「カニカマが好き」        ’00年11月7日


カニカマが好き

 モコはチャオの「とりささみとカニカマ」が大好きです。
 と言うよりも、ほかの缶詰は食べようとはしないのです。
 そのことはよくわかっていたのです。
 でも、うっかりとカニカマを切らしてしまいました。
 キャラットの缶詰がまだ3箱残っていたので、つい勘違いをしてしまったのです。
 それで、しかたなく娘の久美子がキャラットの缶詰をあげたのだそうです。
 ところが、空腹でたまらないくせにモコがぐずぐずしていたので、ユキが食べてしまったのだそうです。
 好き嫌いを言ってグズグズしているモコがいけないのです。
 それなのにモコは怒ってユキを叩いたのだそうです。
 ユキにご飯を横取りされるのはいつものことで、怒ったことなんてまったく無かったモコのことですから、これは相当イライラしているようだったらしいのです。
 夕方、私がカニカマを買って帰ると、モコは私の足元にさりげなくすり寄って来ました。
 ここまでするのはモコにしてはめずらしく積極的な意志表示でした。
 カニカマの缶を開けてやると、モコはいつもの3倍くらいのスピードで食べ始めました。
 見ていると、食べ終わりそうになってもそのスピードは落ちませんでした。
 それで、こんなことは初めてだったのですが、もう一つ缶を開けてやりました。
 それもきれいに食べてしまったので、モコはやっと満足したようでした。
 けれども、それから30分もたたないうちにモコはまたもやカニカマの皿に顔を突っ込んで、夢中で食べていたのです。
 「あれっ!モコがまた食べてる!」と、私が驚いて言うと。
 「モコったら、空っぽの皿をなめているんだよ。そして、悲しそうにわたしを見るから、もう一つカニカマをあげたのよ」と、久美子が答えました。
 けっきょく、モコはそれもきれいに食べ終えてしまいました。

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