MORIVER'S SWEETEST DIARY (50) 更新日記 (50)

7月 1日(水) ギザに思いを/三浦被告/ズッコケ マル秘大作戦
7月 2日(木) 天気
7月 3日(金) 大審問官
7月 4日(土) ゴジラとガメラとエヴァ
7月 5日(日) こらが日本/選挙を知る/新聞データベース
7月 6日(月) 夜更かし
7月 7日(火) 眠い七夕



1998年7月 7日 (火)  朝8時すぎに目覚める。日曜の夜もあまり寝ていないので猛烈に眠い。  今は夜10時。まだ猛烈に眠い。みなさんおやすみなさい。 ***  そういえば七夕だ今日は。 (22:11)
1998年7月 6日 (月)  久々にドラクエ3の続きなぞやっていたら寝るのが4時すぎになった。 (7/7)
1998年7月 5日 (日)  五反田駅の近くの銀行の前で、段ボールにくるまったおっさんが下半身裸で 右足の先で左足をかきながら眠っていた。時刻は夜11時頃。これが日本だ。 ***  参議院の選挙が近い。しかし候補者にどんな人がいるのかも分からない。  しょうがないので今、ネットをさまよって選挙関係にニュースをさがしてい る。  まず、選挙方法についてだが、今回からは不在者投票が簡単にできるように なったのが特色らしい。公示後から選挙前日までというから、もうできるので あろうか。時間は当日も不在者投票も今までの夜6時から8時まで延長された。  このあたりは自治省内にある「参議院議員通常選挙」のページを参照。  さて、その肝心の選挙の争点だが。  政治的に問題になっているものは税の引き下げなど経済対策に集中している もののどれもぱっとしない。  「記者クラブ通信」のページに一応主な政党の主張が表にしてあるが、読ん でみても今一つぴんとこない。おそらく言っている側も明確な何かがあるとは 思っていないのでは無いだろうか。つまり、今の不景気を打開するための具体 的方策は誰にもよく分かっていない、ということだ。  内需拡大、すなわち皆が買い物するようになれば金が回って景気も上向くの ではなどとも言われるが、もはや視点からしてずれているように思える。  経済の高度成長を望むよりやはり生活レベルでの充実を図れるようにするの が先決な気がする。あれだけバブルで踊った時でさえも「物価が高く暮らしや すいとは言えない」と言われていたのだから。  脱線するが、アメリカのようなキャリア制を大幅に取り入れ、新入社員を教 育するよりも既に能力のある者を高給で雇う「契約」システムの方がよいので はというような記事を読んだことがある。結婚などで一時期会社を離れた女性 などの復帰も望める、という論旨だった。  しかしこうなると雇用形式だけではなく教育の問題にまで関わってくる。大 学も実学に近い場にならざるを得なくなるかもしれない。それとも資格スクー ルの需要が伸びるのか。いずれにせよ、生き方そのものの検討から始めないと いけない時代なのかもしれない。  話を戻そう。  投票は二種類たらなくてはいけない。個人と、政党の二つである。政党はあ らかじめ名簿を用意し、その政党に入った票の割合に従い、上から順に投票し てゆくというやり方だ。どこの地区から立候補したほうが有利、というような 問題がなくなる変わりに、個人に投票できないという不自由さもある。まして や政党ごとのスローガンがわかりにくいからはなはだ困る。  とはいえ個人ごとであってもよく分からない。顔写真つきでプロフィールを 載せていたのが、朝日新聞のこのページだ。  もっとも読んでもやはりぴんとこない。政党別に見てもとりあえずアントニ オ猪木はいないようだ。  とりあえずyahooで選挙系の面白い個人ページは無いかと探してみたが見当 たらない。やはり選挙で遊ぼうというのは難しいのか。生活かかっている人も いますしね。 ***  上の「記者クラブ通信」のリンク集にあって面白いなと思ったのが佐賀新聞 のデータベース。1994年からの全データを検索できるという。地方紙とは言え 全国紙ネタもあるわけで。こういうのは他の社もどんどん公開して欲しいもの である。 (7/6 2:27)
