1997年6月3日 (火)
だーめーだ。
今、自分はひどく落ち込んでいる。さっき、パーリタの二話を書き上げたの
だが。こんなペースではいつまで経っても終わらない。
好きに楽に書けばいいとは分かっていても、少しでもひねろう、何かもう少
し工夫できないか、つい考えてしまう。
はっきり言って、自分が書いたものに自信が無いのだ。こんな、すぐ自分が
思いつくようなものなら誰でも書けるよ、と。
こういうのはいかにも自分が頑張ってる、と言い訳しているようで、また、
頑張れば面白いもの書けるんだとナルシズムを見せているようで、正直、自分
でも気にくわないのだが。
だが。だが。
いざ、執筆開始しても物凄く時間がかかってしまう。少なくともこんなたか
が10数Kしか無い文章を書くのに朝から晩までかかってしまう。少し書いては
考え。また書いては考え。
一気に書ける部分もあるが。大概後で見直すと、文がとっちらかっている。
見直す度に書き直す。何やってるんだろうかと思う。
進めろ、深く考え過ぎるな。がんがん書いて、話を進めろと思えば、思うほ
ど。いやまてよ、つじつまは合っているかな、と読み返す。おまけに書きなが
らどんどん設定を付け加えている。おい、こんな話だったのか、と書き上げて
びっくり。それはそれで楽しいのだが。読者にはただの遅筆人間にしか見えな
い。申し訳ない。
苦しい。ハゲる。最近なんか、生え際が怪しい。親父は禿げている。隔世遺
伝というが信用できない。煮詰まる度に毛根を失ってゆく感覚を覚える。枕元
に毛が散らばっているのをみるのは結構、衝撃だ。
***
ちなみに、今回のパーリタ、完全に開き直りました。もう、分かる人だけ分
かればいい、という世界に没入しています。パロなんだから、元作品知ってい
る人に限定、と。藤子作品全般についての世界も摂取していく可能性もあり。
うーん、なんかゲストキャラの方が自由に扱えて面白い、とか感じ始めてたり
します。まずいなあ。
***
カウントの失速は続く。
昨日。7:45分時に1431。
本日。12:16分時に1539。
ハーレルヤ。やっぱりあれはバブルだったのね。
うう。
日刊アスカにもBOMbさんの所からもリンクを張ってもらったのに。エヴァ小
説も書いていないし。しかも、エヴァ小説も書き始めたら「これ、ラブコメに
なるの?」てな感じになっているし。
俺は、ラブコメが書けないのか?
根が暗いからねえ……。
***
ラブコメとは、少年マンガに少女マンガの要素を取り込んだもの、とは別冊
宝島「日本一のマンガを探せ!(本体860円)」の記事にもあった言葉だが。
最近の少女マンガは妙に「ラブドロ」が多く、必然的にそれを読む私もまた
ラブドロに親近感を感じてしまうのだ。今や、「てへ」とか言って舌出して笑
う女の子にリアリティは無い。どいつもこいつも挑戦的な目をしている。それ
は内面に抱えた空虚さの裏返しなのだろうが。そこに、私は密かなシンパシー
も感じてしまうのだ。
ちなみに最近好きなのは別冊マーガレットの「いくえみ綾」。この人はほと
んど芸術だ。昔の作品よりも今の作品の方がずっと好きだ。新作の度にそう思
う。適当なようでいて計算されているという。精神的にも私は相当影響されて
いる。
ADが、高校時代の今や有名女優になった同級生と再会して……という「愛
があればいいのだ」。
お約束ながらも展開が不思議な、先生と生徒の恋を描く「I LOVE
HER」。
別れた母の死により、再び暮らすことになった兄妹のすれちがいを描く「子
供の庭」。
そして、今連載中の一話読み切り型「バラ色の明日」。
短編は特に本領発揮、という感じだ。先月、いきなり抜けてしまったのは気
になるが。毎話短編一本というのは大変なのだろう。
あとは、同じく別マの「まっすぐに行こう」の「きら」もすごい。犬を語り
手に、飼い主の少女(高校生)と、その彼氏や仲間の姿を、わりと淡々と描く
だけなのだが。そのメッセージは深い。しかも、最近その彼氏についての謎
(?)が明かされ、事態は急展開を見せている。
一言で言うと「究極の日常とは何か」を問うているのだ。それは家族の話で
