MORIVER'S SWEETEST DIARY (24) 更新日記 (24)

10月 17日(金) コミック4巻/審判
10月 18日(土) 語る/パセリ
10月 19日(日) ドラクエ日記19日目/「ダークハーフ」
10月 20日(月) 法律事務所
10月 21日(火) 飲んで、愚痴って、思い出話……最悪?
10月 22日(水) 腹筋
10月 23日(木) たまごっち……麗しき愛の輪廻
10月 24日(金) 養育は母/兵士に聞け/時代



1997年10月17日 (金)

 コミック版エヴァンゲリオン4巻、発売されていましたね。買ってしまいま
した。最初の2話は立ち読みでちらっと見ただけだったので、わりに新鮮に読
めました。ケンスケがアスカに目をハートにさせていたのが印象的ですね。
「あんな子に命令されたい」とつぶやいてもいましたし。シンジ=レイ、トウ
ジ=委員長、ケンスケ=アスカ、でまとまれば結構平和なのかもなあ、と考え
たりもして(^_^;

 せっかくのコミック発売記念なので、何か書こうかとも思ったのですが……
どうも内なるパッションが沸いてきません。4巻を通読して思ったのは、「意
外に普通な話だな」ということ。他人に認めらることを過剰に意識して、強気
だけれども実は寂しさを感じている少女アスカが、主人公と打ち解けて行く話。
結局これだけなのですね。
 度々言及していることですが、もう戦闘シーンなんてどうでもいいから、人
間ドラマを中心に描いて欲しいものです。レイから思いがけず挨拶をされて顔
を赤らめるシンジ、シンジに説教されてこっそりうつむくアスカ、など切なさ
を感じさせる描写はさすがうまいのですから。
(21:55)

			***

 酒鬼薔薇事件の少年が「医療少年院」への送致が決まったとか。この決定が
いいのか悪いのか、私には分からないが、そこに家裁側の意気込みのようなも
のを感じる。決して安易に出した結論では無いということだけは確かであろう。
(23:01)



1997年10月18日 (土)  上の神戸の事件の家裁決定要旨を朝刊で読みました。少年法で常に問題とな るのが、「刑事事件のような明確な事実確認がされないのでは」という点です が、そういう反論を許さないようなかなり厳格な事実認定でありました。  特に、警察が、「犯行声明文の筆跡鑑定でおまえだと分かってる」と、「は ったり」によって自供させたことについて、はっきり「こういう状況でなされ た供述に証拠能力は無い」と指摘しているのには好感を持ちました。  その他、女の子二人に対するハンマーでの殴打につき「明確な殺す意思まで は認められないものの死んでも構わないと思ってなした犯行」と、殺人の未必 の故意を認定しているのにもなかなか注意深さを感じます。  そして何より、決定の医療少年院送致について、全体として「社会の中で人 を交わって生活できるようになるかどうかはっきりとは分からないが、可能性 があるならば、それを望む」いう論調が貫かれており、共感を得ました。  以上から、異論は多々あるでしょうが私はかなりいい感じな結論では無いか と思っております。本当にこういうことをした人物は、社会の中で生きること はできるかできないかは今後の関係者の方(主に精神科の人)に委ねる、とい うことのようです。どうにかなって欲しいものです。もっとも本人にとっては、 自分のやったことを考えるほうがよっぽど苦痛な人生かもしれませんが。それ こそ罰なのかもしれません。 ***  今日の夕飯はチラシ寿司だった。  その上にパセリがあった。  パセリは嫌いな人が多く、なかには「食べ物ではない」と言う人までいるが、 私は案外好きだ。もっともそんなこと言ったがため、小学校の臨海学校の時、 大量に僕の皿にクラスメイトのパセリが並び、もしかしたら僕はいじめられっ っ子なのだろうかと悩んだ記憶もあるのですが。  ともかく、そのパセリを醤油皿につけて口に入れた所。  脳天に突き刺さる程の刺激が鼻の奥を貫いた。  溶け切れていないわさびの固まりが、パセリのふさふさにべったりとこびり ついてらしいのだ。言葉を失い、体をのけぞらせ、何かを求め両手を宙に泳が せる。パセリは一口で放り込んでいたので、出すこともかなわない。数秒間悶 えてやっとわさびは口中にて溶けきり、危機は脱した。  やはりパセリはあなどれない。 (23:57)