1998年7月 4日 (土)  暑さが半端ではない。36度いったときもあるという。体温じゃないか。 ***  夜に「ゴジラvsデストロイヤー」を見た。馬鹿にしていたのだが、思ったよ りかは面白い。しかし、あからさまなエイリアン2のパクリがあったり、デス トロイヤーの恰好が悪かったり、どうも話の流れがアクションとアクションを つなぐものだけという印象がぬぐえなかったりして、「よくできたB級」の域 を超えられない。自衛隊の新兵器が安っぽいのはいつものこととしても、やは り司令室の説得力の無い映像は悲しい。  それを見てからつい、「ガメラ2」を見直す。テンションや目指すべきとこ ろが違うな、と感じる。やはり特撮の技術に限界はあるが「絵」にはなってい る。脚本も、荒唐無稽な設定にリアリティを持たせることに心血を注いでいる さまがわかる。  それでも冒頭にいん石が落下するのを外国の観測所がチェックするシーン。 オペレーターの一人がメモをするのだが、その紙の上の方に「NASA」と書 いてある。これだけで「NASA」ということにさせるのだから、どうにも微 笑ましい。 ***  この手のSF映画の場合やはりポイントの一つは計器やコンピュータ画面の リアルさにあると思う。分かりやすさを優先させるあまり安っぽい画面が出て くるとやはり拍子抜けする。それを思うとエヴァンゲリオンは偉かった。だて にマックを駆使してはいない。  エヴァと言えば、23話と24話が発売されている。レンタルビデオにもある。 もっともまだ見ていない。みんなが忘れた頃見ようかとも思っている。かなり 作り直しがされているというから楽しみではある。 (7/5 2:20)
1998年7月 3日 (金)  仕事が終るのは6時30分なのだが、本屋に寄って立ち読みなんぞをしている とつい帰宅が遅くなる。  もう昨日のことだが、話に聞く「大審問官」を読んだ。ドストエフスキーが 書いた傑作ミステリー「カラマーゾフの兄弟」の中の挿話の一つだ。「大審問 官には考えさせられた」というような言葉をしばしば聞いていたのでかなり期 待ながら読んでみた。 ***  舞台は中世のヨーロッパ。魔女狩りなど、異端審問による処刑があいついで 行われていた時代だ。  そこに「キリスト」が姿を現す。彼はとにかく本物のキリストで、理由はよ く分からないがとにかく地上に様子を見にやってきて、目の前で奇跡を起こし てゆく。病気は治り、死人すらも生き返る。  熱狂的に迎える大衆を押しのけ、異端審問委員会はキリストをひっとらえる。  そして大審問官は、キリストを閉じ込め、彼に語り掛ける。  「おまえが本物かどうかは知らない。いやおそらく本物のなのだろう。だが、 おまえを処刑しなければいけない。  本当におまえは余計なことをしてくれた。おまえの始めた教えは人間の精神 の自由を説く。だが、おまえのその人間の愛しかたは、実にひどかった。おま えは悪魔に『本当におまえが神の子ならば、石をパンに変えるよう奇跡を起こ してみよ』尋ねられた時『神を試すことはしない。人はパンのみに生きるので はない』と答えたな。  おまえは奇跡を求めることを人の心から排除することで、人間の精神の自由 を説いたわけだが、おまえは間違っている。人は神を信じたいのではない、奇 跡を信じたいのだ。おまえは精紳の気高さを謳い、パンを求めて生きることを 否定したが、そんなことをできる人間がどれほどいるというのだ。  たしかにおまえの教えを実践した人々は何千人もいるだろう。だが、それ以 外の人々はおまえが考えているよりももっと弱く醜くあさましいものだ。彼ら はパンを求め、パンを与えてくれるものに従おうとする。精紳の自由は彼らに とって不幸なだけなのだ。  私もかつては修行によって神の道を目指そうとした。だが、それは無意味だ と悟った。