「大好きなもの(ココット)」 ’02年2月12日
鶏肉は生のままではそれほど匂わないものです。
けれども電子レンジで4分間加熱した後は、ラップを剥がしたとたんに湯気と一緒に強い匂いがあたりに広がります。
私が電子レンジを開けたり閉めたりしている時には、ココットは私の足元でただ歩きまわっているだけです。
私が作っているのがカレーなのか、ココットの夕飯なのか、どちらかまだ分からないからです。
でも、鶏肉の暖かな匂いがただよった瞬間に、ココットは私のズボンに爪を突き立ててせいいっぱい伸びをするとしきりに甘え声を出すのです。
そして、「早く!早く!」と、私をせきたてるのです。
メリーやユキはちょっと離れたところでおとなしく待っていますが、ココットにはそれができません。
もちろん、出したばかりの皿はひどく熱くて素手では持てないほどです。
ですから、鶏肉も熱過ぎるので、私は熱い肉を細かく裂きながら必死に吹いて冷まさなければならないのです。
必死に吹いてばかりいると、酸素が足りなくなるせいか、頭がボーッとして来てしまいます。
手の平でころがしながら冷ました肉をとりあえずココットの皿に乗せてやりました。
でも、まだココットには熱いのか、ココットはちょっと鼻を近づけただけで食べることもしないままに皿のまわりをせつなそうに回っています。
でも食べはじめると、ジェットコースターみたいなスピードで食べ続けるのです。
こんな小さな体のどこにたくさんの鶏肉が入ってしまうのでしょう?
実に不思議です。