MORIVER'S SWEETEST DIARY (30) 更新日記 (30)

12月 1日(月) 日記30枚目/ジヲ同盟過去ログ/tripod/ラーメンを求めて
12月 2日(火) ドラクエ日記24日目/母と病院と車。
12月 3日(水) 平気/ドラクエ日記25日目/IMF
12月 4日(木) 朝
12月 5日(金) 無い/横井軍兵/不意打ち
12月 6日(土) 2001年宇宙の旅/レイジングブル/嘘をつくということ
12月 7日(日) ドラクエ日記26日目/スパイ



1997年12月  1日 (月)

 ついにこの日記のファイルも30枚目です。そして、今年最後の月、12月に
も突入しました。寒さも次第につのってきます。否が応でも、色々考えてしま
います。これまでのこと、これからのこと。怠け者の自分にしてはよく続けて
いるな、と思う反面、連載している小説など手つかずのものが多く恥ずかしい
とも感じています。まあ実生活のことについては……あえて語らないでおきま
しょう(^_^;
 まあ、大雑把に言えば……「こんなんでいいんか?」という所でしょうか。
なんか一生そんなこと言ってそうな気配ですが。

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 ジヲ同盟掲示板のログを整理しました。8月分までしかまとめていなかった
ので実に3ヶ月分も。ちなみに玄関の方にある青草亭掲示板など、一度もログ
整理していません。……実は一部漏れている所もあるので。どうしようかとも
思っています。ログはものすごく容量を食うので簡単には決められ無いのです。

 それはともかく、今回そのログを入れるために久々にtripodのサーバーにつ
ないだのですが、仕様が少し変わっていて驚きました。まず、広告がファイル
末では無く、別ウィンドウに出るようになったことです。確かに、ファイルを
ダウンロードして、後で読もうという人には邪魔な広告ですから、この方がい
いのかもしれません。少なくとも、今のGeoCitiesのように、黒い怪しげな画
面がでてくるよりマシ、でしょう。……そうジヲに投書しようかな。

 ただしtripodにもジヲと同じようなファイルマネージャーがあり、FTPを使
わずにファイルを一応アップできるようになっているのですが、「上書き」
が出来ないのが不満ですね。ジヲができるのだから仕様の変更はそんなに難し
くなさそうに見えますが。不思議です。

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 しかし、ページの手直しとは反比例に他のページにアクセスする機会はどん
どん減ってきています。一口に言えば接続時間が短い、と。理由は、電話料金
やら、電話線の占有の防止(^^;、生活の変化、などなど複合的にあるのですが。
まあしょうがないので(?)、当分ページの中身を充実する方に全力を捧げま
す。

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 ここ数日、近所のラーメン屋を食べ歩いている。しかし、私の好きなしょう
ゆ味のいわゆる「東京ラーメン」を出す店はどうも少ない。なぜか、とんこつ
スープの店が多い。しかも麺はちぢれ麺。どちらかと言うと固めの一本麺の方
が好きなのだがそれはかなり少ない。もちろん、とんこつもちぢれ麺も嫌いで
は無い。が。しかし。新たな店の開拓は続く。

(12/2 0:48)



