「トラミの帰宅サイン」 ’00年2月10日
ワープロをしていましたら、「キーッ!」とガラスの表面を引っかいた時のような鋭い音が突然聞こえてきました。
そんな音をこの部屋で聞くのは初めてだったので、私は少し驚いてガラス戸を開けると外を見ました。
すると、私の足元をスルッとすり抜けてトラミが部屋に入って来たのです。
私の家には猫専用のドアなどというものはありません。
以前にはそんなものを考えたこともありましたが。
のら猫に入り込まれるのも嫌ですが、メリー達が外に出て行ってしまったら大変なので、今ではとてもそんなことは考えられません。
そんな理由でミケやイネ、トラミが出入りするたびに誰かが開けてやらなければなりません。
出たい時にはガラス戸の前で行ってから振り向いて、「ニャーニャー」と鳴いて催促します。
帰って来た時にも基本的には外で鳴くのですが。
ちょっとくらい鳴いても、部屋の中にいる者が気づかないなんてことはよくあります。
そんな時にミケだったらもっと大声を張り上げて鳴きますし、イネだったら「ドシン、ドシン」とガラス戸に体当りします。
夏だったら網戸に跳びついて、「バリバリッ!」と大きな音を立てます。
トラミは最初の頃は庭には来なくて、玄関のわきで誰かが帰って来るのをじっと待っていました。
けれども庭から帰って来ることをやっとおぼえたようでした。
そして、ガラスを引っかいて「キーッ!」音を立てるのがトラミの帰宅サインのようでした。