「怒りのメリー」 ’99年5月8日
夕食が終わった7時半頃のことでした。
突然、メリーがすさまじい唸り声を上げながら網戸の網をバリバリとかきむしり始めました。
びっくりしたしし丸たちはワッ!と逃げ散りました。
(メリーでもこんなに怒ることがあるのか!)と私たちでさえ驚くほどにメリーの怒りは激しいものでした。
さらにミケまでが飛んで来て、網をかきむしりはしませんでしたが、メリーと一緒になって激しく唸り出したのです。
網戸の外にどこかの猫が来ているようでした。
でも、よその飼い猫やノラ猫が庭に来るのはいつものことなのに、これほどにメリーが怒ったのは始めてなのです。
いつもだったら怒るどころか、気にもしていないふうだったのにこれはどうしたわけなのでしょう?
あわててメリーを抱き上げましたが、怒りはちっともおさまらずに、興奮が頂点に達していました。
私が外に出て行くと、トラ猫が低い声で唸りながらゆっくりと立ち去るところでした。
トラ猫の姿が見えなくなってもメリーの怒りはまだくすぶっているみたいで息も荒く唸り声を上げていました。
でも、さすがにミケは数々の修羅場をくぐって来ただけにすでに落ち着きはらっていて、平静を取り戻していました。
モコたちはどうしたのかと思って捜してみると、ユキは階段の最上段からまんまるのビックリ目で見下ろしていました。
モコは娘の部屋に隠れたまま顔半分だけのぞかせて心配そうに私を見ていました。
しし丸にいたっては、2階の奥の部屋まで逃げ込んで押入の中に隠れていたのでした。