燃えあがれガンダム
富野喜幸
Yoshiyuki Tomino

(著者紹介)
 1941年、小田原に生まれる。いわずと知れたガンダムシリーズの原作者。

「機動戦士ガンダム」 1979

「機動戦士ガンダムU」 1980

「機動戦士ガンダムV」 198

 


「機動戦士ガンダム」 1979
 ソノラマ文庫144

 燃えあがれガンダム

(あらすじ―本書裏表紙より)
 かつての宇宙植民地サイド3のジオン公国と地球連邦の対立に端を発した大戦は、初期の“一週間戦争”、それに続く“ルウム戦没”でも決着がつかず、開戦初期に痛手を負った地球連邦が、ジオンのザクに対抗するモビルスーツ“ガンダム”“ガンキャノン”の開発に成功するに及んで、まったく膠着状態に陥っていた。そして長い熾烈な戦闘に疲れ果てた人々は新しい宇宙時代を切り拓く新人類(ニュータイプ)の登場を夢見ていた。ガンダムに搭乗するアムロは、まだ新時代到来の予感を持たない。そしてシャアはそれを予感しつつも、自らの野望をとげるため、ジオンの赤い切り札“赤い彗星”としてガンダムを追っていた。――全国の若者に熱い支持を得るTVアニメを小説化した壮絶な未来戦史!

(書評:1998-05-XX読了)
 ガンダムが一世を風靡した当時私は小学生だった。ストーリーなんてほとんど気にしていなかったように思う。小説はテレビと全然違うらしいけど、こんなストーリーだったんですねえ。雰囲気はけっこう「宇宙の戦士」しています。3巻まであるらしいのでボチボチ読んでいくつもり。

(再読:1999-12-09読了)
 ボチボチ読んでいくつもりだったが全然読むことができなかった。久しぶりに日本の実家に戻ってきたので3巻一気に読んでしまおうと心に決める。アムロがいてシャアがいて、とキャラクターを思い出しながらも再読終了。


「機動戦士ガンダムU」 1980
 ソノラマ文庫164

 戦闘シーン重視の戦争ものSF

(あらすじ―本書裏表紙より)
 第百十七独立部隊――それが、崩壊するテキサス・コロニーを脱出したペガサスの乗組員に与えられた新たな名称である。グラナダを陥した地球連邦軍はジオンの拠点ア・バオア・クーを抜いてジオン本国に迫ろうとし、ジオンはこれを迎撃して連邦軍の一気の殲滅をはかる。大戦も最終の局面を迎え、百二十七独立戦隊には先鋒の任が課せられた。《ニュータイプは戦いの道具ではない。むしろ真の戦いは戦争終結後に始めるのだ》。悲痛な思いを秘めてアムロはパワーアップしたガンダムを発進させ、コレヒドール暗礁空域へ向かう。シャアはジオンの精鋭を率いて、これを待ち受けていた。
 熱い要望に応えておくる《機動戦士ガンダム》三部作、第2弾!!

(書評:1999-12-09読了)
 とりあえず一巻でララアがアムロに殺されて、それからしばらく経った後のストーリーになるのかなと思ったが、そのまま戦闘は続くのでありました。ガンダム・シリーズをSFとみなすことに異論はあるだろうが、戦闘シーンを重視した作品としてかなり面白いと思う。ハインラインの「宇宙の戦士」の人間ドラマの長ったらしさに辟易した人は多いはずだ。「終わりなき戦い」は戦闘も人間ドラマも抜群の出来ですけどね。なにはともあれ、この続きが読みたくなった。

「機動戦士ガンダムV」 1981
 ソノラマ文庫174 82-C

 なんと、アムロが死んじゃった!

(あらすじ―本書裏表紙より)
 ア・バオア・クーを舞台に、大戦は一気に最終局面へとなだれこんでいた。地球連邦軍、ジオン軍ともに多大の被害を出しながら最後の総力戦を展開する。そしてジオン本国のギレンは、超巨大兵器で敵味方ともども一気に殲滅して戦争終結をはかる“システム”の稼動を命じていた。《ギレンの覇権は絶対に阻止せねばならない》。システム稼動を知ったシャアは、アムロとの接触の方途を必死で求めた。一方、アムロも、ガンダムを駆って破竹の進撃を続けながら、ニュータイプ同士の結束を望んでシャアを求めていた。だが、あまりにも時間がなかった。戦闘空域でシャアとアムロが対峙した時、すでにソーラ・レイの第一射は凄まじい威力を発揮していたのだった。――富野喜幸自らが書き下ろす《機動戦士ガンダム》三部作、感動の完結編!

(書評:1999-12-10読了)
 なんと、アムロが死んじゃった! 全然知らなかったものでけっこう驚く。発売当時読者は相当な衝撃を受けたことだろう。小説では明確にニュータイプ戦争している。こういった「超人」を扱うSFには白人至上主義のうさんくさいものが多いが、著者が日本人であるからか、そういったところはなんとかかんとか読める内容。その代わり、白人コンプレックスな感じがするのが残念。まあ、この世代のオジさんは誰でも大なり小なりそうなのかもしれない。ほかにもいろいろと書きたいことはあるが、ガンダムだけにかかわっているわけにはいかないので、とりあえずここまで。中学生・高校生の頃に読んでいたらそのままズブズブとガンダムにやたら詳しくなっていたかもしれない。その頃読まなくてよかった…… なにはともあれ、三部作通して面白かった。

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