「叩かれたモコ」 ’99年12月22日
トラは今でも家にいます。
元の飼い主がなかなか見つからないのです。
家の周りに貼紙をしたり、近所を歩き回ってそれらしい家が無いかと捜してみたのですが、今のところまったく反応は有りません。
「ショッパー」という週間新聞に載せてもらおうと思って、はがきを出してあるのですが、それでも反応が無かったらトラはずっとこの家にいることになると思います。
私の家には6匹も猫がいますから、トラも来た時にはずいぶん驚いたようでした。
6匹の猫がみんなでずうっと見ているのですから、トラも緊張しっぱなしでした。
トラがトイレをしている時も上や横からじっと見られているのですから、落ち着かないですよね。
今日も2階に上がったら、久美子の部屋のドアが開いていてモコとメリーがそろって部屋の中をのぞきこんでいました。
中を見ると、ピリピリと緊張しきっているトラがいました。
2匹と1匹でにらみあっているのでした。
と言っても、メリーは鋭い目つきでトラをにらんでいましたが、モコはいつも通りの真ん丸な眼で見ていました。
モコは完全に野次馬だったのです。
ところが、トラはいきなり前足を伸ばすとモコの頭をバシッと叩きました。
叩かれたモコは驚きあわてて、反撃もせずにすさまじい勢いで階段を駆け降りて逃げて行きました。
けれども、メリーがひるむことなくトラに仕返しをしそうになったので、私はあわてて部屋のドアを閉めたのでした。