かえるさんレイクサイド (MKII)



かえるさんは羽の林のなかを歩いていた。
ちょっとした散歩のつもりが、いつのまにか夜になり、それでも
羽の林はずっとつづいている。

かえるさんはちょっと不安になった。まわりにいるのは見たこと
もないような色や模様のかえるたち。みなめいめいにめかしこんで、
誘ってくる。

「ちょっとこちらで一休みしませんか?」
「楽しいひと時をぜひこちらで」
「あなたに無上のよろこびをわけたいのです」

ちらっと視界をうごかすと、なんとかえるとへびが林の陰でひそひそ
話している。へびはよくみるとコブラのようだ。

「羽の林にコブラ?」かえるさんはこの羽の林がよくわからない。
どうやらとても不思議な場所らしい。

「あの頃みんなが夢見てた」という看板をみつけたかえるさんは、
救われたような気持ちでその店にはいっていった。



Story by Koichiro Hajiri @ somewhere on the earth



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