あったり、友達づきあいであったり。ペットの話であったりするが、基本は同
じだ。
結局、日常というのが実は非常にもろいバランスで支えられていて、それは
何でも無いように見えて、結構な努力の結果としてある……。
ということを言っているように私は思えてしかたない。
こんなものばかり読んでいると、どんどん「コメ」から遠ざかる。いや、上
の作品も基本的には笑えるのだが。ふふふ、とさせられながらも、考えてしま
うという感じで。
もっとも、上記の別冊宝島によると、上の二つは「ためらい」「現実世界」
というジャンルのの端っこにあるらしい。真ん中は「いたずらなKISS」の
多田かおる、らしい。これも好きなのだが……。
「きら」の対局には「時代劇、SF、ファンタジー」のカテゴリーが並ぶ。
なるほど、確かにここいらの少女マンガはさっぱり分からない……。
結局、私も偏っているのだ。
しかし、「ためらい」か。……いいよなあ、「ためらい」って言葉(苦笑)。
(19:46)
1997年6月4日 (水)
言い訳です。
上の日記で、「ハゲる」などと書いていますが。今現在は、一応「フサフ
サ」です(^_^;
ただ、こめかみ上のあたりの生え際が心無しか以前より後退しているような
気がする……という程度の話でした。あらぬ想像をされてしまった方は、少々、
イメージを訂正していただければありがたいです。
3年ぐらい前は加持君のような髪にしていた事もありましたが、伸ばすのは
髪に悪いと聞いて、今はばっさりです。
……ただ、どうもここ1年ほど、床屋の洗髪後のマッサージが以前より丁寧
になっているよう気も……(爆死)。
そう……30辺りがターニングポイントかも……もう、子供じゃないのね
(;_;)/
***
このところ、メールサーバーの調子がまたおかしくなっています。返事が遅
れてしまったら申し訳ないです。ただし、返事は必ず書きますので。ご了承願
います。(0:48)
1997年6月5日 (木)
メールサーバーは現在回復したもよう。お騒がせしました。
***
以前、触れた「悪」の問題について書こうと、ちょっと前に話題になった本、
「平気でうそをつく人たち」(M.スコット著、草思社、税2200円)を買った。
昨日買い、さっき読み終えたのだが、正直あまり面白い本では無かった。作
者は、心理療法家という立場から、「悪を一つの病理として認識せよ」と主張
している。しかし、キリスト教の影響も強く(前書きでも最初に断りをいれて
いるほど)、また、観念的議論も多く、ぴん、とはこない。
患者の例として、いろいろあがっており、それは確かに面白い。そして、
「自分の弱さを隠すため、他人をスケープゴートにすることは悪である」とい
う主張もうなずけるが、どうも、情緒的に過ぎ私には合わなかった。後半、ベ
トナム戦争の話などもあり、このあたり問題について、「ずばりここが悪」と
断罪してあるのが米国では受けたのかな、とも分析してみる。
***
私にとっての「悪」特に「絶対悪」についての最大のテキストは、スティー
ブン・キングの小説群である。キングは、悪を常に「理解不能な闇」と扱う。
冬の閉鎖されたホテル管理人をする一家の話、「シャイニング」を例にとっ
てみると。
主人公の父親ジャックは、作家志望だがアル中で、かんしゃく持ちで、一度
ならず幼い息子ダニーの腕を折ったことすらある。ダニーは、いわゆる霊感の
強い少年であり、「見えない友達」としょっちゅう会話をしている。母親はそ
れを心配して精神科医に見せもするが、医者はそれは幼児期特有の症状だと説
明する。
このような状況の中で、ジャックは預かったホテルの「悪霊」にとりつかれ
次第に自らの内の狂気を拡大し、家族を襲う、というのが基本の話なのだが。
作者の自伝的要素が強く、これが超自然現象という問題とは別の次元で滅法怖
い。
キングは、ジャックの異常性を単純に「悪霊」のせいだとはしない。
ジャックの父親も暴力的な性格であり、そうした中で必死に自我を保ちなが
ら成長した結果が今のジャックであると説明する。しかし、同時にそのジャッ
