ダーコーヴァ年代記
マリオン・ジマー・ブラッドリー
Marion Zimmer Bradley

(著者紹介)
 アメリカ人女性SF作家。1930ニューヨーク州生まれ。1999年没。ダーコーヴァ年代記で有名。

(ダーコーヴァ年代記)

「<ダーコーヴァ年代記>惑星救出計画」 1962

「<ダーコーヴァ年代記・外伝>時空の扉を抜けて」 1962


ダーコーヴァ年代記

「<ダーコーヴァ年代記>惑星救出計画」 
THE PLANET SAVERS 1962
 大森 望訳 カバー・加藤洋之&後藤啓介 創元SF690-1 ISBN4-488-69001-7
 
 良心的

(あらすじ―本書1pより)
 4つの月の合が近づいていた。ここ惑星ダーコーヴァでは、48年ごとの合にあわせ、致死量87%の謎の熱病が流行する。対策はただひとつ、この病に抗体をもつトレイルマン族の地、ヘラーズへと赴き、血清の合成に不可欠な血液提供者を連れ帰ること。この任務にひとりの男が選ばれた。彼の名はジェイスン――医師ジェイ・アリスンから導き出された別人格である。やがて8人の仲間とともにヘラーズへの決死の登攀行が開始された――。異才ブラッドリーが放つ一大叙事詩<ダーコーヴァ年代記>ここに開幕!

(書評:1999-12-11読了)
 最近ろくでもない本ばっかり読んでいたので久しぶりに良心的なちゃんとしたものを読んだような気がした。薄い本ではありますが、なかなかツボを押さえたつくりになっているので、サラッと読めつつもジワッと心に残ります。あんまり残酷なことがないのもよい。読んで得した気分。やっぱり小説はストーリーだぜ。

「<ダーコーヴァ年代記・外伝>時空の扉を抜けて」
THE DOOR THROUGH SPACE 1962
 山本圭一訳 カバー・加藤洋之&後藤啓介 創元SF690-10 ISBN4-488-69010-6
 
 ちょっとイマイチ

(あらすじ―本書1pより)
 赤い太陽をめぐる惑星ウルフ。地球帝国秘密情報局局員のレイス・カーギルは、自分の過去を忘れるため、ウルフから立ち去ろうとしていた。そこへ、六年間音信不通だった妹のジュリが泣きながら駆けこんできた。六年前、自分を裏切り、ジュリと結婚して行方をくらましたラカール・センサーが、ひとり娘をつれて失踪したという。つのる遺恨をはらそうと追跡行に立ちあがったカーギル。その前に、謎の美女、不気味な非・人類らが次次と現れ、やがてカーギルは惑星全土をおおう恐ろしい陰謀にまきこまれていく。

(書評:1999-12-24読了)
 良心的な内容。ダーコーヴァ・シリーズの中にハズレはおそらくないだろう。しかしながら、復讐・追跡もの特有のギトギトしたものがないのでちょっとイマイチな感じ。でも、そういったソフトな感触がこのシリーズのいいところだとも思う。暇つぶしに一読の価値はあり。

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