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スズメバチの巣 パトリシア・コーンウエル/講談社文庫 例によって620頁を夜を徹して読んでしまった。主人公のひとりであるアンディ・ブラジル青年の、恐いほどのナイーヴさにクラクラした。「そんな些細なことでいちいち傷つかなくても」って思いながら、でも自分も似たようなことで傷ついたり、絶望したり、自信がわいてきたり、自分が強くなったと感じたよな、と振り返る。 このところ、おおきく考えが変わったことがあって、それは「いくつになっても美しい女性はいる」。もうひとりの主人公=ヴァージニア・ウエストが、「42歳だが、いまだに人がふりかえって見るほどの美貌の持ち主」といわれて、久しぶりに小説の登場人物にひととき恋心をいだいた。 V・I・ウォーショースキーが去り、ケイ・スカーペッタも去ってしまったのかと思うと、すこし悲しいけど、このヴァージニア・ウエストの2作めが98年中に脱稿と聞き、新たな期待を寄せている。 |