1997年10月19日 (日)  久々に「ドラクエ日記」更新です。19日目です。実際には2週間も間が開い てしまいました。シモンも賢者に転職しました。ある人からは、「タラミスが 賢者になれば、もう僧侶だから**できないという主人公の悩みは解消される んじゃない」という素敵なご意見をいただいていたのですが、すいません、や っぱり彼女は神を裏切ることはできないようです。 ***  もう昨日の話ですが、ジョージ・A・ロメロ監督の「ダークハーフ」をテレ ビで見ました。原作はスティーブン=キング。映画自体の一般的評価は低いよ うですがキングの映画化としてはわりあいうまくできているほうでは無いでし ょうか。何より怖いですし。何しろあの「ゾンビ」の監督さんですから、そこ の所はしっかりしています。  物語は単純で、ある純文学作家がペンネームで書いていたバイオレンス小説 を断筆しようとした所、そのペンネームの男が実体を持って「俺を殺すな」と 家族や関係者を襲ってくる。これだけです。  ただ、キングの特質でもあるのですがその視覚化がうまい。画面には雀の大 群が始終飛び交い、主人公の作家は自らの半身にある暴力性に悩まされ白紙に 文字を自動筆記してしまう。  一応、双子の片割れが彼の脳の中に紛れ、それが幼い頃手術で取り除かれ、 葬られたことが、ペンネームを実体化させた理由と説明されていますが、これ はもっともらしい背景をつくるための材料にすぎないようです。  私としては暴力性がなぜ心の中に宿るのか。そのパッションの源に悩むとい うことは、何を意味しているのか、まで見たいと思ったのですが、映画では、 わずかに「人間は表面の心と、内なる心の二つを持っている」との主人公のセ リフから何かを感じるとるのみです。  ただ、キング映画では「シャイニング」をのぞき、評価を得た映画はほとん ど超常現象抜きのものばかりです。まあ「キャリー」「デッド・ゾーン」が一 応ありますが、有名なのは「スタンド・バイ・ミー」だったり「ショーシャン クの空に」だったり「ミザリー」だったりします。キング自ら監督した「地獄 のデビルトラック」を知っている人はほとんどいないでしょう。  まあそういうことを踏まえて見ると、決して傑作では無いものの「よくやっ た」ぐらいの評価は、与えたいなと思います。単に主人公の奥さんをやってい た人が「フィールド・オブ・ドリームス」の奥さん役の人だったというだけが 気に入ったという説もありますが。結構彼女はよい。他にもキング的な、アメ リカの田舎の風景もよく描かれていたと思います。小説だけじゃなかなか、イ メージできにくい部分でありますから。ちなみに私は小説、まだ読んでいませ ん。 (10/20 0:39)
1997年10月20日 (月)  ・・・何していたんだろこの24時間。 ***  以前録画したまま見ないでいたシドニー・ポラック監督、トム・クルーズ主 演の映画「ザ・ファーム 法律事務所」を早送りしながら見ていた。この映画 も劇場公開時に見ている。  原作は「推定無罪」のスコット・トゥローと法律物で双璧をなす、ジョン・ グリシャム。トゥローは純文学的傾向があるのに比べ、グリシャムはわりとエ ンターテイメントに徹する。おそらくまったく売れなかった処女作「評決の 時」で反省をしたのだろう。ただ、両者の資質の差のようなものもある。トゥ ローは内向的、グリシャムは外向的というのは一貫して存在する。これはキン グとクーンツの関係にも似ている。  そのグリシャムの大当たり作品がこの「法律事務所」。  原作は映画以上に波乱万丈で、こちらの方がわりと好みなのだが、今回、ス トーリーも忘れた頃見直して、「映画も悪くないな」と思った。  ハーバード・ロースクール(日本で言う大学院のようなもの)主席で卒業す る主人公は、南部はメンフィスの小さなアットホームな法律事務所に破格の高 級で雇われることが決まる。しかし、実は事務所は裏でシカゴのマフィアとつ ながっており、主人公も盗聴・監視により厳しくチェックされていた……。  刑務所にいる兄。接触してくるFBI捜査官(エド・ハリス)。ワルぶった 先輩同僚(ジーン・ハックマン)となかなかキャラクターも濃い。  