古田足日
Taruhi Furuta

(著者紹介)
 日本人児童文学作家

「ぬすまれた町」 1979  

「ぬすまれた町」 1979
 講談社文庫AA79 カバー装画 久米宏一
 
 偉大なる夢オチ

(あらすじ―本書背表紙より)
 N県ホージョー市で起きた奇妙な小学生の失踪誘拐事件は、ユタカたちを次々に不可解な事件にさそい、市長選挙にまきこんだ。選挙は市にカンヅメ工場設立とドリーム=ランドの建設をもたらしたが、それは人間の心をうばい、市全体をうばおうとする見えない魔手だった……シュールリアリズムと映像的な方法で描いた意欲的な少年小説の力作。

(書評:1998-08-04読了)
 児童文学ですが、傑作ですアホですぶっとんでます。自分が「誘拐された」というテレビ報道を見るところから始まる導入部はディックも真っ青。また、立ち退きを拒否して農家のおばあさんが遊園地のド真ん中で陣取っていたりと、全編イメージがシュールすぎる。なおかつ、少年達がなぐりまくりどつきたおすという鼻血ブーの荒々しい内容。ラストは巨大ロボットVS.海賊船(八幡大菩薩号)との戦いでケリをつける。ちょっと「サヨク」なところに拒否反応を起こしてしまう人もいるだろうが、SFファンにこそ読んでいただきたい一冊。

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