「ユキのトリミング」 ’02年3月27日
「26日にモコのトリミングをお願いします」と、さとう動物病院の佐藤さんに頼んであったのです。
けれども26日が近づいて来るまでに引っかかれたり、キックされたりしながらもモコの毛刈りはかなり済んでしまっていたのです。
むしろユキのほうが毛玉が目立つようになっていました。
それで26日に実際にトリミングしてもらったのはユキなのです。
いつものことですが、トリミングしてすっかり丸裸になるととても不思議な感じがします。
目や鼻や口はユキなのですが、顔全体で見るとまるで別の猫のようなのです。
私たちでも見間違えるくらいですから、しし丸などはなおさらです。
ユキが帰って来たときからずっとしし丸はしつこくつけまわしていたのです。
そして、すきを見つけると、しし丸はユキの背後からふいに襲いかかったのです。
驚きあわてたユキは悲鳴をあげながらしし丸を振り払おうとして暴れました。
テーブルの上に積んであった本や雑誌、ビデオテープの山をユキの足が蹴りました。
はじき飛ばされたものが音を立てて床に落ちました。
その音に驚いたメリーたちが跳び起きました。
ココットは寝ていたカゴごと床にころげ落ちました。
理由も分からないままにメリーとココットは逃げまどい、走りまわっていました。
騒ぎが静まったとき、こたつの上に残っていたのはしし丸だけでした。
ユキやメリーの姿はどこにも見えませんでした。
みんなどこかにこっそりと隠れているようでした。
それが昨夜のことでした。
そして今日のことなのですが。
夕方、家に帰った私に久美子が言いました。
「しし丸ね。左目の下にケガをしているんだよ」
よく見ると、たしかに左目の下1センチくらいの所に毛が抜けて赤裸になっている部分がありました。
「しし丸がすごくしつこいもんだからユキが怒って引っかいたのよ」
しし丸はすっかりこりたのでしょう。
今夜はユキを見ても知らないふりをしていました。