全編にジャズが流れ、シリアス話だが軽快さがどことなく残っているのは監 督の計算なのか。  物語は「コンゲーム」、つまりばかし合いの様相を見せる。主人公はFBI、 事務所、バックのマフィアの利害関係を考慮に入れながら、味方(服役中の兄 の友人である探偵とその女)を使ってなんとか自分が生き残れる方法を模索す る。  結論は、小説と映画は異なっている。 (以下ネタばれ)  小説では事務所とマフィアをFBIに結果的に捕まえさせ、主人公は奪った 金を持ってカリブの海で逃亡者だが豪華な暮らしを手に入れる、という結末。  しかし映画では、マフィアと取引し、事務所だけをFBIに引き渡す形にし、 弁護士としての地位を守る、という風に変えられていた。どちらがよいのかは わからないが、同じような状況(もちろん微妙に異なる)の中で、それぞれ違 う結末があるというのは面白い。  ヒーロー性ということでは前者が上だが、後者のあぶなっかかしいラストも 一つの答えとしては悪くないのかもしれない。マフィアなんて下手につぶすも んじゃない、という部分の評価は分かれるだろうが。  もしかしたら、映画を短くするためにあえて、複雑な小説の最後の攻防を省 略・改変したのかもしれない。そうだとしたら、なかなかうまくやり遂げた仕 事であると言うべきなのだろう。カタルシスは今一つありませんが。  役者に注目すると気になるのが、主人公の兄役の人だ。主人公がFBIと取 引したため無事釈放される。そして夕日の中でたたずみ、弟に携帯電話で無事 を伝えるのだが、そのシーンでは傍らのエド・ハリスさえも喰ってしまう格好 よさを見せつける。常に落ち着き払い、悠々にして飄々とした態度で「当座の 資金」を受け取り、まるで散歩にでもでかけるように道に消えてゆく彼……。  ラストでは友人だったはずの死んだ探偵の元・女にまで色目を使い、カリブ の海でボートに一緒に揺られています。何者だあなたは?  エド・ハリスは「アビス」や「ライト・スタッフ」で抜群の演技を見せてく れましたが、今回はやや地味め。ジーン・ハックマンもなかなか渋い役どころ ながら渋いままあまり目立ってはおりませんでした。トム・クルーズは……ま あまあと言った所か。トレンチコート姿でブリーフケース姿で町中を、路上を 走り抜けるシーンは地味ながら小気味よかったですが。  従って見所はやはりあの「兄」と言っておきましょう。有名な人なのだろう か。 ***  映画ネタだけで終始してしまった。日常は何も無い、か……。  ドラクエでもやるか(^^; (10/21 0:20)
1997年10月21日 (火)  昨晩は掲示板のサーバーがダウンしており、ご迷惑おかけしました。  しかし、私の回りの多くのページもこのサーバーの無料掲示板サービズを使 っているので、焦りに焦りまくりました。やはりインターネットはメール・掲 示板・チャットなどが無いと寂しいですからね……。  実はチャットルームはすでにあるのです。あんまり使うことは無いだろうと、 裏ページに放り込んだままなのですが……緊急時の一行掲示板として、玄関に 設置しようかな、と今思案中です。ま、設置ったってリンク張るだけですけれ ども(^_^; ***  度々行っていることですが、また部屋の大掃除をしています。  「います」と進行形なのは、始めたはよいものの未だ終わらないからです (涙)。今回は、自分の机回りを片づけていたのですが、もう、忘れた記憶が 出るわ出るわ。  まず「ウォーロック」という雑誌が出てくる。  これを知っている人はマニアック中のマニアック。  まずこの本を説明するには「ゲームブック」というものの存在の説明から始 めなくてはいけない。ゲームブックとははるか10年ほど前に、日本の書店を 騒がせた、本の形で記されたアドベンチャーゲームである。文章の末尾に選択 肢があり、選んだ肢の先に指定されたページを読んでゆくことで話を進めてゆ くという……まあ、コンピューターRPGでやっていることの簡略版ですね。  「ウォーロック」という雑誌はそのゲームブックの老舗出版社であった社会 思想者から発刊された、「ゲームブック専門誌」であった。であったから、も ちろんゲームブックなんてものが忘れされれるのと同時に廃刊になった。  