Mission Impossible 2
(M:i-2)
(2000-05-24公開)
前半最低・後半ソコソコ
出演:Tom Cruise, Ving Rhames, Thandie Newton, Dougray Scott, Rade Serbedzija.監督:John Woo.
プロデューサー: Paula Wagner and Tom Cruise.
脚本:Robert Towne
備考:Paramount Pictures 2時間05分 PG-13
公式サイト:http://www.missionimpossible.com/
(あらすじ)
ドイツ製の凶悪なビールスがテロリストによって強奪された。ビールスがテロリストによって世界中に蔓延されることを阻止するために、IMFチームの一員であるイーサン・ハント(トム・クルーズ)は行動を開始するが……(感想:2000-06-XX)
テレビ版の「スパイ大作戦」は何度も見たことがあるけど、実はブライアン・デ・パルマ監督作品の前作をみていない。もっとも、この程度の映画なら、始めっからそんなことどうでもいいに決まっている。あのジョン・ウーが監督をしているといっても、トム・クルーズなんかが主演しているようなハリウッドの超大作に、何かを期待をする必要があるか? 私にとってはこんなの「ゴジラ」となんら変わらない。普通ならわざわざ映画館まで行かないところだが、今回はシカゴで知り合った日本人の方が、どうしても見たいといいだしたので、しょうがなく行くことにした。入場料は8.5ドル。郊外のけっこういい映画館だった。
はっきりいって前半は最低である。後半はソコソコといったところ。もちろん、なんだかんだいってハリウッドの超大作なのでそれなりに楽しめる。しかし、この予算を使って、このギャラで演技して、ジョン・ウーに監督させて、この内容かよ、といった感じ。全体的な出来としてはダメな映画の部類だろう。おまけに、映画の途中でスポンサーのロゴがいちいち挿入されるのには辟易した。ビジネスライクなのは結構だけど、「客をなめてんのか?」と、プロデューサーであるトム・クルーズにいいたい。
一番不満なのはヒロインだ。名前さえ覚える気になれない。肩幅の狭い華奢な女は私の好みではないのだ。最初から最後までこの女だけでストーリーが押し通されるので、正直いってイライラした。こんな「鶏がら」みたいなガリガリ女に命をかけることができるか? こんな女はほっておいて、ゴージャスな美女を入れ替わり立ち代り登場させてほしかった。なにはともあれ、この女とトム・クルーズがチチクリあう前半の「たるさ」と「ぬるさ」はどうしようもない。くだらんラブ・ストーリーをダラダラするんじゃねえ。私はジョン・ウーのアクションが見たいんだよ!
さらに、悪役がマヌケすぎる。おまけに、魅力がない。今どきの中学生でも、そんな単純な色仕掛けは通用しないと思うのだが、これが見事にひっかかってしまう。これから世界を手玉にとろうとするワルが、何でこんなただのチンピラなんだよ!
実は前半の途中で私はトイレに行ってしまったのだが、それが全然残念に思わない。ちなみに、映画の途中で中座したのはこの映画が始めてだった。
後半はそんな私のフラストレーションをぶっとばすかのように派手なアクションが大炸裂する。ビールスが保管されているビルに、トム・クルーズが侵入するところくらいから映画自体ががぜん盛り上がる。バイクのチェイスもなかなかの迫力だ。さすがジョン・ウー! お約束の「鳩」も飛ぶぜ! ワンパターンと思いつつも、「イヨッ、待ってました!」という気分なるのが不思議だ。
しかしながら、この後半部分を評価したとしても、もし日本で1800円を出して見たとすれば、怒りで発狂ものの映画であることには変わりない。前半が完全に致命的である。このシリーズは全部で3つ製作されるとのことだが、最終的に3つ並べてみて、「やっぱりジョン・ウーだったらミッション・インポシブルはこうなっちゃうよね」といった話のネタになるくらいの価値しかならない映画なのではなかろうか。
ジョン・ウーにはこの映画を素直に「失敗」だと認めてもらい、次回作に気合を入れてもらいたい。同じアジア人としてあなたをいつまでも応援します。いつの日かハリウッドをぶっとばしてやれよ! トム・クルーズはさっさと映画業界から引退しろ。さんざん稼いだんだ。もう十分だろ?
この映画は性格がそんなに濃くない女の子とサラッと行くのが一番いいかも。「面白かったね!」といっておけば全てが丸くおさまるはず。ストレスがたまるから一人で見るのだけは絶対にやめておこう。
ネタばらしといっても、内容が内容だけに、たいしてネタをばらすことができない。もちろん、ハッピーエンドに決まっているではないか。(Psyc)