「モコの散歩」 ’00年4月6日
モコがあまりにも外に出たがるので久美子が抱いて外に出ました。
猫の散歩用の細ヒモをつけていたのですが、道におろしてもモコは歩こうとはしません。
ほとんど這うようにして進みます。
そんなモコを見ていた向かいの家のおばさんが、「まあ、その子は犬なの?猫なの?」と不思議そうに訊きました。
トラミやミケは外を出歩くのでよく見かけると思うのですが、モコファミリーは家の中にばかりいるので向かいの家のおばさんが知らないのも無理もありませんでした。
久美子は、「猫です」と答えました。
「まあ、そうなの。それで男の子なの?女の子?」と、おばさんはさらに訊ねました。
「2児の父です。子供が2匹もいるんです」と、久美子は答えました。
「まあ、そうなの。うちでもニャンが死んでしまって。もう年寄りだったからご飯もあまり食べられなくなっていて・・・・ああ、そうだ。ちょっと待っててね」と言うと、おばさんは家の中にそそくさと入って行きました。
ニャンはミケよりも2歳くらい年上でしたから、もう15歳くらいになっていたはずです。
おばさんはドライフードや缶詰が入ったビニール袋を持って出て来ました。
食べる猫がいなくなってしまったので、モコたちに食べさせてくれと言うのです。
ミケがこの家に来たばかりの頃は、ニャンとよく追いかけっこをしていたものです。
そんなニャンもいなくなってしまったのです。