今家にあるのは、その「ウォーロック」誌にいささか関わりのある方からバ ックナンバーを丸ごといただいたものである。自分で何冊か買ったものもある。  それでも飽きたらず、自分でゲームブックを書いていた時期もあった。もっ とも趣向が次第に一種のボードゲームでもある「テーブルトークRPG」に変 わり、その延長線上でなぜか小説書きにはまってしまったりするのだが。  で、当時を思い返し、ぱらぱらと「掲載されているゲームブック作品」なぞ を読み返してみると「こういうのもいいかもなあ」としみじみ感じる。少なく とも今ある「サウンドノベル」の原点は確かにここにある。  ゲームブックについては語ろうと思えば幾らでも語れるので、このぐらいに しておこう。 ***  高校の修学旅行の時の感想文などもある。正確には、旅行中に毎晩その日の 行動を書かされた日記のようなものなのだが……これは我ながらなかなか面白 かった。しかし、鉛筆の頭の悪そうなねじくれ文字に、誤字だらけ、文法無視、 過剰な形容詞・形容動詞の羅列には正直呆れはてた。これに比べれば今の、こ の日記の文の方が数段マシである。してみると少なくとも文章だけは、少しは 進歩しているのだろうか。そうであれば嬉しいのだが。  しかし、それらの細かい欠点は抜きにすると、文章のテイスト自体は割と今 と変わらない気もした。朝から眠い日には、文章はなげやりに。わりに冴えた 日にはナルシスティックに妄想たっぷりに。気になるのは、旅行に同行してい るはずの友人関係の記述が妙に少ないこと……。寒いぞ、俺。まあ、学校に提 出するものだから名所関連に関することを書かねばと思い、あえて排除した、 とも考えられもしますが。 ***  アイデアとして書いたシナリオの原案や、小説の原案のメモの見つかる。面 白いと思うものもあればつまらないと思うものもある。その中に二編、クロー ンをネタにしたものがあった。前半はかったるいけれども後半がなかなかもり あがっている。  ただ全体として「稚拙だなあ」という印象を持った。すっかり人間すれてし まった私には、なんか甘さのようなものを強く感じられてしかたない。もし、 タイムマシンに乗って過去の自分に会ったら「そんなんでいいのか」と説教し てしまいそうになるほど、それは恥ずかしい。もっとも逆に今の私を見て「そ んなんでいいのか」なんて糾問される可能性もありますが。ふむ。 ***  今、ネットに回線をつなぎ、この日記書きながら、ビール飲んでます。もう 掃除が面倒で面倒で。はあー。もう、日付も変わったしこの辺でこの日記アッ プしておきましょう。なんか寂しいねえ。って愚痴ってどうする(^_^;  では。 (10/22 1:17)
1997年10月22日 (水)  結局片づけはそのままで眠ってしまった。  机の上にはすっかり乾いてしまった雑巾が一枚……。二日がかり、とは。 ***  しかし酒が弱くなった。昨晩調子にのってビールも二本目を開けたら気持ち 悪くなって戻してしまった。自分の家で酒飲んで吐くぐらい情けないことはあ まり無い。 ***  それでというわけでも無いが急に体力の衰えが気になり、わけもなく家にあ った鉄アレイなどをふりまわしてみる。そして腹筋なぞもやってみたのだが… …驚いた。以前は100回ぐらいは全く平気だったのに、なんと50回ですで にへぼへぼになってしまった。しかも、かなりじたばた体を上げて……これは まずい。腹筋ぐらいはまともだと思っていたが……。 ***  だが体をこうして動かすという事自体は悪くない。そもそも運動不足もいい 所なのだ、今は。この不健全極まる自分を鍛えるために一歩を踏み出さなくて はいけないと結構真剣に思った……でもどうすれば?   とりあえず腹筋から、かな。 (10/23 2:09)
