ジョルジュ・ランジュラン
George Langelaan
(著者紹介)
1908年フランス生まれの英国人。映画化された「蝿」の作者。
「蝿」 1962 |
「蝿」 NOUVELLES DE L'ANTI-MONDE 1962
稲葉明雄訳 ハヤカワNV427 ISBN4-15-040427-5
20世紀に書かれたもっとも戦慄すべき物語(の一つ)
(あらすじ:本書背表紙より)
科学者の死体は、巨大なスチーム・ハンマーの下に横たわっていた。その頭と右腕は鉄槌の下で完全に粉砕され、原型すらとどめていない……優秀な科学者を突然襲った不可解きわまりない死。はたして彼に何が起きたのか――やがて科学者の妻の手記が明らかにした想像を絶する真相とは? 自らの画期的発明により破滅してゆく科学者の悲劇を描き“20世紀に書かれたもっとも戦慄すべき物語”と評された傑作「蝿」を含め、「考えるロボット」「奇蹟」など悪夢のような物語十篇を収録。異色作家ランジェランの魅力を余すところなく味わえる珠玉短篇集。(書評:2000-08-18読了)
久しぶりに本を読む。スラスラとは読めなかった。もう少しウォーミング・アップが必要だろう。全体的に、英国人の作家だからか、ほのかな格調といったものも感じられる。実際、ちょっと読みにくい。ボーッと読んでいるとわけがわからなくなる。「蝿」は恐怖・怪奇小説の古典といえるものなので、わかっていてもけっこう不気味で恐ろしいストーリー。「蝿」以外には「彼方のどこにもいない女」がお勧め。さりげなく大惨事(笑)。それほどたいした短篇集ではないと思うけど、「蝿」が収録されているので、一度読んでも損はしないだろう。基本ですな。(Psyc)