10月 13日(火)
 痛い、イタイ、いたあーいっ!!
(コレハ テンバツ?)

今朝、目が覚めたら左頬が引きつるような感じがして
(マルデ ヒッパタカレタミタイダワ)

恐る恐る口を開けて鏡を見たら、3年間大人しくしていた
“親知らず”が再成長の猛威を振るい始めていた。
(イタミバカリ ジカセイサンスル コンナ ココロト
カラダハ モウ イラナイ)

 
「ほら、あーんってして見せてみ?・・・やっぱり親知らずだ。
こんな歳になってまだ歯を生やそうとは、なんてお子様ランチな
頭と身体なんだ、オマエは(笑)」

からかうような意地悪っぽい言い方で。
でも口の中を覗く視線と顎に添えられた両手は、暖かで優しかった。

その口から彼を罵る言葉が出るとは。
 (スナオニ カナシイト イエバヨカッタ)
 
その両手が私を殴り倒す日が来るとは。
 (アイジョウノ サイゴノ ヒトシズク)


 3年目にして、再発かぁ・・・。こりゃ歯医者で抜歯は決定だ。
10月 12日 (月)
 「あれまー、manamiっちがワンピースなんて女っぽいっぽいモン
着てるとは何事なの?」
仕事明けの更衣室で、笑ってからかう同僚に照れるともなしに
真顔で答えてみる。

 「見合い、だ。」

 
 恋愛が幸せな男女の結末を約束しないということは、もう痛いほど
知ったつもりだった。
愛だの恋だのではなく、安定した穏やかなもの。条件と契約。
自立だの、大人になれだの、淋しさの克服の仕方だの
あれも、これもな毎日と心を波立たせるプレッシャーには
もうウンザリしかけていた。

“屈折して逃避気味のティーンネイジャーみたいだわ。”
自棄な笑いが止まらないまま、友人夫妻とその友人である
見合い相手の待つ街へ向かう。

 食事を交えた4人での歓談は、恐ろしくつつがなかった。
まるでこの世の中にはエゴイズムや人の心の混線、人生の業のようなもの
など存在しないのようだ。
それを、望んだのに。 そのはずなのに。


 「明日、電話をしてもいいですか?もし良ければ今度の
貴女の休日にでも食事に行きませんか。」

帰り際の駅の改札で、あくまで紳士的に彼は尋ねた。
ああ、きっとこのまま順調に彼と付き合えば、おそらく半年後には
同じ口調でプロポーズをされることになるのだろう、と
ぼんやりとした頭で、思う。

 自分がなんと答えたのか、正直いって記憶にない。
酔っていたわけでもないのに。

 都心の無尽に広がる地下鉄。網の目のように淋しい分岐点。
電車が自宅に向かうほどに、様々なものが不鮮明になる。

 さっき会った彼の顔すら思い出せないように。
10月 6日(火)
 なんたってあーた、10月10日は「晴れの得意日」なんである。
それも「友引」なんて重なっちゃったもんだから大騒ぎさ。

 秋の結婚シーズン。今月は“お祝儀ビンボー”決定しちゃってる人も
多いかと思う。
10日が修羅場なのは、30分置きに式・披露宴を廻さなきゃいけない
現場の「宴会課」さんなのだが、私が仕事をしている「受付・企画課」は
当日を迎える寸前、すなわち今がテンテコマイ。

 最終打ち合わせ、というのがある。
人数、料理、引出物、演出等々、全ての決め事を決定する日なんであるが
これをやると、人それぞれの趣味や価値観の違い、対人意識みたいな
個性がオモシロ&カナシク、強烈に見えてくる。

<本日の1件目>
白無垢→色打掛→ウェディングドレス→色ドレス→ウェディングドレス再び。
入場にはシャボン玉とスモーク付。伯母様の歌う「長持ち唄」がBGM。

私:「は、華やかでございますね。(これ以上言えない)」

花嫁(予定):「一生に一度のことですからー。憧れてたんです。
        皆がわたしのために集まって来るわけだから、
        気合いれないとっ、ねっ?!」

 ・・・そんなにお色直しばっかりしてたら、席に座ってる時間なんて殆ど
なくなっちゃうよ。美容室と写真室の往復で終わっちゃうよ?
せっかく来てくれた人たちにの顔、見てられないよ?

<本日の2件目>
ウェディングドレス、のみ。
キャンドルサービス、途中退室はナシ。

花嫁(予定):「お客様のいる各テーブルに、それぞれイス2つ、用意
        してもらえますか?」

私:「?」

花嫁(予定):「んーとね、披露宴の間、ちょこちょこ動きまわりたい
       じゃないですか。やあやあどーも、みたいな。
       彼とお礼をちゃんと言いに行きたいし、少ない時間でも
       全員と腰を据えてお話したいから・・・。」
       
 きっと皆、喜ぶと思うな。
お祝いに来た甲斐もあると思う。しっかりと幸せそうなアナタを見て。


<本日の3件目>
アポの時間になっても来やしない。
え? 電話?

