「やさしい父親」 ’00年4月18日
モコが孤食であることは以前にも書きました。
今だにその習慣は続いています。
メリーやユキ、しし丸は一緒に食べるのですが、モコだけは離れた所で独りだけで食べているのです。
ところが、今夜はモコがぐずぐずしていたので、モコが行った時にはユキがモコのご飯を食べていました。
でも、モコは怒りもせずにユキが食べるのにまかせていました。
だからと言って、モコはメリーたちが食べているところに行って一緒に食べようとはしません。
ただ、ひたすらじっと待っているのです。
けれども、ユキが食べ散らしてから行ってしまうと、すぐにしし丸がやって来て残りもすっかり食べてしまいました。
それなのにモコはからっぽの皿を前にしてさみしそうにしているだけでした。
久美子が通りかかると、悲しさを訴えるような眼で久美子を見上げました。
「あらっ!モコちゃん、ユキたちにご飯を食べられちゃったんだア」と笑いながら言っても、モコは気恥ずかしそうにうつむいているだけでした。
「ほんとにモコちゃんはやさしいお父さんなんだから」と言いながら、久美子はもう一つ缶詰を開けてやりました。
こんな時に厳しいメリーだったら容赦無くユキたちを怒ったり、叩いたりするのですが、モコは気持ちがやさしいのか気弱なのか、まったく怒ろうともしないのです。
実際、メリーはユキやしし丸をよく叩くのです。
たいした理由も無さそうなのに、メリーはいきなりパシッと叩くのです。
この写真を見るとそんなふうには見えないでしょうが、やはりモコはやさしい父親なのでしょう。