MORIVER'S SWEETEST DIARY (49)
更新日記 (49)
6月 19日(金) 日焼けへの思い
6月 20日(土) 二敗
6月 21日(日) ため息の理由/働くということ
6月 22日(月) 先生あのね/暴走機関車
6月 25日(木) 間が開いた/the 山田家
6月 27日(土) ジャッカル
6月 28日(日) 遠い日
6月 29日(月) シェイクハンド/弁当忘れる/パーマン小説
6月 30日(火) ガマと梅雨とアジサイと
1998年6月 30日 (火)
帰り道、ひと二人ほどしか通れない、土の路地を歩く。
中央には飛び石のような踏み場がある。
その上を渡っていると、何かが足元でがさりと動いた。
時刻は夜の八時半すぎ。
よく見ると、それはガマ蛙だった。
落ち着いて数歩歩くとまた、新たな何かが横切った。
二匹目のガマ蛙だった。
近くには、小さな咲き掛けの白いアジサイのつぼみがあった。
その先のコンクリ地には水溜まりが残っている。
今は、梅雨。
(7/1 0:57)
1998年6月 29日 (月)
やーばーいーー。
今、心に無茶苦茶余裕がなくなっている。
***
なんて書いていたのは29日の午前1時頃。その時、手がぷるぷる震えており、
書いたところで力つき寝てしまった。起きたら寝不足でだるくはあったけれど
も、別段平気であった。人騒がせな体である。
***
昼に弁当を持ってくるのを忘れていたことに気づく。後で聞いたら、それは
結局母が食べてしまったという。昼食代がもったいないので弁当を作ってもら
っていたのだが、あまり意味がなかった。それにしてもこの歳になって未だ親
に甘えているというのは恥ずかしい限りだ。
***
パーマンリターンズの読者の人から、「自分も実はパーマン小説を書いてい
ました」というメールをいただいた。頼んで送ってもらいそれを読ませていた
だいている。話に聞くと、パーマンの同人誌グループなどもあるそうである。
真面目に色々考えている人は大勢いるのだと身がひきしまる思いである。
(6/30 0:03)
1998年6月 28日 (日)
午前中はひたすらに眠っていた。目が覚めて、もそもそと朝食だか昼食だか
分からないものを食べる。テレビでは「やっぱり さんま大先生」がやってい
た。タレントをしながら私立受験をしている自分は特別だ、と言う男の子が出
て来て腹が立つやら呆れるやら。自分も昔、身の程も知らず偉そうなことを言
って白い目でみられた覚えがあるので、誰か彼を止めてやれ、と心から思った。
***
昼過ぎになり家で出て高田馬場へ行く。新しい六法を買おうと予備校の書籍
コーナーに行って財布を開いたらお金が足りなかった。銀行で降ろそうかとも
思ったが近くに開いているキャッシングコーナーも無い。何とは無しに、情け
ない気持ちにとらわれた。給料日はまだ遠い。
(6/29 0:11)
1998年6月 27日 (土)
昨晩は、バイト先での飲み会があり徹夜。といっても4時頃にはお開きにな
って後は、タクシーで途中まで送ってもらったのだが。帰りのタクシーは社長
と一緒で、仕事の上での注意点などをずっと聞いていた。
***
ワールドカップ。日本は三戦全敗。情けないと思うべきか、頑張ったと言う
べきか。おそらくその間に答えがあるのであろう。視聴率は軒並み60%を超え
ていたという。驚くべき数字である。私はやはり社長とタクシーで移動中に聞
いていた。ここは残念と素直に受け取るのが次へのステップのためにはよいの
であろう。個人的にはチケット騒ぎの行方が気になる。日本の旅行代理店は馬
鹿だった、で済ませていい問題では無い。
***
今日は忙しいといいながらも映画館へ行って「ジャッカル」を見てしまった。
何も調べずにふらりと行き、最初はディープインパクトを見るともりだったの
だが時間が合わないのでそそくさとハイエナへ。
結論から言えば、佳作というところ。想像したより地に足がついたサスペン
スものだった。一応フレデリック・フォーサイス原作の映画「ジャッカルの
