「迷子のトラ」 ’99年12月14日
モコとしし丸です。
これは10月末の写真ですが、ご覧のように見た目にもしし丸のほうがモコよりも大きくなってしまいました。
ところで、昨夜のことですがトラ猫が庭にまぎれ込んで来ました。
9時頃のことだったのですが、不意にやって来たトラ猫はサッシ戸を叩いたり引っ掻いたりして鳴きわめき、家の中に入れてくれと騒ぎ立てました。
突然の騒ぎに、部屋で寝ていたモコ達も訳が分からないままに飛び起きて部屋の中を走り回り、大パニックでした。
好戦的なミケはガラス戸の前に行って低い唸り声を立てて、早くも敵を迎え討つ態勢に入っています。
イネはスピーカーボックスの上から状況を見守っています。
右往左往しているのはモコとしし丸で、メリーは本棚の上で頭だけ持ち上げて様子を見ています。
ユキは心配そうに部屋のすみでうろうろしています。
トラ猫はまだ若くて、今年の春に生まれた猫のようでした。
それは私の家を襲って来たノラネコではなくて、どうやら迷子になった猫のようでした。
寒いからなんでしょうが、しきりに家の中に入りたがっていました。
家の中に入れたら、そのままこの家に居座ってしまうことは目にみえていましたし、そうなったらもう追い出すなんてことも出来るわけがありません。
娘の久美子は早くもしっかりとコートを着込んでいました。
トラ猫の仮住まいとして段ボール箱とドライフードを盛った皿を庭のすみに置いてやりました。
今朝になってもトラ猫は庭にいました。
ガラス戸越しにモコ達が見ているのに気づくと、段ボール箱から這い出して来て鳴き始めました。
「あの猫の写真を撮って、あちこちに迷子ネコの貼紙をして、それでも飼い主があらわれなかったら、この家に置いてやるよりないのでしょうね」と、妻が覚悟を決めたように言いました。
「『トラ』が帰って来たのかも知れないからね」と、妻は追い打ちをかけるように言いました。
「トラ」は以前にこの家にいた猫で白血病で亡くなった猫なのです。
庭にいるトラ猫は「トラ」にそっくりの毛並みをしていました。
ただし、庭のトラはメスだとのことでしたが。
けれども、ちょっと銀行に出かけて帰って来てみたら、トラ猫はもういませんでした。
実家を捜しに行ったのか、近所の猫に追い立てられたのかは分かりませんが、いなくなっていました。
夜になればまた戻って来るかも知れませんが。