カレル・チャペック
Karel Capek
(著者紹介)
チェコ人作家。1890年チェコ北部のクラインシュヴァドニッツに生まれ、1938年プラハで独身のまま世を去る。ロボットという言葉を生み出した人。
「山椒魚戦争」 1936 |
「山椒魚戦争」 VALKA S MLOKY 1936
松谷健二訳 カバー・金子三蔵 創元SF633-1
戦争とは、国家とは、民族とは、ナショナリズムとは何ぞや?
(あらすじ―本書背表紙より)
南太平洋の小さな島に、大山椒魚の群れがひっそりと生きていた。そのすぐれた知能に目をつけた一船長は、水中工事の理想的な労働者として、山椒魚を全世界に輸出することになった。やがて山椒魚が第二の人類としての勢力を強めてゆくにつれ、海底の彼らは、着々と恐ろしい計画を練っていた。彼らとしても膨大に増えた種族のため、陸地を海に変えて生活空間を獲得しなければならないのであった。そしてある日、人類に、山椒魚からの最後通牒がつきつけられた。(書評:1998-08-23読了)
耳の穴の中に骨腫ができてしまい、病院やら検査やらでバタバタしていたときに読んだので、中途半端な読み込みになってしまいました。ちょっと残念。とはいえ、面白かったです。読み込めば読み込むほどにこの小説の本当の恐ろしさがわかるといった内容。「戦争とは、国家とは、民族とは、ナショナリズムとは何ぞや?」ということを考えるときこの小説の最終章は重要なアイデアを示唆してくれる。とはいっても、歴史や社会科学なんて知らなくても大丈夫。全然肩もこらない。ぜひご一読を。