「ノコギリの音」 ’01年4月25日
「シャシャッ、シャシャシャーッ!シャシャッ、シャシャシャーッ!」
良く切れるノコギリで堅い木を切っているような音がふいに2階から響いて来ました。
強い香を放ちながら木の粉があたりに飛び散っているのが見えるような音でした。
「あっ、ココちゃんだ!」と、久美子が言いました。
「ココちゃんがシャカシャカをおぼえてしまったんだよ」と、久美子は説明するように言いました。
「シャカシャカ」というのはメリーの得意技で、壁やドアを爪の先で引っかくことでした。
久美子と一緒に部屋にいるときにはそんなことはしないのですが。
ココだけを部屋に残してドアを閉めて来てしまうと、部屋から出たがってドアを引っかくのです。
あわてて2階に行って、ドアを開けるとココが飛び出して来ました。
でも、だからと言ってココはすぐに階段をかけ降りて来るわけではありません。
階段の途中にメリーが横になっていたからです。
ココはメリーに気を使いながらそうっと降りて来ました。
ココはしし丸やユキにも気を使いますし、なにかと大変なのです。
モコだけにはわりと気を許しているようなのですが。