SF短篇集
「<SFマガジン・ベスト@>冷たい方程式」 1954
「<SFマガジン・ベストA>空は船でいっぱい」 1947 「ラブメイカー」 EROS IN ORBIT 1973 「時間SFコレクション タイム・トラベラー」 1987 「時と次元の彼方から ―海外SF傑作選―」 1975 「SFカーニバル」 1953, 1957 |
「<SFマガジン・ベスト@>冷たい方程式 」
THE COLD EQUATIONS AND OTHER STORIES 1954
トム ゴドウィン・他/伊藤典夫・浅倉久志編 カバー・中西信行 ハヤカワSF380
SFマガジン・ベスト@(収録作品)
「接触汚染」 キャサリン・マクレイン 1950
「大いなる祖先」 F・L・ウォーレス 1954
「過去へ来た男」 ポール・アンダースン 1956
「祈り」 アルフレッド・ベスタ― 1952
「操作規則」 ロバート・シェクリイ 1953
「冷たい方程式」 トム・ゴドウィン 1954
「信念」 アイザック・アシモフ 1953
(解説―本書背表紙より)
ただ一人の乗員を目的地まで届ける片道分の燃料しか積んでいない緊急発進艇に密航者がいたとしたら、パイロットのすべきことは一つしかない――船外遺棄! だがそれが美しい娘で、しかもたった一人の兄に会いたさに密航したのだとしたら、あなたならどうします? SF史上に残る記念碑的名作「冷たい方程式」ほか、思うまま空を飛べることに気づいた大学教授の悲喜劇を、巨匠アシモフがユーモラスに描く「信念」など6中短篇を収録。SFマガジン誌に訳載された名作、傑作の誉れ高い作品の中から、文庫本未収録の秀作を厳選したどなたも楽しめる格好のSF入門書!(書評:1998-07-22読了)
ハヤカワSF傑作短篇集@。表題作は、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜! そのまま終わっちゃうの〜! もっとひねりなさい! というようなハイパー乙女チックな内容。涙なしには(読めるけど)読めません。いろんな作家の短編が収められていますが、シェックリーはやはりいいと思うのでありました。
「<SFマガジン・ベストA>空は船でいっぱい」
THE SKY WAS FULL OF SHIPS 1947
シオドア スタージョン・他 浅倉久志・伊藤典夫編 カバー・中西信行 ハヤカワSF403
SFマガジン・ベストA(収録作品)
「われはロケット」 レイ・ブラッドベリ 1944
「いつの日か還える」 ロジャー・ディー 1952
「美女ありき」 C・L・ムーア 1944
「くたばれ スネイクス!」 P・アンダースン&G・R・ディクスン 1955
「空は船でいっぱい」 シオドア・スタージョン 1947
「危険な関係」 ワイマン・グイン 1951
(解説―本書背表紙より)
人跡未踏の砂漠のほら穴で発見された機械――それは人類が現れる以前から存在し人類の歴史をことごとく記録していた。何万年もの間沈黙を守っていたその自動機械が突然送信を開始したとき、いったい何が起きたのか?……表題作の「空は船でいっぱい」ほか、意識をもったロケットの哀愁にみちた物語を、ブラッドベリが詩情豊かに謳いあげた「われはロケット」、ユーモアSFの快作『地球人のお荷物』でおなじみのホーカ・シリーズの野球篇「くたばれスネイクス!」など六中短篇を収録。SFマガジン誌に訳載され、文庫本末収録の傑作を厳選した好評のアンソロジイ第2弾!(書評:1998-08-06読了)
「冷たい方程式」に続くハヤカワSF傑作短編集そのA。@はまあまあでしたが、このAはたいして面白くありませんでした。お暇なときどうぞといった感じです。ところでBはあるのだろうか?
「ラブメイカー」 EROS IN ORBIT 1973
ジョセフ・エルダー編 浅倉久志・他訳 ハヤカワSF408
セックスをテーマにしたSF短編集(収録作品)
「二・四六五九三」 エドワード・ブライアント
「ラブメイカー」 ゴードン・エクランド
「クローン・シスター」 パミラ・サージェント
「ホイッスラー」 ロン・グーラート
「グループ」 ロバート・シルバーバーグ
「ナルシズム」 T・N・スコーシア
「お子様革命」 ジョン・ストーパ
「ドン・スローと電気捕女銃」 トマス・ブランド
「アップス・アンド・ダウンズ」 バリー・N・マルツバーグ
「星のめぐり」 ジョージ・ゼブロウスキー
(解説―本書背表紙より)
幅23フィート、長さ37フィートのベッドの上の男と女の演技をとるのは、ムービー・カメラではない。それは、すべての感情と感覚を記録する録音機なのだ。その一流の演技であらゆる年代の十億もの女たちを魅惑するスター、アドリアンの一年ぶりのカムバックは……ゴードン・エクランド「ラブメイカー」。“グループ”の中でただ一人、先祖帰り的で時代遅れな感情を持ってしまい、一人の女だけを愛そうとした哀れな男の恋を描く、ロバート・シルバーバーグの「グループ」ほか、SFの新たな領域を果敢にきりひらく俊英10人の書きおろし短篇を集めた傑作オリジナル・アンソロジイ。(書評:1998-08-25読了)
