栽培管理
(10/08/'98)
(10/08/'98)
(作成中)
(作成中)
(10/08/'98)
(12/29/'98)
(12/29/'98)
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(作成中)
本属植物は、低地性(一般熱帯性植物)と、高地性に二分して考える必要が有ります。
低地性に該当する種:albo-marginata・bellii・bicalcarata(700〜950m)・boschiana(950m)・burkei・distillatoria・gracilis(10〜50m)・hirsuta(600〜900m)・insignis(80〜250m)・kampotiana・khasiana・leptochila・madagascariensis・neoguineensis(30m)・papuana(300〜920m)・stenophylla・truncata・veitchii(726〜900m)
常に高温・多湿を要求するため、温室内で管理します。室内で管理する事が出来るのは交配種のみです。
昼間の温度は28〜35℃、夜間も20〜28℃は欲しい所です。我国で通常言われている最低16〜20℃以上という数字は、枯れない程度のものであり、成長は鈍る上に障害も出ます。我国で出回っている本属がちゃっちいのは、ここに問題が有るといえるでしょう。ミニ温室で構わないので、専用の育成施設を用意してやります。瓶子体の強い種類ほど強力な日照を与え、赤や紫をしっかり発色させます。ひ弱な瓶子体(薄いもの・緑色のもの)を付ける種は遮光をします。盛夏は双方遮光が安全です(ガラス焼け)。
中間型の種:ampullaria(20〜2100m)・burbidgeae(1000〜1200m)・fusca(1500m)・klossii(930〜1170m)・mirabilis(40〜1050m)・oblanceolata(930〜1170m)・rafflesiana(2〜1395m)・reinwardtiana(20〜1200m)・tobaica(1000〜1350m)
これらは割と我国の気象条件に適応し易いものです。交配種は全てここに纏められます(雑種は強いですから)高地性でありながら強健な個体は、園芸品種と見て間違い有りません(alata等に多い)。
高地性に該当する種:alata(1100〜2400m)・bongso(1700〜2500m)・burbidgeae・carunculata(2000〜2330m)・denciflora・edwardsiana・gracillima(1370〜2100m)・gymnamphora(900〜2330m)・inermis(1800〜2330m)・lowii(1500〜2500m)・macfarlanei(1200〜2000m)・maxima(600〜2000m)・mollis(1800m)・paniculata(1400〜1500m)・pectinata(1300〜2750m)・pillosa(1500〜1700m)・rajah(1650〜2700m)・sanguinea(600〜1800m)・singalana(2200〜2600m)・spathulata・spectabilis(1800〜2200m)・stenophylla(900〜2667m)・tentaculata(240〜2400m)・ventricosa(1500〜2800m)・vieillardi(800〜3250m)・villosa(1650〜2400m)
全ての高山性植物(山野草・サボテンなど)に当て嵌まる事ですが、昼夜の温度差が絶対に必要です。海外では昼間20〜25℃、夜間5〜15℃を推奨しており、冬季以外の温室では空調設備は必須アイテムです。無論幅は持たせる事が出来ますが、良好な生育は無理でしょう。対策としては植物体にしょっちゅう水をかけ、日に2〜3回は鉢に水を与え、蒸れを防止する事です(これで生き残る種類は、低地にまで生息範囲を広げている種に限るでしょう)。霧が常に発生する場所である事から、高温になる温室で直射日光・もしくはそれに準ずる強さの光線は避け、ある程度遮光が必要になります。
高地性でも産地が低地にまで及ぶ種が有るので、選んで購入すると良いでしょう。
用土に関して言えば、全てに水苔を宛がうのも問題です。
