「またもや雪が」 ’01年1月20日
天気予報どおりに夕方5時前からちらちらと雪が降り始めました。
朝から空はすっかりグレーに塗りつぶされていて、寒さは骨身にしみこんで来るほどでした。
誰もが、「雪が降ってもしょうがないな」と納得してしまうような、そんな天気だったのです。
東京と言っても町田市は気候に関しては丹沢渓谷の子供みたいなものです。
そのくせ交通の弱さだけはまったく都会並みで、ほんのちょっとした坂道を登れない車が続出してたちまち鎌倉街道はしっかりと渋滞してしまったのでした。
私が乗っていたバスもいつもなら15分ほどの距離なのに1時間半もかかりました。
でも、私はバスの中でずっと眠っていたので、それほど長い時間が過ぎたとは全然感じませんでした。
15センチくらい積もりそうだったので、車のタイヤには暗くならないうちにすべり止めを巻いておきました。
夜になって車の通りも無くなり、あたり一面が白くなりました。
モコとしし丸は今夜もこたつの上で背中をくっつけ合って寝ていました。
けれども、トラミだけは外に出たがって騒いでしかたがないのです。
暖かい部屋の中ばかりいるから外の寒さがわからないのでしょう。
ガラス戸を少し開けて、「ほら、今夜はすごく寒いんだよ」と言うと、一瞬トラミは風の冷たさにちょっとひるんだようでした。
それでも、トラミは意を決したように外に飛び出して行きました。
すぐに帰って来るだろうとは思っていましたが、5分もたたないうちにガラスの向こうにトラミの影が映りました。
ガラス戸を開けてやると、すぐさまトラミは飛び込んで来ました。
よほど寒かったのでしょう。
体をブルブルと震わせているようでした。
トラミが歩いた後にはぺたぺたと泥だらけの足跡がついて行きました。
足跡はクリーム色のカーペットにもくっきりとついていました。