神林 長平
Chohei Kambayashi
(著者紹介―ハヤカワJA518『今宵、銀河を杯にして』裏表紙より)
1953年生まれ。「狐と躍れ」が第5回ハヤカワ・SFコンテストに入選しデビュー。長編『あなたの魂にやすらぎあれ』で本格SF作家としての評価を得る。『敵は海賊・海賊版』で始まる〈敵は海賊〉シリーズではオリジナル・ビデオアニメとなり、新しいファンを獲得。また、つねに「言葉」をテーマに意欲的な作品を発表しつづけている。主な作品に、スーパー戦術戦闘機の活躍を描いた『戦闘妖精・雪風』ほか、『七胴落とし』『プリズム』(以上早川書房刊)等がある。
「今宵、銀河を杯にして」 1995 |
「今宵、銀河を杯にして」 1995
カバー・小林源文 ハヤカワJA518 ISBN4-15-030518-8飲んではハイに 醒めては灰に 飲もうぜ 今宵 銀河を杯にして
(あらすじ―本書背表紙より)
惑星ドービアにあるあまたの戦闘車輛の中でももっとも長いパーソナルネームを持つ戦車、マヘル-シャラル-ハシ-バズ。その名づけ親である操縦士アムジ・アイラ一等兵と僚友クアッシュ・ミンゴ二等兵は、非地球生命体バシアンに対し自らの新戦術理論を立証すべく意気込んでやってきたカレブ・シャーマン少尉を新しい車長に迎えたが……不条理な闘いの中、不死身の宇宙戦車との奇妙な友情と連帯を描く戦争SFの傑作。(書評:1999-07-10読了)
なんだかよくわからない異星で、なんだかよくわからない重装備戦車を操縦し、なんだかよくわからない敵を蹴散らすストーリー。基本的にコメディなのでスラスラ読むことができる。けっこう物語全体に複線が張りめぐらされているので、後半は一気にお気楽ほのぼの軍隊物語から怒涛のファースト・コンタクトSFに突入するのではないかと期待したが、「んなアホなぁ」という感じで強引かつあっさり終わってしまう。膨らませようと思えばいくらでも膨らむ材料があるだけに残念。でもそうすると、やたらめったらページ数が多くなってしまうのであろう。