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ETV特集「皇后陛下・美智子さま・子供時代の読書の思い出」
1998年10月3日(土) 21:00〜21:55 NHK教育(再放送)

 天皇制に懐疑的な私だが、皇后美智子の英語にはほんとうに感心させられた。
 インドで開催された「国際児童図書評議会世界大会」での基調講演が予定されていたが、同国の核実験への日本のスタンスから欠席となり、あえてビデオをで会場に基調講演を伝えたものだ。
 原稿を読みながらのものではあるが、内容はともあれ、じつに落ち着いたわかりやすいきれいな英語だった。かねてから、日本を代表する人物が、どのような英語によるスピーチをおこなっているかについて関心のあった私としては、まことに安心できる、そして尊敬できるものだった。
 先日、バカンスでフィリピンの小さな島に行ったとき、いわゆるハイソサエティのフィリピン人が専ら英語で会話し、そしてそれが非常にきれいなものであることを知り、けっして経済的には成功を納めている訳ではないけれども、確実に諸外国とわたりあっていく層の存在を痛感した。
 どうして、日本人は6年間以上の英語教育を受けながら、英語力がないのかについては、たくさんの議論はあろうが、やはり、根底的に、正面切って諸外国と接していくことがないという現実に拠るものだろう。
 そんななかで、皇室というソサエティは、間違いなく鍛え抜かれてきているのだろう。制度としての問題はさておき、彼らから学ぶものは大きい。
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