1997年12月 2日 (火)  夕方頃にドラクエ日記24日目を更新。マイペース。ゴーイングマイウェイ。 ***  今日は本当に日記に書くことが無いなあと思いながら10時半頃帰宅すると、 母がトイレでうなっていた。傍らには上の妹がいる。ついさっきから腹が痛い と苦しみ始めたという。尋常でない様子。  その時、下の妹は隣の風呂場で入浴中。父は晩酌を済ませ眠りについていた。  救急車か、と考えたがとりあえず区民報に書いてあった消防署のサポートセ ンターに電話して近くで夜間の急患を受け入れてくれる所を聞く。  一つ目の病院では、来ても治療できないから某大学病院の方に連絡しれくれ との返事。むう。二つ目のその大学病院に電話し、とりあえず予約をする。症 状はと聞かれたが腹が痛い、吐き気がする、としか応えられない。ふと、傍ら の夕食の卓を見るとカニが一匹あった。残骸もちらほら。……まさか?  私はいわゆるペーパードライバーだ。運転は一年以上もしていない。運転技 術には「全く」自信が無い。というか怖い。  しかし、父は明らかに酔っている。真っ赤だ。酒の匂いがぷんぷんする。見 つかったら風船をふくらませることも無く、そのまま降車させられ減点だ。  じゃあどうやって、母を病院に連れて行くか。もめた。で、結局……まあ、 僕が運転しないことになった。まあそういうこと。 ***  向こうについてからも、どうにもこうにもまたされる。緊張感のかけらも無 い。行き交う医師にもやる気は無い。夜の病院とはこんなものなのか。それと もここがそうなだけ、か。  とりあえず、受付をすませた後、父はもう帰ると言い出す。しかし、さすが にやばかろうというので私が運転することにする。どきどきだ。しかも、父が この車にしてからは一度も乗ったことが無い。怖い。  それでも、なんとか家まではついた。しかし、車庫入れができない。後ろの 壁のぶつけそうになり、父がたまらず声をあげる。泣きたい。 ***  すぐ自転車で病院まで戻る。  どうも、既に母は元気を取り戻しているよう。今は点滴を受けている、との こと。原因が何かは不明らしい。一人で待たされていたと、上の妹は機嫌が悪 い。しょうがないので30分ほどその場に私もいたがすることが無い。ただ点 滴が無くなるのを待つだけなのだ。しかも、どうみても一時間半以上はかかる という。腹も減った。じゃ、と言って自転車を漕いで家に帰った。4分ジャス トで家につく。案外近いものだ。  居間に入るとカニが無かった。冷蔵庫に足が幾つかあった。胴の部分が無い。 なぜだ。しかも、これ喰っても平気なのか。  結局、足を食べる。一本食べる。うまい。母の実家から送られて来たカニだ。 ちなみに母の実家は富山だ。  すると父が降りてきた。カニの胴体が無いと言うと、父は皿を見て「それは 俺が残しておいた奴だ」と言った。そして台所の発砲スチロールの箱を開けて 「おまえのはこっちだ」と告げた。中を見ると、カニがまるまる一匹入ってい た。私はごめん、と父に言った。 ***  カニを食べ終えた頃、電話があった。病院の上の妹からだ。あと30分ほど で点滴が終わるから帰るという。車で迎えに行くか、タクシーで帰ってきても らうか。悩む。結局、車のキーを持って私は表に出た。  とりあえず、どこにもぶつけることは無かった。しかし、どうも右折が怪し い。後輪が半分のっかっているような感覚がある。どうにもやばい。  それでもなんとか病院につく。車に乗り込む上の妹と母。緊張のボルテージ があがる。オートマ車なのだがシフトレバーの表示が見えない。なぜだ。と思 ったら単に車のライトをつけていないだけだった。ライトを付けるとパネルも 光る。そういうことか。不安はさらにつのる。  大通りに出る。右折しなくてはいけない。赤だ。しかしその下の右折の矢印 が出ている。これ、曲がっていいんだよな。と進もうと思ったら矢印が消えて いた。  止まればよいのに、そのまま進んだら左手にタクシーがいた。バックミラー に写る二つのランプ。まずいよん。これって信号無視だよん。  ええい、とそのまま走らせる。まずいよーーん。と自らのふがいなさを噛み 締めながらなんとか、家にたどり着く。不安の絶頂にある後部座席の二人は、 途中もずっと「ほらここ信号赤だよ」といちいち言っていた。  車庫入れがまた大変だった。ハンドルの切り返しがよう分からない。いわゆ る車体感覚というものがまるで無いからだ。結局何度もやり直す。まあなんと か、というところでエンジンを切る。と、パワーウィンドウを閉め忘れたこと に気づきまたエンジンをかける。ああ。 ***  今度、車の乗る前には一度教習所に行き直した方がいいかも、と結構真剣に 考えた。  そして、私はこれを日記にどう書こうと思いながらパソコンを立ち上げ、現 在に至る。ちなみに、来年、私は二度目の免許書き換えを迎える。いいのか? (12/3 2:19)