クの父もまた、その父、つまり祖父の影響でそのような性格になった事を語ら
れる。その先に何があるかは説明されない。
ホテルの悪霊も同様だ。ホテルの悪霊は、悪霊ではあるが、それは、このホ
テルの忌まわしい過去によって育てられた悪霊でもある。ジャックは地下室で
昔の新聞記事のスクラップを見て、その過去の事実を知って行く。
悪霊は、ジャックの病んだ心を拡大させ、妄想の中で彼を慰撫し、自らの側
に取り込んでゆく。
母親は、そんなジャックの姿に恐怖を感じ、特に息子ダニーを守ろうと必死
に逃げまくる。
これは、結局、アメリカにおける幼児虐待の世界を拡大して見せたものだ。
そしてその内容はフィクション故、逆に、詳細で圧倒的である。悪はある。そ
れは人の中にある。しかし、それが何によるものかは分からない。ただ、ある、
のだ。
最終的には母と息子は助かる。そして作者の分身でもあるジャックはホテル
と共に散る。壮絶な善と悪との戦いである。そして、それは、ほとんど祈りの
ようなぎりぎりの戦いの末の、ささやかな勝利として描かれる。
***
キングの「IT」はさらに、この世界を押し広げ「デリー」という街全体が
悪霊にとりつかれているものと説明する。デリーの忌まわしい過去と現在が、
詳細に述べられ、そのデリーに潜む「それ」と戦う少年少女と、成長した彼ら
の姿を交互に語ってゆく。
結局、「それ」はクトゥルフ神話の世界と同じく太古に宇宙より飛来したも
のであると示唆されている。そして、同時にそれに対抗すべき「亀」の存在も
記される。少年少女達は、間接的に「亀」の力を借りているのが、それは最後
まで気付かない。
ところが、大人になったとき、「亀」は既に死んでしまっている。そうして、
犠牲者を次々に出しながら、同時に、抑圧され失っていた少年時代の戦いの記
憶を取り戻しつつ、「それ」と戦ってゆく。
その戦いは、結局、少年少女期のトラウマとの戦いなのだ。彼らは大人にな
ることで、その記憶を抑圧してしまっていた。そうして、成功を収めた。しか
し、デリーに再び「それ」が復活した時、その苦しい過去を思い出しながら、
彼らは、「それ」と戦おうと決意する。
このように、常にキングは悪と戦い続ける姿を描く。キングはホラー作家と
して、常にこの「不可解な悪」に対する恐怖を扱う。それは極度にリアルな恐
怖だ。そして、それはどこにでもある恐怖だ。
***
絶対悪は無いと私は言ったが、それは正直私の願望に近いものだ。人それぞ
れに皆「許せない」ものがある。それは、他の人ならば許せる類のものかもし
れない。しかし、その人にとってそれはまさに「絶対悪」なのである。
そういう「絶対悪」を知ってしまった人間は、同時に「絶対正義」を希求し
たくなる。その気持ちは分かる。正義も善も無い世界に生きていくのはあまり
に辛い。
キングから感じることは、そういう「絶対悪」の感情は常に皆抱いている性
質なのだ、ということ。同時にその悪の現れ方はまさに人それぞれなのだ、と
も感じる。
悪と戦う為に仲間は必要かもしれないが、結局、悪と戦うことができるのは
自分の中にある悪を知っている本人一人だけなのだ、という身も蓋もない事実。
これこそまさに真の恐怖である。
***
フロイトによれば悪、とは「そんなことをしたらみんなに嫌われますよ」と
いうものを指すらしい。定義そのものからしてかなり相対的だ。
従って私は「絶対悪」というものがもしあるとすれば、それはキングの主張
する「IT」のように、「なんにでも姿を変える怪物」のような存在であるよ
うな気がする。従って、言葉によって「これが悪」と定義することは本質的に
は無理なのではとも思う。
私は「悪」についてこのような抽象的なことしか語れない。これは、結局、
悪を語ろうとすると「正義」について語らなければいけなくなるからだ。
私は「正義」について語るのが怖い。そこには、立場と責任が生まれる。幸
運にも今の私はそのような立場に無い。だが、そういう場面はいつか必ずやっ
てくる。きっとそれが「大人」ということなのだろう。