水苔:湿地性の種に適合します。
ピート類:着生種に適合します。
砂:特殊なものですが、珍しくは有りません。
鹿沼土:水苔に比べ安価なので、交配種などにはこれで充分です。
植え替えは根が弱いものが多いため、余りしなくて良い様にします。水苔は腐り易く、常に鉢に水を通し(朝晩2回以上)て流通を良くし、腰水はしません。どうしても駄目になったら(株の調子が崩れたりしたら)植え替えますが、基質を解さずに根鉢植えで対処します。
どの植物園を見ても、本属は瓶子体を全てぶら下げる形で栽培されていますが、これはちょっと違うような気がします。広い網底やプランターで栽培すると、本属は瓶子体の基部を潜り込ませて固定し、立派な姿の瓶子体を見せてくれます。立ち上げて瓶子体をぶら下げたい種は自分でそうするでしょうが、そうでない種はせめて行燈作りにしてやりましょう。株の疲労度が全く異なります。特に大型の瓶子体を付ける種は、ぶら下げよう等と考えない事です。現地でも大型種の瓶子体は、地面に転がっています。
給餌は邪道なようですが、明らかに元気になるような気がします。動物性蛋白質を消化・吸収するといっても、ゆで卵やソーセージを与えると腐ります。ペットショップで扱っている冷凍の赤虫・ミールワームを与えます。一挙に瓶子体にぶち込まず、間隔を空けながら徐々に与えると良いでしょう。瓶子体の中の水位半分くらいまでがらが溜まったら、その瓶子体への給餌は終了します。勿論、枯れ始めた瓶子体には与えません。
増殖は挿し木によります。適当な節目で切断し、水苔・鹿沼土・砂など株に有った用土に挿し、毎日2〜3回の潅水を行います。温室では5〜6月頃が適期です。交配種は用意ですが、原種は非常に難しい。
他の食虫植物と異なり、購入時の株の選択が問題となるのが、本属の特徴です。毛氈苔や虫捕菫などは、販売時多少貧弱でも自宅で回復させる事が可能です。しかし本属はウイルス感染株が信じられないほど多く、これに罹っている株は救いようが無いばかりか、健康な株にまで悪影響を与えます。
妙に小さく細い瓶子体が無数に出ていたり、瓶子体が捩じれる・黒かびが付いているなどしていたら、絶対に手を出してはいけません。現在では人間の手で治療する事は不可能です。
用土は水苔とされていますが、鹿沼土で充分です。psittacina種のみ腰水をしますが(しなくても枯れない)、他種は日に2回の潅水で育てます。oreophila種は夏季に日中4〜5回(午前2回・午後2〜3回)、夜間1回の潅水で高温をしのぎます。直射日光と通風で健康に育てますが、屋外管理はアブラムシを呼び、ウイルス感染の原因になりますので注意。通風は絶対条件なので、難しいところです。瓶子体が倒れてしまう場合、蒸れによる間延びですから通風をより充実させます。瓶子体は元の色から干乾びた茶色になるのが普通で、水が通っているうちに黴るのは明らかに株が弱っている証拠です。
植え替えは春・秋に行います。根からウイルスが侵入し易いとはいっても、傷さえ付けなければ基質を全て洗い流すような扱いでも平気です。根張りを良くするため、鉢は大きなものが良いでしょう。
餌をやると黴てしまいます。与えない方がよさそうです。
増殖は株分けによりますが、ウイルス感染の危険性が常に有るため、慎重に行います。切り分ける際、瓶子体を二つ以上に根を付けてやるのが安全です。余り細かく切り分けてしまうと、体力的にも疑問です。
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高地に自生する種な為、全種Sarracenia属oreophila種のような管理を必要とします。
用度は鹿沼土・砂で構いません。腰水は厳禁です。秋から春にかけては日に2〜3回の潅水と、その倍以上霧吹きで水をかけてやります。夏はその倍量を施してやります。水は蛇口を捻ってから、暫く経った冷たいものを使用します。日光は通年徹底的に与えます。
増殖は株分けにより行います。方法はSarracenia属に従って下さい。
栽培困難種としての悪名高い本属を、私は栽培した事が有りません。Heliamphora属よりも厳しいというくらいしか言えません。
