ノースウェスト・スミス
C・L・ムーア
C. L. Moore
(著者紹介)
女性SF作家。1911年、アメリカ・インディアナポリスに生まれる。1987年没。ノースウェスト・シリーズが有名。
(ノースウェスト・スミス・シリーズ)
「大宇宙の魔女」 1934 「異次元の女王」 1935 |
ノースウェスト・スミス・シリーズ
「大宇宙の魔女」 SHAMBLEAU AND OTHER STORIES 1934
仁賀克雄訳 カバー・松本零士 ハヤカワSF36
宇宙一女運のない男シリーズ@(あらすじ―本書背表紙より)
宇宙パトロールの追跡を逃れ、熱線銃一丁をたよりに星から星へと渡り歩く無宿者ノースウェスト・スミス――彼は、火星植民地で、なにやらひどく群集に追われている一人の娘を救った。<シャンブロウ>と呼ばれる彼女は、愛らしい肢体を持ちながら明らかに地球の生物ではない。暗い、獣の知恵を秘めたその脈動する瞳を見たとき、スミスは一瞬本能的な不安を覚えた。そもそもシャンブロウとは何者? しかし彼女の妖しい美しさに魅せられ、彼は娘を宿へ連れ帰る……。女流作家ムーアが抒情溢れる筆致で描く、幻想の香り高き名作ノースウェスト・スミス・シリーズついに登場!
(書評:1998-07-23読了)
宇宙一女運のない男、ノースウェスト・スミスの物語。SF界屈指の悪女であるシャンブロウを筆頭にスミスは毎回美女がからんだ散々な目に遭遇する。これといってそうたいしたストーリーではないが、松本零士の挿絵が見事にこのストーリーの雰囲気にはまっていて、それがちょっとうれしくなってしまった。
「異次元の女王」 JULHI AND OTHER STORIES 1935
仁賀克雄訳 カバー・松本零士 ハヤカワSF62
宇宙一女運のない男シリーズA(あらすじ―本書1pより)
宇宙パトロールの追跡を逃れ、熱線銃一丁をたよりに星から星へと渡り歩く無宿者ノースウェスト・スミス――金星の酒場で一服盛られた彼が目覚めたのは、あやめもわかぬ闇の中、古代の廃墟とおぼしき不気味な土地であった。いつしか、頭の中で甘美な声がいざなう。「来たれ、地球の男よ……」一人の少女に手をとられ彼は進んだ――いまだ恐怖をもって語り伝えられる太古の都ヴォンへ、おぞましくも美しい異次元の女王、貪欲なる<ジュリ>のもとへ……! 女流作家ムーアが描く幻想の香り高き名作シリーズ第二巻!
(書評:2000-03-13読了)
前巻と同様ひょんなことから美女がからんだ事件に遭遇し、あやういところで助かるといったパターンが延々と続くので読んでいて飽きてくる。ムーアによって描き出される幻想性に満ち溢れた観念的世界をじっくり読む人にとってはいいのだろうが、私はせっかちな人なのでこのシリーズはどうにもイラついてしまう。どれもこれもたいした内容ではないので、よっぽどムーアが好きでもない限り「大宇宙の魔女」の『シャンブロウ』さえ読んでおけばいいのではないだろうか。