参考条文

旧刑法(刑法は平成七年、口語体に改正された)
第七七条 [内乱]
一項
 政府ヲ顛覆シ又ハ邦土ヲ僭窃シ其他朝憲ヲ紊乱スルコトヲ目的トシテ暴動ヲ為シタル者ハ内乱ノ罪ト為シ左ノ区別ニ従テ処断ス

一 首魁ハ死刑又ハ無期禁固ニ処ス
二 謀議ニ参与シ又ハ群衆ノ指揮ヲ為シタル者ハ無期又ハ三年以上ノ禁固ニ処シ其他諸般ノ職務ニ従事シタル者ハ一年以上十年以下ノ禁固ニ処ス
三 附和随行シ其他単ニ暴動ニ干与シタル者ハ三年以下ノ禁固ニ処ス

二項
 前項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス但前項三号ニ記載シタル者ハ此限ニ在ラズ

第七八条 [予備陰謀]
 内乱ノ予備又ハ陰謀ヲ為シタル者ハ一年以上十年以下ノ禁固ニ処ス

第七九条 [幇助]
 兵器、金穀ヲ支給シ又ハ其他ノ行為ヲ以テ前二条ノ罪ヲ幇助シタル者ハ七年以下ノ禁固ニ処ス

第八〇条 [自首]
 前二条ノ罪ヲ犯スト雖モ未ダ暴動ニ至ラザル前自首シタル者ハ其刑ヲ免除ス


●判例
 (1)朝憲紊乱とは、国家の政治的基本的組織を訃報に破壊することである。
 (2)内閣制度を根本的に破壊するものでなく、ただ首相を殺害するというだけでは、政府の顛覆とはいえない。
             (五・一五事件/大判昭一〇・一〇・二四)


(1)首魁……暴動を首謀統率する者をいう。
(2)謀議参与者……首魁の補佐役として暴動計画に参加する者をいう。
(3)群衆指揮者……現に暴動した群衆を指揮する者をいう。
(4)その他諸般の職務従事者……(1)(2)(3)以外で暴動に関して一定の役割を担う者をいう。
(5)附和随行者その他暴動干与者……暴動の行われることを知ってこれに参加し、暴動の威力を増大させた者をいう。




 内乱罪は政治犯であるため、その自由刑は「懲役」ではなく「禁固」になる。
 これは、政治犯は確信犯であり、道義的非難の見地から刑事責任を理解することは困難であることを理由とする。

 内乱に関する罪は、日本国の存立そのものが保護法益である。内乱罪が完成すると革命が成立する。



文責:陰謀者 moriver (平成九年皐月弐拾参日 現在)

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