「メリーと草もち」 ’99年3月13日
妻の田舎から草もちを送って来ました。
妻は草もちが大好きなのです。
色々な食べ方があるのでしょうが、妻はきな粉をまぶして食べるのが特に好きです。
今日もテーブルの上に草もちがはいった小皿がありました。
もちろん、小皿の中にはきな粉がたっぷりといれてあって、小さくちぎった草もちのかたまり3個はきな粉の中に埋もれているような具合でした。
でも、よく見ると草もちのてっぺんはどれもがテカテカと濡れたように光っていました。
私が不思議そうに見ていると、「ああ、これね。メリーがきな粉をなめちゃったの。でも、粉っぽいからあまり好きじゃないみたい」と言いながら、妻はスプーンできな粉をすくって草もちの頭にふりかけていました。
すぐに草もちはすっかり黄色くなってしまいました。
夕食が済むと妻は家の近くにある美容院に出かけました。
私がテレビで「筋肉番付」を見ていると、遊びに行っていた娘の久美子が帰って来ました。
久美子は妻が用意しておいた夕飯を一人で食べました。
見ると、小皿の中の草もちが無くなっていました。
「あれっ、ここにあった草もち、食べた?」と久美子に訊ねると、「食べちゃったよ。食べたかったの?」と久美子は答えました。
「えっ?いや、いいんだよ」と、私はあわてて言いました。
この時の私は、とてもうれしそうだったそうです。