールにつけることによって抽出されます。アブサン酒は創造活動に役立つと考えられ、オスカー・ワイルド、ゴッホなどの芸術家たちも愛飲していました。しかし そのうち慢性の使用によるアブサン中毒や幻覚が起きることが判明し、健康面での影響が懸念されはじめました。そして1900年代にはさまざまな国でその使用が禁止されることとなったのです。現在スペインではアブサン酒は合法ですが、フランス、アメリカなどの国では酒の販売や製造、輸出入が禁止されているそうです。

アブサンの働き

アブサン酒が脳にどのように働くのかはよくわかっていません。アブサンの中に含まれるthujone の構造が、マリファナの含有物tetrahydrocannabinol(THC) とよく似ていることが判明しているにも関わらず、実際その働きもはっきりしていません。アブサンのthujoneは、ワームウッドの中に40%から90%含まれています。これがたぶんアブサンの有効成分のひとつだと考えられます。

また、中毒症状についてですが、幻覚、不眠、痙攣 などはアルコール中毒にも見られるものであり、「アブサン中毒」がはたして存在するのか、という問題は実証されていないとも言えます。最近のデータが不足しているために、アブサン中毒と呼ばれるものが単にアルコール中毒である可能性もあります。

(アブサン酒を試した人の中には、明らかにアルコールとは違う酔い方をした人が多いようですが)

また、アブサンの中に、幻覚作用があるといわれる Calamus (acorus calamus)や nutmeg(ナツメグ)を加える人もいますが、幻覚作用があることがはっきりしているのはナツメグだけです。しかしどちらとも特に加える必要性があるとも思われません。

 

飲み方

ワームウッドをウォッカにつけて何日かおきます。一週間くらいがいいとのことですが、お酒はなるべくアルコール度の高いものにしてください。そして砂糖を加えて飲みます。

ハーブやミントの葉などを加えることもあるようです。

またアブサン酒を使ったカクテルもたくさんあります。日本は、アブサン酒が合法で飲める数少ない国である・・というのをどこかで読んだ記憶があります。

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