1997年12月 3日 (水)  お騒がせしましたが、今朝には母も大分よくなってました。結局原因も不明。 食い合わせが悪かったのではという説もありますが、推測以上のものではあり ません。ちなみにその後カニを喰った私にも異常は無し。勢いあまって、夕べ 父が残したカニ足も今日の夕食の時には下の妹と分けて食べてしまいました。 とりあえず平気、です。 ***  ドラクエ日記25日目も書き上げる。はっきり言って相当ゲームは行き詰まっ ています。まあ、そのことはまた次回にということで。 ***  テレビを今つけたら「新スパイ大作戦」をやっていた。なつかしい。オリジ ナルも再放送を見てました。マイコン大作戦も。しかし、昔はどうして「国際 通貨基金」がスパイ活動をしているのかが分からなかった。関係無かったんで すねえ。IMPOSSIBLE MISSION FORCEの略だったとは。  ちなみにトム・クルーズの映画化した方の作品、まだ見ていません。わりに 面白いとも聞くのですが。 ***  私が入っているアスキーフリーウェイを実質きりもりしていたハイパーネッ ト、東京地裁に自己破産申告したそうです。帝国データバンクがニュースソー スだと毎日新聞には断り書きはありましたが。負債は14億円とか。アスキー側 は「インターネットを普及させるという役割は終わった」なんて格好つけてい ましたが、結局こういうことなのか。  ちなみに、回線が混雑しているのかはたまた接続を切っているのかハイパー ネットには現在つながりません。  無料と言えばソフトバンクが出資しているジオシティーズ日本。こっちはま さか……心配でたまらないです。 (12/4 2:30)
1997年12月 4日 (木)  今朝の私はおかしかった。そんなことぐらいで、と人から言われそうなこと なのに、なぜか例えようも無い程の幸せ感に浸っていた。正直涙がでそうな程 に。  朝方、6時頃、どうしようも無く腹が減って表へ出た。最初はコンビニへ行 ったが、ある欲求はそれでは満足しそうも無かった。それはラーメンを食べた い、ということ。こん所ほぼ毎日ラーメンを食べている。店屋以外でもインス タントでも。しかも全然飽きもしないのだ。  それでラーメン屋に行くことにした。ここは月曜の朝にも行った店だ。前、 来た時にはとんこつだったので、今日は江戸だし、つまりしょうゆラーメンを 頼んで見た。  正直、それはただのしょうゆラーメンだった。しかし、肌が切れそうな風の 吹く中たどり着き、手をこすりながら待ったせいか、結構うまく感じた。白い 湯気がこれでもかというほどわきたっている。  チャーシューはちょっと冷たかったので底に沈めて後で食べることにする。 胡椒を少し、にんにくも少しだけ入れる。そしてずるずると食べていた。まあ 普通だ。普通だが、これは確かにラーメンだ。そう、こうやって寒い中で食べ るからよいのだ。  汁飲みほし、勘定を払う。気が付くと店内には私一人だけ。しかし気にする ことは何も無い。ごちそうさまと言って店を出る。やはり寒い。しかし胃の中 は暖かい。途中陸橋を渡る。東の空、ビルの谷間に朝焼けが広がっているのが 見えた。そしてコンビニをちょっと回ってから家路についた。  家の前の駐車場に父がいた。今から出ようという所らしい。挨拶を交わして 家に入る。母がいた。ラーメン食べてきたからと言って、自分のベッドの方に 向かい、腰を据えたら力が抜けた。部屋は少し肌寒いがまだ腹の中は暖かい。 空腹感も癒やされた。吐く息すらも心地よい。  これは何なのだろう、と思った。別段どうということは無いはずだ。この所 毎日ラーメン屋にも行っている。しかしおかしい。何をこんなに満足している のだろうか。もはやラーメンがどうこうという問題を越えている。気にしたこ となど無いがバイオリズムか何かの関係なのだろうか。ほとんど感動に近い感 覚があった。全てがぴたりとそこに収まっているような感じ。同じことを別の 日に繰り返してもおそらく駄目であろうとの予感とも直感とも言い難いものも 覚えていた。気持ちがひどく大きくなって、なんだかあらゆることを許せる気 がした。正直、壁に背中を預けて、毛布を体にかけて座っていると泣きそうに なってきていた。こんな日もあるのだな。そうしみみじみ感じていた。 (22:43)