1997年10月23日 (木)  掃除、未だ放り出したまま。机の上には昔のファイルやら雑誌やらプリント やらが散在している。ベッドの上まで、長年見たことの無いような本が並んで いる。「電動工作入門」ってこれは小学校の時、夏休みの宿題のために買った 本では無いか。高校二年の英語の教科書もある。滅茶苦茶だ。これらを、よい しょとどけないと眠れない。やっかいだ。 ***  我が家のたまっごっち。ついに25歳になる。  歳をとったからなのか、死にかけだからなのか、ひどい場合には30分おき に呼び出しがかかる。4つある腹ぺこの度合いメーターが、そんな短時間で空 になるのである。  しかも、3つあるうちの頻繁に使う真ん中のボタンの接触が悪い。かなり強 く押さないと反応しない。したがって、餌をあげるにしても遊ばせるにしても 一苦労。指が痛くなってしょうがない。  あまりの手のかかり具合に、いっそこのまま成仏させてやろうかと何度か思 う。もはや、育てているというより「延命している」という気分なのである。 もう、がんばった。そろそろカテーテルを ***  上の所を書いた所で、たまごっちが激しいビープ音をがなりたてた。慌てて 近づくと右上にどくろマークが点滅している。ボタンはどれを押しても反応し ない。これは。もしかして。  たまごっちをかかえ、妹二人と母のいる二階に駆け上がる。ビープ音は鳴り 止まない。ベッドの中で転がっていた下の妹が首をつきだし、モニターを眺め る。  ピー。ピー。ピー。ピー……。  ふと画面の右横に大きな卵が現れた。ああ。新たな命が、ここに……。 ***  かくて、我が家のたまごっちは1997年10月23日20時52分、天使となりて臨終 した。享年25歳であった。 ***  正直ほっとしている。こんな生活がいつまで続くのかと嘆いていた所だった のだ。まさに看護疲れといった感じであった。母は、「そんなんで本物の時は どうするの」と言ったが、私にはうまい返事の言葉は無かった。だが、母も寂 しさとともにどこかでほっとした感情もあるはずだった。精一杯のことはやっ た、と思う。それは残された者による、傲慢な思いこみ、言い訳にすぎとない と言われればそれまでだが……今は全て闇の中、である。  期せずして、生命教育まで我が家にしてくれたたまごっちに、あらためて哀 悼の意を表して。敬礼。 ***  と、ここまで書いてまた下の妹が上から降りてくる。  「のぶりん のぶりん」  だから、兄をそんな名で呼ぶなっての。さっきも上の妹は「のぶひろ、見せ て」とか言いくさるし。兄を何だと思ってるんだ。ぷんすか。  「なに」  とにかく俺は答える。すると彼女は言った。  「産まれたよ」  ……なに??  見ると、小さな小豆のようなたまごっちがぴょこぴょこ動いている。  「……もういいよ」  溜息混じりに俺は言う。  「だって……産まれちゃったんだもん」  下の妹の言葉にちょっとぶるった。  かくて生命は巡るのか。  ……マジ、もういいからな俺。勝手に育ててくれよ。  妹は暗い顔をして二階へと去って行った。  ……きっと世間はこんな俺を責めるであろう。でも。しかし。ああ。  麗しきかな愛の輪廻。 (21:10)
1997年10月24日 (金)  結局、たまごっちは母が主に育てることになった。母は父の会社の事務を パートタイムで手伝っているのだが、今日は、そこにまで持参していった。 娘の産んだたまごっちを育てる母……一歩間違えるとお昼のドラマみたいな シチュエーションではある。 ***  数日前に買った「兵士に聞け(杉山隆男著・新潮社)」を読んでいる。ハー ドカバーと厚い本なので、なかなか読み進められないが、内容は実に濃い。何 かの賞を取ったとも聞く。  これは自衛隊についてのルポタージュである。今のところ、陸上自衛隊のレ ンジャー部隊、そして海上自衛隊の護衛艦「はるたかぜ」の乗船取材まで。  とは言え、実は立ち読みで何度かこの本はぱらぱら読みはしていた。後半、 カンボジアPKOについての一章がマンガとして何かの雑誌に掲載されていて それを読んだのがこの本に興味を持ったきっかけだった。  軍隊でない自衛隊の現場というものに徹底的にこだわっており、そして、作 者はこっそりその姿を現代日本の姿全体と照らし会わせる。読み終えたらきち んと報告をしたいと思います。 ***  ってもう、3時だよ。あーもう書くこと無い(;_;)  無いなりに何か書いては来たけれども……。 ***  豊川悦史主演のドラマ「青い鳥」。なかなか渋い。しかし、このトヨエツの 姿に妹二人は悶えまくっている。名前を叫んでいる。それにしても失楽園のせ いか、最近この手の不倫ドラマが多いな……時代、か? (10/25 3:04)

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