日」を元ネタとしているらしいが、殺し屋の名前と、その殺し屋が要人暗殺を
するのを防ぐ警察、という構図しか共通点は無い。
ブルース・ウィルスが変装の名人にして殺し屋のジャッカルを演じている。
7変化という趣でそれなりに面白い。追跡を逃れるための細々とした罠も凝っ
ている。一瞬にして車の色を変えたり、ネットのチャットで武器を購入したり
となかなか忙しい。
気になったのはオープンニングのタイトル表示の長い部分がどことなく「セ
ブン」のオープニングに似ていることだ。かすれたタイプ文字、サブリミナル
効果を誘うすばやいカットつなぎ、ノイズの混じった神経を刺激するようなサ
ウンド。もっともここを担当したのは「トレインスポッティング」という映画
のエンドクレジットを手がけた人らしい。そちらは見ていないので、即断はで
きないが、セブンの影響はあると見たほうが自然な気がする。
ちなみにジャッカルはつまるところ「ゴルゴ13」だった。
敵役で元IRAのテロリストを演じるのはリチャード・ギア。意外に似合っ
ている。でもそれほど活躍はしない。ラスト、ジャッカルを追って地下鉄の線
路で四苦八苦する姿がやや笑えるかな、というぐらいだ。
個人的に好きなのは、捜査に協力するロシアの女性刑事。彼女がいなかった
らかなりつまらない映画になっていたと思う。彼女のキャラで救われた。もち
ろん、ジャッカルもそれなりに面白い人物ではあるが。
(6/28 1:03)
1998年6月 25日 (木)
日記、二日開いてしまう。今、思い出して二日分を埋めようと思ったのだが、
うまく何も浮かばない。従って空白とする。
今日はバイトが無いので、朝は眠っていた。そうやってごろごろしていると
生活が変わったことも忘れてしまう。いや、実際にはさほど変わっていないの
かもしれない。夕方には、昔とった映画、「アウトブレイク」のラストと「攻
殻機動隊」のラストを見ていたし。前者はビデオにラベルが無くて中身を確認
するため、後者は昨日、見ようと思ってデッキに入れていたものをちょっと義
理程度に見直しただけ。
***
昨日、「the 山田家」の一巻を衝動的に買ってきた。ヤングサンデーで連載
されている短いマンガだ。なんと無く、前から気になっていて最初から読んで
見たかった。読み切りだから最初から読んだところでどうってことは無いのだ
が、こうして改めて見ると、やはり面白い、と感じる。はまった。
顔は二枚目だが普通人の高校生「みちる」と、普段はこわ持ての左官職人だ
が酒を飲むとかわいい二頭身キャラになる父親「トム」、そして美人で常にマ
イワールドに生きている「花子」。
この3人に、山田夫婦にあこがれるみちるの同級生でやはりマイペースな、
田中ミヨを交えて、ひたすら意味不明に話が進むというだけなのだが……つい
読んでしまう。
一巻の帯に「私はもしもこの生涯で結婚することがあれば山田家のすべてを
みならうでしょう」という言葉がある。分かる。俺もそうかも。などと思って
みたりするのだが、その言葉を書いた主は「吉本ばなな」。吉本ばななと結婚
か……。無益な悩みではあるが。
なんとなく絵柄やギャグの端々が「稲中卓球部」と似ているとか、花子とミ
ヨが似すぎているとか、篠原ともえっぽい感じもするとか、つっこみはさまざ
まあるけれども。アットホームを通り越した本能で結びついたような夫婦や親
子の連帯感が心地よいのである。もっとも我が家もオヤジは酒を飲むと幼児化
するし妹たちも奇声や奇行にふけっているので似たようなものか……こんな呑
気じゃないけど。今、二巻を買おうか悩んでいる。
(23:54)
1998年6月 22日 (月)
雨だ。やはり梅雨なのである。
***
眠い。
だからごろごろしたい。ベッドの上にころがって、背骨を軸に180度回転
する。肌に毛布やシーツがこすれる感覚が気持ちいい。そしてまたリバース。
疲れると、枕に頭をあずけて目をつむる。このところ夢をよくみる。