***
そう意味において、上のスコットさんの本は、内容はともかく、300万部も
売ったという事実そのものに敬意を覚える。はっきりとそれについて述べ、支
持にせよ、反対にせよ立場をはっきりさせることはなかなかできない。
スコットさんによれば「ナルシズムと怠惰」が、悪の元凶らしい。
どうやら、私も悪であったようだ。
合掌。
(14:37)
1997年6月7日 (土)
すいません。また一日空けてしまいました。この所、一応毎日更新できてい
たので「よし!」とか思っていたのですが……。
もっとも、最近偉そうで、小難しいことばかり言っており「日記」じゃない
という説もあり。
一応近況報告をしますと。
以前、少し書きましたように私はいわゆる受験生であります。前に触れた試
験は、案の定(;_;)という結果だったので、現在は今年のスケジュールの建
て直し、及び、予備校の説明会巡りの日々を過ごしています。この辺りも詳細
に書き出すと、別のページになってしまうので控えますが。
特に来週から本格的にそれらの勉強を始めるので、ますますここの更新ス
ピードに支障がでる可能性があります。ご容赦願います。
……しかし……最近家族の目が辛い……逃避だ逃避。エヴァだ、パーマンだ。
最近スペースシャワーTVで見る篠原ともえに心惹かれつつあり……自分が怖
い。精神汚染が始まる……。
***
パーリタの感想をぽつぽつといただくようになり。まことに嬉しい限りです。
みなさんの思い入れがそこはかとなく感じられ、こちらもますますおかしな物
書けないな、という気分にさせられます。
正直、私どうも「メール魔」に近いようで(自覚症状は無かった)、ページ
の更新は無くとも日記の返事だけは毎日書いております。今でも他のページの
感想メールをがんがん送っていますし。とはいえ、時間的問題で、開拓が以前
とくらべて難しくなっているのも事実であり。
***
さっき、小一時間ほど、検索サイトを回っていた。何かを探していたのでは
無く、自分のページが登録されているか確認してみたのだ。検索名の所にUR
Lを入れて探すだけだが……yahooにはしっかり登録されていた。しかし、
infoseekなどには無い。目についた2,3の所ではその場でちゃっちゃと登録
手続をした。やっぱり、複数登録手続でやると、漏れがあっても気付かない、
という問題が残りますようで。
***
感想を書き込めるフォームを作ろうかな、とも思ったのですが。
ジヲのフォームは、ジヲのメールアドレスを使わなくてはいけないのですね。
私の場合 moriver@geocities.comなのですが。転送の手続を最初にしなかった
せいか、ここにメールを送っても私の所には届きません。一応、プロフィール
を書き直して再登録したものの。自分に一回送ってみたものの届いた様子はあ
りません。
ネットスケープを使っている人だけならば、タグのみで処理できる簡易フ
ォームで処理できるのですが……とりあえずこれで我慢するしか無いのか、な。
***
<今日のリンク>
久々にここにリンク張っておきます。一応最近関わったページ。
Lpage Home
無料伝言板。登録はしたつもりなのだが、返事も無く。どうなったかは不明。
窓の杜 - Windows Forest
言わずと知れたウィンドウズ使用者の為のオンラインソフトの宝庫。
ネットスケープゴールドなどもここから取ってきた。
秀丸にhtmlマクロも組み込むがあまり役立たず。
結局、辞書登録のほうが使いやすい。「例 り1→<A HREF="">」
色々な検索エンジン!!
今日使っていた検索エンジンのリンク集。
それほど数は多く無いが、定番ばかりを一応押さえてあったので。
アクセス向上委員会
以前にも紹介しましたが、ここのメールニュースを購読しています。
カウンターの数が気になっていたのもこんなものを読んでいた影響か?
この間来たニュースにGeoCitiesの紹介記事がありました。
現在Geo会員は62万5千人に達したとか。
月間で5千2百万ビジット、2億7千万ページビューとも。
すごいや。
(12:00)
戻る