モダンホラーの巨匠
ディーン・R・クーンツ
Dean R. Koonts

(著者紹介)
 モダンホラーの巨匠。1945年米国ペンシルヴェニア州生まれ。

「人類狩り」 1970

「人類狩り」 BEASTCHILD 1970
 榎林 哲訳 カバー・岩郷重力 創元SF684-02 ISBN4-488-68402-5
 
 絵にかいたような佳作

(あらすじ―本書1pより)
 人類は星間戦争に敗北した。地球は<転換弾>の投下によって焦土と化し、高度な知性を有した爬虫類生命に占拠された。絶滅した文明の発掘作業が続くなか、ある日エイリアンの部隊長フランは、地球人の生存者を発見する。しかも子供だ。殺戮の掟にもかかわらず、彼は子供の命を助けてしまう。これがエイリアンと地球人の、終わりなき逃走劇のはじまりだった。吹雪と闇夜のなか、二人を追うのは、高度に戦闘機能を強化された恐るべき<追跡者>。巨匠クーンツの初期作にして、ヒューゴー賞候補作となった秀編。

(書評:2000-03-19読了)
 もしも映画化されれば思いっきりB級映画になってしまうだろう。ところどころに納得のいかない強引なご都合主義が見え隠れする。とはいっても、それを補うだけのスリリングなものがあるのでけっこう楽しめる。人類と爬虫類生命体がなぜ戦争を始めることになったかという理由が、とてもいい意味でバカバカしいので私は気に入った。戦争を「する」か「しない」かを決定する人々と、上から命じられるままに動き、結局ワリを食わされる人々との関係なんて所詮こんなものだと思う。一読の価値あり。

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