この間は、「スチームベッド」の夢を見た。どこかの板張りの部屋の一角が
へっこんでいて、そこにベッドがある。窓はなく、なにかのポスターが貼って
ある。そこを僕はスチームベッドと呼んでいた。意味は不明である。ただ、そ
こは居心地のよさそうな空間に見えた。そういうことだ。
「先生あのね」という夢も見た。子供が先生あのね、と声をかけているのだ。
昔読んだ絵本にそんなシーンがあったような気がする。僕が先生のようでもあ
り、子供のようでもあり、ただの傍観者のようでもあり。そして全ては夢のよ
うでもあり。って、本当に夢なのだが。そんな夢を見た。
***
昨日テレビでやっていた、黒沢明原作のハリウッド映画「暴走機関車」。つ
い見てしまった。
なるほど。確かに黒沢節がある。
二人の脱獄囚が、潜り込んだ列車が運転士の志望により暴走し出す、という
話だ。偶然乗っていた女性鉄道員を交え、列車の中で密室劇がくりひろげられ
る。
先輩の脱獄のプロにあこがれる、若い後輩の囚人の関係が、列車の中で微妙
に崩れてゆく。危険をおかしても、前の車両に飛びうつり、列車をとめて来い
と脅す先輩。殺す気、と止める女性鉄道員。先輩は女を投げ飛ばす。女は叫ぶ。
「あんたはけだものよ!」
すると先輩は言葉を返す。
「俺はけだものじゃない。なお悪い。人間だ!」
黒沢なのである。
そして、後輩が先輩がヒーローではなく、虚飾につつまれた単なる軽蔑すべ
きエゴイストだと知った時の長い間。囚人を追ってきた刑務所所長との対決。
人間性を問う、濃いシチューション。黒沢だ。
でも映画は今ひとつB級っぽい。難しいものだ。
(5/23 1:53)
1998年6月 21日 (日)
母親に朝方、「あんた最近ため息ばっかりついているけど止めなさいよ」と
注意され驚いた。自分がため息をついているとは気づかなかった。しかし、自
分の行動に注意してみると、なるほど、大きく息を吐いていることが多い。知
らぬ間に、胸の中に何かを息苦しさを感じてしまっているらしい。
顔色が悪いと言われたことをあわせると、どうも今の僕にはいいところが無
いことになる。人並みの生活に近づいたはずなのに、体はそれにため息をつい
ている。単に馴れていないだけ、だといいのだが。うかうか気も休まらない。
昨日も妹に「なにイライラしているの」と言われた。どうにも、こうにも、
といった状況である。
かといって「ため息は駄目」とか「イライラするのは駄目」と思うと、余計
ため息ついてイライラしそうだ。やはりここは逆転の発想で、あえてため息を
いっぱいして、ますます自分をイライラさせてみるのもよいのかもしれない。
・・・・はぁ・・・・・・・・。
むーーーーーーー・・・・・。
……逆効果?(^-^;;
***
掲示板でちぇりさんから、「事務職=OLといった言い方は、自分で言うのな
らともかく、他人が言うのを聞くのは嫌だ」という言葉をもらって悩んでいる。
「女性」と「働く」ということについては、難しく微妙で、そして大事な問
題がいろいろあって、頭ではうまく整理できないというのが正直な気持ちだ。
それは「生き方」の問題でもあるわけで。
言えることは、女性の仕事との関わり方は男以上のさまざまなバリエーショ
ンがあり、年齢におよばず、地域によっても考えが相当違うということだ。そ
の上、結婚と仕事という問題をからめると、もう男の私の立場からは何を言っ
ても「他人事言ってるだけ」という寒い状況になりかねない。
たとえば、聞くところによれば農業が盛んな地域では「女性は結婚しても当
然働くもの」という意識が強く、勤めに出ないとかえって冷たい目で見られる
という。農家では共稼ぎが原則だからだ。都心の人はうらやましい、という人
もいる。
反対に、結婚したことによって夫の希望だからと仕事を辞める人もいる。う
ちの母親などは未だに後悔していると文句を言っている。しかも、東京では結
婚している女性は仕事はしないのが当たり前だ、などといいながら結局、会社
の事務を手伝わされているとも言っていた。
