マイクル・カンデル
Michael Kandel

(著者紹介)
 アメリカ人編集者兼翻訳者兼作家。

「キャプテン・ジャック・ゾディアック」 1992

「キャプテン・ジャック・ゾディアック」 CAPTAIN JACK ZODIAC 1992
 大森 望訳 カバー・横山えいじ ハヤカワSF1049 ISBN4-15-011049-2
 
 稀にみる傑作?

(あらすじ―本書背裏表紙より)
 街に核爆弾が落ちた朝。男やもめのクリフォードは一念発起、恋人のマーシャの家を訪れた。家出中の子供たちを連れ戻し、彼女と共に新しい家庭を築くことが彼の夢なのだ。だがなぜかマーシャの母親はこの結婚に猛反対。おまけに子供たちは怪しげなドラッグの作用で宇宙の彼方に飛ばされているらしい……深刻化する核戦争もなんのその、あくまで家庭問題にこだわるクリフォードの奮闘を描くSFスラップスティック・コメディ。

(書評:2000-01-07読了)
 ここ当分の間ロクデモナイSFしか読んでいなかったので、この作品を読んで一時の清涼感に浸る。もっとも確かにある意味ロクデモナイ内容なのだが、こういうものはSFないしSF的なジャンル以外からは現れないと思うので、稀にみる傑作といってもよいだろう。悲劇であれ喜劇であれ、基本的に読むのが苦痛にならないものを私は支持する。マッドSFといわれるラッカーなんかこれっぽっちも私は笑うことができないのだが、この作品は素直に笑える。SFってやっぱりいいなと再認識させてくれる良質な一品。読む価値あり。

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