「いぬいとみこさんのこと」 ’02年1月19日
いぬいとみこさんが亡くなられました。
昨日の新聞で私は初めてそのことを知りました。
いぬいさんは77才だったとのことでした。
いぬいさんは「長い長いペンギンの話」とか「北極のムーシカミーシカ」といった本の作者としてたくさんの人たちに知られていたのかも知れません。
でも、私は「木かげの家の小人たち」や「くらやみの谷の小人たち」、「山んばと空飛ぶ白い馬」などの作者である児童文学作家として記憶し、尊敬していました。
ずっと以前に、福音館書店が「子どもの館」というすぐれた月刊誌を発行していた頃に私はいぬいさんの名前をひんぱんに見ていました。
いぬいさんは黒姫山のふもとに小さな別荘を持っていて、ときおりそこを訪れては作品を書いていたのです。
「別荘」と書くとずいぶん豪華な建物のように思えますが、実際はこじんまりした山小屋と言うもののようでした。
その山小屋での暮らしについて書いたもので、「キツツキ小屋だより」という物語が子どもの館に連載されていたことをおぼえています。
最近は私が児童文学の作品から遠ざかっていることもあって、いぬいさんの名前を見ることはほとんど無くなっていましたが、小人たちの物語はときおり思い出しておりました。
いぬいさんはたくさんのすばらしい作品を残してくれました。
そのことを心の底から私は感謝しております。