ヘンリク・イプセン
Henrik Ibsen
(著者紹介)
近代劇史上において輝かしい足跡を残した劇作家。1828年3月20日ノルウェー生まれ。1906年5月23日逝去。
「人形の家」 1879 |
「人形の家」 ET DUKKEHJEM 1879
矢崎源九郎訳 カバー・真道 茂 新潮文庫イ-1-1 ISBN4-10-209601-9
う〜んメロドラマ・・・・・・(あらすじ―本書背表紙より)
小鳥のように愛され、平和な生活を送っている弁護士の妻ノラには秘密があった。夫が病気の時、父親の書名を偽造して借金したのだ。秘密を知った夫は社会的に葬られることを恐れ、ノラをののしる。事件は解決し、夫は再びノラの意を迎えようとするが、人形のように生きるより人間として生きたいと願うノラは三人の子供も捨てて家を出る。近代劇確立の礎石といわれる社会劇の傑作。
(書評:2000-04-22)
メロドラマ風にシンプルかつなかなか考えさせられる作品。無邪気でなにも考えていない「お人形」であったノラが最後に夫にたたきつける台詞が実にグサッとくる。しかしながら、フェミニストを自称し高圧的にガンガンいく女性もいれば、自分が侮辱されているということさえも気づいていない女性もいるので、世の女性のいったい何割がそんなノラの態度を支持するのだろうか。そんな状況が続く限りいつまでもこの作品は色あせることがないだろう。男も女も一生に一度は読むべし。