黒人・ゲイ・SF作家
サミュエル・R・ディレイニー
Samuel R. Delany
(著者紹介)
黒人・ゲイ・SF作家。1942年生まれ。60年代後半英国のニューウェーブに呼応して新しいタイプのSFを生み出した。
「アインシュタイン交点」 1967 | 「バベル-17」 1966 |
「アインシュタイン交点」 THE EINSTEIN INTERSECTION “A Fabulous, Formless Darkness” 1967
伊藤典夫訳 カバー装画 原 マスミ ハヤカワSF1148 ISBN4-15-011148-0
ネビュラ賞受賞(あらすじ:本書背表紙より)
遠未来の地球。人類はいずこへかに消え失せ、代わりに住みついた異星生物が懸命に文明を再建しようとしていた。ロービーは人の心を音楽で奏でることができる不思議な青年。恋人の死を契機に旅に出た彼は古代のコンピュータ、ドラゴン使い、海から来た暗殺者など様々な存在との出会いを経て、世界の大いなる謎を解き明かしてゆく……幾層ものメタファーやシンボルを重ねて華麗な神話宇宙を構築し、ネビュラ賞に輝く幻の名作。
(書評:1998-08-02読了)
難解。ディレイニーはスタージョンに一番影響を受けたとのことだがスタージョンと同様とっつきにくい感じがする。とはいっても、この小説は短いのでサラッと読める。ストーリーの端々にかなり隠喩が含まれているそうですが私にとってはどうでもよい。ギブスンの「ニューロマンサー」をアクション小説と考えて読むのと同じように、これも単純にファンタジー冒険小説として読めばけっこういいかも。
「バベル-17」 BABEL-17 1966
岡部宏之訳 カバー・中西信行 ハヤカワSF248
ネビュラ賞受賞(あらすじ:本書背表紙より)
戦いのさなか、同盟軍の支配圏内でインベーダーの大規模な破壊活動が行われる時、きまって発信源不明の謎の通信<バベル-17>が傍受された。その解読にあたるのは全銀河にあまねく知られる美貌の詩人リドラ・ウォン。天才的な言語感覚で<バベル-17>が単なる暗号ではなく、ひとつの宇宙言語であることをつきとめた彼女は、自ら宇宙船ランボー号を駆って、つぎの敵の攻撃目標へと向かった……。だが恐るべし! そのときすでに、インベーダーの黒い魔手が船内に忍び寄っていたのだ! 1966年度ネビュラ最優秀長編賞受賞の栄誉に輝く、ニュー・スペース・オペラの決定版!
(書評:1998-10-02読了)
難解。しかし、全編奇妙な雰囲気に包まれているのでわけわからんところを読み飛ばしてもそれなりに楽しめます。最初と最後を比べてみて主人公の性格が全然変わっちゃったように感じるのは私だけでしょうか。