花婿(予定):「突然で申し訳ないですが、10日はキャンセルです。
        破談になりました。・・・今日。」

私:「(うぎゃーっ、カンベンしてーーーっ!!)契約違約金等のお話は
   ご存知でございますね?」

花婿(予定だった人):「はい。詳しい事は近々。立て込みますんで。」

 お、お察しします・・・。
いや、しかし年に何回かはある(当日花嫁or花婿来ず含。←マジで)とは
聞いてたけどさ。
未遂に済んで良かったのか、カタチだけでも整った後の方が体裁もプライドも
そして心は、救われるのだろうか?


 司会者会社、音響演出会社、それぞれの業者と ある者は嬉々と
ある者は真剣に打ち合わせを重ねる、未来の花嫁たち。

 泣いても笑っても、舞台は目の前。
うんと素敵な、それぞれのハッピーエンドを得られますように!
10月 5日(月)
 朝の冷え込みに、タオルケット1枚。 寒気とクシャミで目が覚めた。
ああ、もういよいよ秋になったんだなぁ、とホットミルクを啜りながら
ぼんやりと、想う。

 夜の帰り道、なんだか無視できない匂いにふと、立ち止まる。
“金木犀だわ・・・。”
花自体は小さくて可憐この上ない花木なのに、意外な強い芳香で心を
しめつけてくるのよね、このコは。

 この花木の姉妹に、「銀木犀(ぎんもくせい)」というのがあると
聞いた事がある。
珍しいものらしく見た事も見た、という人も今までないけれど
金木犀のオレンジ色とはうって変わり、白い小花で香りも控えめな
風貌のものらしい。
その花を想うたび、イメージするのはあの方。
儚げで、優しくて、主張がましいところが全くない美しさ。


 自分のエゴイズムに辟易して戸惑う秋の夜。
涼やかで静かすぎる空気と、金木犀の匂いのなかで
ただ観るともなく、さまよう思念。
10月 3日(土)
 2日に吉祥寺であったオフミについては、きっと「イントロ
なんとか」とかを書いてる無職の軟弱派が、その沽券をもって
成し遂げてくれるであろうから、とりあえずパス(笑)

 
 やらなきゃ、と気に思いつつ半月位ほっぽらかしてたら壊滅的に
メンド臭くなったこと。
ネイルケア、眉毛カット、秋冬用の靴や洋服の物色・・・
おっ、考えてみれば全部(クソ手間が掛かりやがる)イマドキ女性の
基本メンテナンスではないですかっ!!

 ぐうたらは元々だけど、こう気持ちが荒廃した時のずぼらは、即
“みにくさ”を呼ぶのだろう。不吉だなあ。

 と、思ったそばから、帰宅しても本読んで一人でげらげら笑って、自分の
だらしなさに自己嫌悪を感じつつも、どうにもこうにもヤル気が湧かない。
心に“きれい”が咲いてこない。あーあ。

 ちょっと前に持っていた自分の25歳のイメージって、もっと華やか
だったし、女っぽかった。
でも、かのミナコサイトウ女史が、現代は昔から比べて、大人度がちょうど
10年くらい遅れているから自分が子供の頃思ってた例えば25歳から
ちょうど10歳ひいたくらいのイメージに成長してれば良いのではないか、と
言っているのを発見。さすがは世界のミナコサイトウ。15歳だと思えば
許せる数々のことよ。ぷぷぷぷ。

 いつも疲れ気味で不機嫌で、手入れを怠った爪や髪。
来たるべきタイミングが到来するまで、私の“きれい”はこのまま
当分休業決定。
10月 1日 (木)
 食べ物に好き嫌いがない、というのは果たして幸か不幸か
どちらなのだろう。

 休日の午睡。目覚めたらもう7:00pm。
起き抜けに最初に思ったことは、“人参がいっぱい入った肉じゃが、
食べたい・・・。” だったのだから私も相当オメデタイ(笑)

 都内の外食で、人参重視の肉じゃがなんて当然調達は不可能。
よって自炊決定。
調理もかたずけも嫌いではないから苦ではないけれど
「アレ」(今日は人参)や「コレ」(先日は大根)に
振り回されてしまう事実事体は、なんか口惜しいなぁ。

 そんな雑食でも、空腹だけど自分が何を食べたいのか
分からなくなってしまう時もある。
スーパーやコンビニに意気込んで行っても何もピンと来ず、
結局すごすごと帰ってきたり。
私の場合、それは大抵精神的に疲労してたりパニクってる時
だったりする。

 だから、自分がそうだからという訳ではないのだけれど、
電車の中や街で「今日、○△へ行って☆◇を食べに行こう!」
なんて具体的で元気な声を聞くと、人ごとながらその人の
心身の健康さに安心してしまうことがよくあるのだ。
変なハナシだけど(笑)

 
 あなたが今、所望しているものは何だろうか?
 (ちなみに今の私はアップルパイです(^^;))
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