sea the movie!
MOVIE and the SEA
---ありそでなさそな『海の映画』---


海を舞台にした映画って何があるっけ?


●=工事中
1 “Down Periscope”(96米)
2 “Crimson Tide”(?米)●
3 “Flat Top”(57米)
4 “Top Gun”(86米)●
5 “White Squall”(?米)●
6 “The Piano”(ピアノ・レッスン)(93NZ/仏) new!
7 “A Few Good Men”(ア・フュー・グッドメン)(93米) new!


“Down Periscope”

 コメディ映画ながら、結構潜水艦の描写が細かくて楽しめる。
 ディーゼル潜水艦が攻めてくる、という設定でアメリカ海軍が演習を行うのだけれど、一度退役した艦を引っ張ってきただけに飽き足らず、乗員も全員落ちこぼればかり拾ってきたものだから、その航海はハプニング続き。
 敵方に発見されかかってボトミングしている時、息をひそめるディーゼル潜艦内で一人つまみ喰いしていたコックがついオナラをしてしまった音を、原潜のソナーマンが、
「爆発音あり」
 と勘違いして発令所に伝えたり、この場を切り抜けるためにディーゼルのソナーマンに鯨の泣き声を真似させたり(これを命令するときの艦長とソナーのジェスチャークイズもおかしい!)と、笑わせるシーンをふんだんに用意してあるかと思えば、たまたま現場海域を航行していたタンカーの艦底に隠れることにしたディーゼル潜が、艦尾からアプローチしたためにキャビテーションで大きく揺さぶられながらも、航海長(それが女!)の細かく的確な指示で見事張り付くまでの緊張感漂うシーンなどもあって、最後の最後までハラハラさせられる。

 終盤で、ディーゼル潜が目的地である軍港に強行突破をかけた際などは、追跡する原潜の浮上シーンが鮮やかで、どうやって撮影したのか気になってしまった程。

 個人的には、艦内で唯一の女性乗員であるレイク中尉が、自分の指示ミスを悔やんで自室に閉じ篭っていた場所が、ちょうど「沈黙の艦隊」27巻で深町2佐が閉じ込められた部屋と同じで、不覚にもファン魂そそられてしまった。(^^;
 発射されたピンガーの音や、ソナーのモニター上にそれが跳ね返った時の様子、潜望鏡の上げ下ろしや、操舵手の息の合ったチームプレイなど、案外真面目に取材したのではないかと思える。

 シリアス調の「クリムゾン・タイド」を見た後にちょうどいいかも知れない。

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“Crimson Tide”


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“Flat Top”
 大戦中の米空母航空隊に所属していた小隊長の回想録。恐らくフィクション。
 血気盛んな新米パイロットが、訓練中指揮官の指示に従わず、着艦においてもミスをやらかした。彼は搭乗資格を奪われ、出撃する仲間を一人で2年近くも見送るハメになる。部下の不満を汲み取った隊長は、指揮官に抗議するが‥‥。
 時間の経過が今一つ不明瞭で、やや冗長過ぎる感じがしないでもないが、大戦中のアメリカの空母の様子を掴むにはうってつけ。例えば飛行甲板が木造だったために日本軍の攻撃を受けて穴の空いた甲板を木片を切って修理する工兵の描写や、艦載機が着艦と同時にカタパルトに金属製のアブゾーバー(テニスのネットに網の代わりに上辺に一本針金が一本くくりつけられている)が5〜6本立ち上がる様子や、その艦載機がしまいこまれる行程、はたまた出撃前の指揮官による作戦会議、普段の洋上生活などのシーンがふんだんにある。

 ただこの時の米海軍の敵は、言うまでもなく日本軍なので、何となく見ていて辛いシーンも無い訳ではない。

 カラー映画だが、私が見たビデオは変色かまびすしく、時代を感じさせた。タイトルは飛行甲板をさすものと思われる。

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“Top Gun”


“White Squall”


“The Piano”(ピアノ・レッスン)  new!12/04

ストーリ:  スコットランドから地球を半周して南太平洋のニュージーランドの土地売買人、ジョージの元に嫁いだ子持ちのエイダは、6歳の時から口が利けなくなった為、ピアノが言葉代わり。その大事なピアノを夫の手から奪っていったベインズから取り戻す為に、エイダは男の提示した条件を呑み‥‥。
ポイント:  ストーリの大半は昼なお暗い森の中や、雨などが占めるが、クライマックスでマオリ族の男が漕ぐ船に乗ってニュージーランドからオーストラリアに移動するシーンが、映画における海洋シーンとしては秀逸。
 海中に飛び込んだエイダが再び表面に浮き上がってくる場面などは、過去を精算して新しく生まれ変わった彼女が「ビーナス」よろしく海上に姿を現すシーンを連想させられる。
 そして、極め付けの海底のピアノとその上にゆらゆらと漂う彼女自身の幻影。―――象徴的な情景なので細かい解説ははしょるが、「海」に「死と再生」を見る人には、映像の妖しいまでの美しさに虜になってしまうかも知れない。

―――12/04/1998
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