会社の仕事が楽しくて、家にいるより会社にいた方が心が休まるという人も
いれば、仕事は生きがいにもならないし、退屈だけど特に不満もないし、お金
はいいから辞める気も無いという人もいる。結婚しても仕事や勉強を、楽しみ
ながらしている人もいれば、止むを得ず働きに出なくてはいけない人もいる。
とにかく、色々、だ。
男でも確かに、色々あるだろうが、仕事はするのが当たり前で、転職はして
も仕事自体をしないという事情はあまり多くは無い。主夫というのは、名前す
ら聞こえども実体についてはよく分からない。仕事は楽しければラッキーだし
そうじゃなくても結局はするべきものだ。お金は稼がなくてはいけないし、金
を稼げない男は無能で、社会的には蔑視される。これは事実だ。
職業には貴賎は無いという。だが、自分が社会の中でどのような位置にいる
のか確認したくなるのもまた人間だ。自分の関わりの無い分野であれば、尊重
もやぶさかでは無いが、自分の関わる分野の中では、そこに上下を人は見てし
まう。上を見ては時に尊敬し、時に焦る。下を見ては、時に侮蔑し、もしくは
同情をしたりする。社会的地位がどうということではなく、仕事の内容として
そういう区別はしてしまうものだ。また、そうだからこそよりよくなろうとも
努力するのだろうが。
***
考えているとますます混乱してきた。やはり、今は論じるだけのものが僕の
内には無いようだ。まさに「大学ノートの片隅で論じている戯れ言」となって
しまったこと。ことに容赦願いたい。
(6/22)
1998年6月 20日 (土)
負けた。
サッカーである。ワールドカップ、対クロアチア戦。
スポーツ全般にはほとんど興味のない私だが、ついというか、きっちり最初
から最後まで見てしまった。城も中山もなかなか頑張って、シュートの機会も
多かったが、結局は一点入れられ「1−0」という結果。互角に戦っているよ
うに見えた分だけ、がっかり感は大きい。NHKで司会をしてたラモスは「やる
気が足りん!」と激怒していた。
しかし今回のワールドカップは実に不思議なことが多い。サポーターの若者
たちは、カメラの前で「君が代」を熱く合唱しているし、頬には日の丸貼り付
けているし、監督の「岡ちゃん」は日本人ばなれした決断力で、カズを帰国さ
せてしまうし……。
無邪気な愛国心、そして父性の固まりのように見える監督。だが、もちろん
そうした動きの背後にはしっかり「団結」という団体主義的ないつもの姿があ
る。
日本のサポーターはマナーがいいとフランスでは絶賛されているらしい。も
っともその直前にイギリスのサポーター(フーリガン)が、大暴れイギリス国
内でも「チームごと棄権して帰国せよ、国辱だ」と顰蹙を買っていたから、目
立っただけかもしれない。
基本的に僕はお祭りごとが大の苦手なので、冷ややかに眺めるとやはりサ
ポーターの「無邪気さ」ぶりが不思議に思える。スポーツだから単純でいいの
か。興を冷ますつもりは無いが、どうもナチスとベルリンオリンピックの関係
を思い出す。最近、新聞で、オリンピックと国際政治の密接な関わりに関する
記事を読んだからだろうか。
ともかく。
やはり次の試合、おそらく今年のワールドカップ最後の試合になるのだろう
から、一勝はして欲しい。
***
最近、掲示板の動きが活発である。僕も日記よりもあっちに書いている文字
数の方が多い気がする。もはやメインページも向こうに移動してしまったとい
うことか?? いやーーー。
(6/21 1:26)
1998年6月 19日 (金)
今日で、バイトを始めての第一週目が終る。思った以上に満足した一週間だ
った。変化にも慣れた。ここ一年ほど、まともとはほど遠い生活をしていたの
で不安ではあったが、意外にどうして、平気なものだった。もっとも顔色はま
だ悪いらしいが。後は日焼けでもするしかないか。
(6/20)
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