リムランド博士とビタミンについて


米国サンディエゴ市にARIという自閉症研究所がある。 Autism Research Instituteと呼ぶ。 このホームページを何かのリンクで見つけ、無料の資料も送付あるの で資料一式を請求したことがある。98年1月の事である。 以下の内容私が勝手に訳した物だ。原文はARIのウエッブサイトにあるので 正確にはそちらを見てほしい。

ここの創設者であるBernarld Rimland博士は権威ある自閉症の研究者で、 高機能性自閉症の息子を持つ父親でもある。皆さんはアカデミー賞とった "レインマン"という障害をもった人々の映画をご存知だと思う。Rimland博士は この映画で技術顧問(chief technical advisor)を務めた。この映画の主演 ダスティ ホフマン(Dustin Hoffman)はRimland博士の息子さんマーク(Mark)を 演技の手本にしたらしい。 マークは1956年生まれ。彼が自閉症とわかった時に父が自閉症研究所の 前身であるInstitute for Child Behavior Researchを設立した。 マークは現在画家の元で勉強している。彼の作品には水彩とフェルトペンを用いた風景、 人物、生物画などがある。作品の販売のちらしも請求した資料に混じっていた。 マークの画才は24才で花咲いたらしい。またマッキントッシュコンピュータ と感圧式のタブレットを利用したコンピュータアートも作品に。

さて、この資料の中にビタミンB6を利用した治療が紹介されている。 ビタミンB6を自閉症の治療として利用し始めたのは1960年代からだ。 ヨーロッパで行われ、多くの患者に改善が見られたらしい。 Rimland博士がその結果を裏付けるため、全米を対象に調査、ビタミン投与の 研究を行った。その結果ビタミンB6を過多投与した患者の半数に、視線が合う、自己刺激的な 行動の減少、パニックの減少、言葉が出てくるなどの効果が認められた。 残りの半数の患者には効果が見られなかった。 実際この治療を実践した親からの手紙も紹介されている。内容を読むと飲んだ次の日から すぐ効果が出たとか、年齢層も6才から20代までと幅広い年齢層で効果があるようだ。

Rimland博士はビタミンB6の摂取能力を高めるためにマグネシウムや 他のビタミンも併用することが奨められている。 また、これはビタミンではないが Dimethylglycine(DMG)の投与も言語系の発達に 有効であるらしい。 Rimland博士はこれらを始めるなら、まずDMGを2-3週間与え、その後ビタミンB6/マグネシウム の投与を徐々に始めることを推奨している。 また過多摂取の量の目安として一日当たり以下の数値を示している。


DMG 60-500mg/pound
Vitamin B6 8mg/pound 上限の目安は大人で1000mg
Magnesium 3-4mg/pound 上限の目安は大人で400mg
Vitamin C 博士自身が12,000mg

心配な副作用について。 DMGは食品として分類されるものであり、ビタミンの過多投与に関してもB6単独摂取を しないかぎり問題がないと博士は報告している。 他の文献でビタミンB6過多投与が心臓の病気を防いだり、てんかんがある赤ちゃんへの 有効性なども紹介されており、博士の言い分を裏付ける形になっている。 しかし、この療法が広く普及していない理由のひとつに一般の医師がビタミンの過多投与は 危険だと指摘している点があるようだ。博士はこれらには根拠がないと心配を払拭している。 息子のマークは30年間ビタミンB6(1日1000mg)、マグネシウム(1日400mg)摂取しつづけている らしい。彼の画才はこの薬で開いたのか?? Kirkman Laboratoriesがこれらのビタミン剤を販売している。


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