「ユキの予防注射」         ’99年11月20日


ユキの予防注射

 ユキです。
 今日、ユキは予防注射を受けに行って来ました。
 もっと前にしし丸と一緒に受ける予定だったのですが、たまたまユキは腹具合を悪くしてしまい、しし丸だけ先に受けたのです。
 ユキもずいぶん大きくなり、後ろ姿だけではモコと見分けがつかないくらいになりました。
 病院の体重計で計ってみると4キロありました。
 注射が済んで待合室で会計の精算を待っていると、童話の赤ずきんちゃんが持っているようなバスケットを抱えた女の人が来ました。
 バスケットは藤で編んだもので、バスケットの底には厚い布が敷いてありました。
 女の人は母娘の二人連れで、入院しているペットを迎えに来たようでした。
 娘さんらしい人がキャリアケースに入ったユキを見て、「まあ、かわいい!」と言いました。
 その声にお母さんも振り返り、キャリアケースの中をのぞき込んで、「まあ!」と言いました。
 妻がケースからユキを出して見せると、二人はとても喜んで妻と話を始めました。
 その時、名前が呼ばれて二人は診察室に入りました。
 二人の後ろからのぞいてみると、診察台の上にはなんとも大きくて手入れの行き届いた猫が横になっていました。
 そのお母さんの話では、「もう15歳になる猫で、もとは体重が9キロもあったのだけど、体の具合を悪くして7キロまで減ってしまいました。ペルシャと日本猫のハーフなんだけど日本猫のほうが強く出てしまったのです」ということでした。
 その猫はお母さんのバスケットにうまくおさまって帰って行きました。     

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