こんな姿ですが、毛氈苔の仲間です。用土は水苔を使います。鹿沼土では思わしくありません。腰水は決してせず、日に2〜3回潅水します。株の上からざっとやると罠が閉まってしまう事が有るので、鉢際や株の中心に注ぐようにします。直射日光で罠が赤く染まるので、通年屋外で管理します。凍っても構わないとされますが、天気予報で零下に下がる朝が有れば、前の晩に屋内に取り込んでおきましょう。又、通風が無いと間延びし、electa状態になってしまいます。温室内管理は薦められません。
植え替えは早春・夏の終わりに行います。何れも発根が見られる以前の処理が必要です。
折角育てているのですから、餌を与えて観察しましょう。成長も餌を与えた方が良いです。罠は2つくらい空にしておくと、貴方以外の人の鑑賞に堪えます(みんな閉じていると思ったよりつまりません)。ワラジムシのように殻の固い虫は消化に手間取り、2週間以上も閉じっぱなしになります。大き目の蟻などが良いでしょう。芋虫なども小さければ良いのですが、余り大きなヨトウムシ等を与えてしまうと葉が枯れてしまいます。
栽培テクニックに関しては不死身の食虫植物ですが、基本的な扱いとしては指で罠に触らない(閉じさせない)という事です。どうしても動かしたい時は上記のように餌を与えましょう。
増殖は株分け・実生によります。
株分けは早春・秋口に根際に付いた仔を外し、単独で植え付けます。根の伸びる前が良いでしょう。以降の管理は親株と同様で構いません。
実生は花期の5〜6月に数株交配を行い、実が熟してから(乾果ですから間違えないで下さい)種を採取し、採り撒きをします。鹿沼土・赤土の上に水苔の粉屑を5mmほどの厚さに敷き、種をぱらぱらまぶします。すぐに発芽しますが、強光線下では次々枯れてしまいますから、径1cmを越えるまでは遮光下に置く必要が有ります。
突然地上部が黒く腐ったり、枯れたりした場合でも捨てないで下さい。根元の水苔の中に、緑の部分が有ったら今まで通りの管理を続けていると、復活します。
高山性から熱帯性まで、湿地帯から乾燥気味のところまで、色々な種類が広範囲に分布しています。それぞれ原産地を調べ、それに合った管理法を行います。ラベルが無くなってしまうと、種類が分からなくなって仕舞う人は、強健種のみ手がけて下さい。D.capesisやD.spathulata、D.adelae等なら誰でも手がけられます。
腰水はなるべく避けます。日に2〜3回の頭上潅水がベストです。日光にはよく当てますが、株によっては強光線で萎縮・枯れ死にする事が有るので、その場合にはある程度遮光します(日陰においてはいけません)。
ぽろぽろと子供を吹く種が多く、ある程度の大きさになったら単独で植え付けたり、大きな平鉢で群生させたりします。このタイプは水苔よりも、鹿沼土の方が奇麗に出来ます。
高山性種(我国の毛氈苔、長葉の毛氈苔など)は、夏季でも夜間10℃以下にする必要が有り、空調設備は必須です。昼間も25℃を越えない様にしましょう。軽井沢などの別荘に連れて行くのはグッドアイデアです。
霧吹きは必需品です。特に夏季、温度を下げる目的で温室の戸を開けっ放しにする際、通風が有ると露が消えてしまい、株が弱る事も屡です。何度でも良いので、霧を吹いてやりましょう。
柄の長い種類D.capensis・D.pruchella等には、非常にアブラムシが付き易いです。戸外での管理は控えめにし、万一襲われたらオルトラン粒剤を撒き、潅水で内から退治します。スプレーは枯れてしまう(冷害)ので、使用してはいけません。
Sarraceniaと同様の管理をします。低温に弱い(とされる)ので、冬季は部屋の中に取り込むか、温室で管理します。非常に太陽光を好むので、紫外線入りの強光線に晒してやります。夏季は朝夕2回の潅水を行えば、蒸れを気にする必要は有りません。
地下から増殖するので、植え替え時に株分けして増やします。結実は難しいそうです。
一部の高山性種(我国の虫捕菫など)を除き、非常に強健で管理も容易です。水苔は根をくるむ程度で良く、あとは鹿沼土で植え込みます。腰水はしません。朝夕2回の頭上潅水を行います(落差厳禁)。霧吹きも必需品です。
高山性種は、今迄の例に習って下さい。
放っておいても年に2〜3株は増えます。それぞれを個々の鉢に植え付けますが、幼苗は弱いので秋口は避け、翌年4月以降に延期します。
冬芽を形成する種には、冬になったら頭上潅水等は避け、霧吹きを日に1〜2回するに留めます。但し表面が乾いてしまっては駄目です。熱帯性の種は冬に花を着けるので、やや保温しながら多湿に管理します。