1997年12月 5日 (金)  世は既にクリスマス。商店街も近くのコンビニも。 ***  今日、間違えて予備校に行ってしまう。行ってから何も無いことに気付く。 相当ぼけが入っている。まずい。 ***  しょうが無いので本屋に寄って立ち読みする。すると今月のゲーム批評で、 横井軍平氏が亡くなったことを知る。任天堂にいてゲームウォッチやゲーム ボーイなどを作った人だ。その後会社を出て独立したと聞いていたが、今年10 月に亡くなられていたらしい。ゲームはあまりやらない私だが、以前、氏への インタビュー本を読んだ事があり、興味はもっていました。その後どうしてい たのかと思っていましたら……。  氏の作った会社「コト」はまだあるようですが、ホームページを見る限りで は、どんな状態かはさっぱりわかりません。新規採用募集はしているようです。 ***  今さっき、紅茶を飲もうとテーブルに置きっぱなしのマグカップを手に取る。 底の方に何か残っている。貧乏性な私は、もったいないと口に入れる。とたん。 その味に驚いた。なんだ。このつんとくる酸っぱさ。そしてこの後味の苦さ。 とても通常の飲み物とも思えない。薬、か。まさか妹が使っているコンタクト の洗浄液ではあるまいな。いや、親父の入れ歯洗いの洗剤か?  そのまま流しに駆け込み、吐き出す。  で、気付いた。自分がさっき何を飲んでいたのか。つまり、それは100%グ レープフルーツというやつだった。むう。 (12/6 1:45)
1997年12月 6日 (土)  ドラクエ日記を書いていたら遅くなってしまった。書き上げてから更新しよ うとは思ったのだが時間が大幅に過ぎてしまったので日記の方を更新すること にする。それにしても、おかしな展開にしてから悩む、悩む。これじゃ普通に 小説書いているとの変わらない。大失敗という気分である。 ***  いいわけついでに言うなれば、他の連載(?)も止まったままです。さすが にパーマンの方だけはずっと考えていますが、エヴァものは正直まだ当分書く 気力が生じません。観念して殴り書きし始めるかもしれませんが、自分でも自 身は無いです。 ***  最近のスペースシャトルの話題に触発されて「2001年宇宙の旅」を見直す。 何度見ても、これがアポロの月着陸前に撮られたとは信じがたいものがある。 宇宙船内の描写やデザイン、そのリアリティは今なお色褪せていない。それど ころかこれ以上にリアルな映像はその後も無いのでは、とすら思える。下手な 合成を使わずに、無茶苦茶手間をかけたコマどり撮影には異様な迫力がある。 正直な所、テレビカメラで見えるスペースシャトルの映像より、こっちの方が ずっと「もっともらしい」。 ***  それで思い出すのはマーティン・スコセッシ監督の「レイジングブル」だ。 これはある実在のボクサーがチャンピオンに上り詰めて没落するまでを描いた 作品なのだが、ここに出てくるボクシングシーンは、ほとんど伝説にしていい ほどすごい。画面は白黒。これは映画全編通してそうなのだが、ドキュメンタ リーっぽさがある。しかし、このボクシングシーンは一見ドキュメント風で実 は全く違う。まずリングは通常のものより広い。それから、光。異様なまでに 明るいのである。そして、ボクサーの目から見える映像。カメラが、しつこい までに「ボクサーの目に見える真実」というものを代弁していて、途中意識無 く、なぐりつけているかと思うと、突然スローモーション。かと思えば、また 通常のスピードで殴り合い。途中、頭上のライトが目をかすめたり、とにかく 「戦っている」と体感できる取り方なのである。 ***  ホームビデオをお持ちの方は分かるだろうが、カメラを通して見た風景とい うのは見慣れた主観の映像とは大分違う。明るさなどはその一例だ。特に室内 などは相当暗く写るのが普通だ。明るくしようと絞り(アイリス)を開いても 周囲がとんでしまってりする。結局、照明をさらに当てないと、普段目にする 風景はなかなかでてこない。色彩についても、特にホームビデオは人の肌が綺 麗に写ることを基準にしているので大概少し赤みがかる。修正して直すことも できるだろうが、そうすると周囲が違和感あるように見えるかもしれない。  この辺りのことは写真をやっている人の方が詳しいだろうから、ぼろが出な いうちに止めるが、とにかく「実感」としてのリアリティというものは、時に 現実とは大分違う場合が多いのは確かだと思う。嘘をついて「真実」を語る。 映像に限らず、映画……というより全て、物語はそうだと思う。どうも本質的 に私は嘘つきなようなので、こちらを目指したいと思っているのだが……難し いですね。 ***  ということでまた「嘘」を書く方に戻ります。では。 (12/7 3:24)
1997年12月 7日 (日)  結局、一晩費やしてしまいましたが、ドラクエ日記26日目をお送りします。 どこまでが本当で、どこまでが嘘なのか、ととまどう方もいられるでしょうか ら言いますと……まあ、最後の攻略本を見てしまったというのは事実です。た だしシチュエーションはちょっと違いまして、夕方にちょろっと家の近所の本 屋で見ただけです。  しかし、読んでくださる方には失礼ですけど、こういうホラ話すれすれのも のは書いていて楽しいですね。つくづく嫌な奴だなあと自分でも思いつつ……。 (7:59) ***  もう昨日のことなのですが、テレビ東京でお昼にやっていた「帰ってきた老 スパイ」という映画が意外に面白かった。  主演はスコット・グレン。「ザ・ライトスタッフ」で宇宙飛行士の一人を演 じていた人だ。アメリカの諜報部員である彼が、昔の恩師で、今はロシアで潜 入工作している男の亡命を手伝うという所から話が始まる。 (以下あらすじ)  その恩師も、一度は仲間を裏切ったことがあり、敵も多い。また亡命の条件 であった、ロシアの機密情報という手みやげも帰国したいがための作り話であ り、主人公は不審の目を彼に向ける。  しかし、ロシア側の追っ手から逃れながら、アメリカに連絡をつけてみると、 今度はその恩師を殺せ、と命じられる。  両国から追われる身になったその恩師をかくまいながらも、主人公はヴェネ チアの元恋人や、顔見知りのロシアのエージェントと会い事態の真相を探る。  結局、恩師が知っているある事実を隠すため(アメリカの高官の一人がロシ アのスパイであるという事実。恩師自身は彼が高官になっていることを知らな かった)追われていたことが分かり、その事実を明るみにした時点で助かる。  だが、その恩師はガンにむしばまれていた。主人公と呑気にジュネーブで昔 話をしている間に死ぬ。  ま、別にどうってことの無い、主人公と老スパイの逃避行をしながら、和解 してゆくというだけの物語なのですが、ラストのその老人が死ぬあたりがさら っとしていてよかった。  午後の日差しの差す公園のベンチで並んで座りながら、二人で思い出話をし ている。咳き込む、老人に主人公は自分の革ジャンを肩にかけてやる。老人は にやりと笑いながらすまない、と言う。主人公は、初めて出会った頃を思いだ し、次第に自分の話に興奮して笑いだし、相づちを求めて横を向く。すると、 老人の顔が力無く倒れている。主人公は無言で、その老人の肩を抱いて自分の 顔を押しつける。  派手なアクションも無いかわりに、無理に盛り上げようとするBGMも無く、 どこかしみじみする映画だった。  ところで、毎日新聞には映画紹介欄に3段階の評価がつけられているのです が、その評価は最低。本当に見たのだろうか。格好悪い日本語タイトルで判断 されているような気がする。第一、結局老スパイは帰国できなかったんだから 「帰ってきた」は無い。もっとも最初の20分程は見てないので原題は知らない。 ちなみに、ぴあの「シネマガイド」には載っていなかった。 (12/8 0:03)

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