セックスをテーマにしたSF短編集。ニューウェイブ旋風の影響もあってか、いまいちストーリーがはっきりしない作品が多い。それにちょっと古くさい気がした。この手のテーマにはやっぱり「ドクター・アダー」だと思う。個人的には、バットマンのパロディーである、「ドン・スローと電気捕女銃」が一番のお勧め。笑えてしかも猥褻。たまりまへんな。
「時間SFコレクション タイム・トラベラー」 1987
伊藤典夫/浅倉久志編 カバー/ロン・ワロツキー
新潮文庫 フ-18-1 ISBN4-10-223601-5 C0197
時間SFコレクション(収録作品)
「しばし天の祝福より遠ざかり」 ソムトウ・スチャリトクル
「時間層の中の針」 ロバート・シルバーバーグ
「遥かなる賭け」 チャールズ・シェフィールド
「ミラーグラスのモーツァルト」 B・スターリング&L・シャイナー
「ここがウィネトカならきみはジュディ」 F・M・バズビイ
「若くならない男」 フリッツ・ライバー
「カッサンドラ」 C・J・チェリイ
「時間の罠」 チャールズ・L・ハーネス
「アイ・シー・ユー」 デーモン・ナイト
「逆行する時間」 デイヴィッド・レイク
「太古の殻にくるまれて」 R・A・ラファティ
「わが内なる廃墟の断章」 フィリップ・ホセ・ファーマー
「バビロンの記憶」 イアン・ワトソン
(解説―本書背表紙より)
流れるだけが時間じゃない! 強者(ツワモノ)SF作家たちが腕によりをかけた時間料理の数々……。朝、目を覚ますと四日先の新聞が配達されてきた――ファーマーの異色作「わが内なる廃墟の断章」の他、ラジカセ片手に若きアマデウスが活躍する話題のサイバーパンク「ミラーグラスのモーツァルト」、失われたバビロンの都が未来に甦るワトスン「バビロンの記憶」など、きわめつきの時間SF全13編。(書評:1999-08-21読了)
私の好きなフィリップ・ホセ・ファーマーの短編が収められているので購入。やっぱりファーマーは反道徳的というか悪趣味というか、彼の作品である「わが内なる廃墟の断章」はえげつない。あとシルバーバーグはネチネチして嫌いだ。たぶんこういう性格の人なんだろう。ファーマーの作品以外私にとってキラリと光るものがないのが残念。
「時と次元の彼方から ―海外SF傑作選―」 1975
福島正実編 講談社文庫
やっぱりハミルトンは好き
(収録作品)
「時間がいっぱい」 アーサー・C・クラーク
「歪んだ家」 ロバート・A・ハインライン
「タイム・パトロール」 ポール・アンダースン
「虎の尾をつかんだら」 アラン・E・ナース
「追放者」 エドモンド・ハミルトン
「もし万一……」 アイザック・アジモフ
「もう一つの今」 マレイ・レンスター
「クリスマス・プレゼント」 ウィリアム・テン
「観光案内」 ウィルスン・タッカー
「プレイ・バック」 J・T・マッキントッシュ
「漂流者」 バートラム・チャンドラー(書評:2000-03-05読了)
最近読書のペースが落ちている。こんな時は気軽に読める短篇集に手を出すべきだ。ハミルトンの短篇が収録されているのでカバーがなかったけど古本屋でお安く購入。題名の通り時間・異次元ものSFのアンソロジー。ハインラインとポール・アンダースンの二作は以前読んだことがあるし、これといって好きな作家ではないので読み飛ばす。ハミルトン作の「追放者」は単純なストーリーでありながらも実にハミルトンらしい作品なので満足。他の作品もそれなりの出来なので暇つぶしにはなる。それはともかく、この文庫一生再発行されることはないだろうと、しみじみ思った。
「SFカーニバル」 SCIENCE-FICTION CARNIVAL 1953, 1957
フレドリック・ブラウン編 創元SF346
ユーモアあふれるSF短篇集
(収録作品)
「タイム・マシン」 ロバート・アーサー
「ジョーという名のロジック」 マレー・ラインスター
「ミュータント」 E・F・ラッセル
「火星人来襲」 マック・レナルズ
「SF作家失格」 ネルスン・ボンド
「恐竜パラドックス」 フレドリック・ブラウン
「ヴァーニスの剣士」 クライブ・ジャクスン
「宇宙サーカス」 ラリー・ショー
「ロボット編集者」 H・B・ファイフ
「地球=火星自動販売機」 ジョージ・O・スミス(解説―本書1pより)
鬼才フレドリック・ブラウンが、今まで他のいかなる選集にも収録されたことのないSF短編の傑作中の傑作を編纂した名アンソロジー。地球侵略、タイム・トラベル、ロボット、スペース・オペラ、ミュータント(突然変異種)など、SFの主要なテーマを網羅した本集は、初心者にはSF入門になり、ファンには現代SFの展望をあたえる格好のハンド・ブックでもある。本邦初訳作品多数収録。(書評:2000-03-05読了)
古いくさいSFであることは否めないが、フレドリック・ブラウンが編者をしていることもあってか、ユーモアにあふれた作品ばっかりで非常に親しめる。読んだ後、ヤな気分になる作品が一つもないのが良い。序文でブラウンは「人間と蟻は、どこがちがうか?」ということを書いているが、意外とこの人硬派だったのかもと思う。インターネットというものが全世界に普及してしまったことを考えると、二話目の「ジョーという名のロジック」は非常に興味深い。それと、スペオペのお約束を見事に破ってしまう、七話目の「ヴァーニスの剣士」がとても笑える。全体的に読んで損はしない内容。