もし、人々が精紳の自由を目指そうとするならばそれは苦しい道を たどるだけのものなのだ。その時から私は神ではなく悪魔に仕えることにした。  人々は知らないだろうが、すでにわれわれは神ではなく悪魔に仕えているの だ。ローマが神を説いた時から既にそうなのだ。われわれは、人々に『われわ れは神の道を示している。神を疑ってはいけない。従え。それが神の道なの だ』とあざむいている。おまえの教えを修正してそれを説いているのだ。  そのおかげで人々は、迷うことなく生きることができる。そしてまた、われ われは、パンを与える役割を担うことで何万もの多くの人々を救っているのだ。  こうしたわれられをおまえは本当に責めることができるというのか。おまえ は奇跡を起こすが、それによりわれわれの権威が侵されることで、大勢の人々 が精紳の自由という不安定なものになげだされ不幸になることを分かっている のか。  だから私はおまえを処刑しなければいけない。それがわれわれの役割なの だ」  キリストは何も答えない。そんな態度に大審問官は苛立つ。返事を求めてい たのだ。  そのかわり、キリストは立ち上がり大審問官の唇にキスをする。  とまどい、混乱する大審問官はキリストに向かって「出てゆけ。おまえとは もう会いたくない」と叫び、キリストは去ってゆく。 ***  これだけの話である。ぱっと読んだだけの記憶で書いているのでところどこ ろ間違っている部分もあると思うが概略はこんな感じだ。  これを読んだ時、僕自身は「その通りだよな」と素直に思った。僕は戸惑っ たりも驚きもしなかった。大審問官の言うことは分かる。人は誰かに従って生 きていたいという欲求がある。異教徒を容赦なく殺しまくることで、権威を確 立し、そのことによって大勢の人々の普通の生活が守られる。  人々がどうという以前に自分の中にそういう欲求があるのは認めざる得ない。  もっとも疑り深いのでなかなかそういう状況にはなれないのだが。 ***  「パーソナルリンク」に自分用にとちょっとだけ追加する。  シネマガイド便利コムの二つである。  前者は劇場チェック、後者は主に新聞のニュースチェックに使っている。  もう一つ後者系の総合リンク集としてはこんなのもある。こっちもなかなか 捨て難い。 (7/5)
1998年7月 2日 (木)  今日はいい天気。昼間、風呂に入ったら気持ちよかった。 (7/3 1:48)
1998年7月 1日 (水)  財布を開くと、ギザつきの十円玉があることに気づいた。製造年月日は昭和 29年。西暦1954年。44年前の硬貨である。  気になって他のコインも調べてみる。 ----------------------------------------------------------------------  五十円玉 S46年  十円玉 S29年 S46年 S48年(x2) S49年 S59年 S63年 H9年  五円玉 S52年 H5年 H7年  一円玉 S47年 S56年 S62年 H元年 ----------------------------------------------------------------------  やはり昭和29年というのが一際目立って見える。僕が生まれたのはS47年だ から、さらにさかのぼること18年。その時、父は12歳、母は9歳であった。  僕と父は同じ小学校を卒業している。校舎も戦前からの建物であったから、 文字どおり同じ所で子供時代を過ごしたことになる。小学校6年ぐらいであろ うか。一方母は富山のどこかの小学校にいたのであろう。当時の母の父、つま り僕の祖父は警察官で、仕事の都合で県内を移動してまわっていたらしい。そ のために何度も転校をしたと聞いている。母の他人への愛想のよさはそんなと ころでつちかったのかもしれない。  ゴジラで有名になった、ビキニ環礁沖の米軍の核実験により第五福竜丸が放 射能を浴びる事件もこの年の3月に起きたことだ。6月には自衛隊法ができ、防 衛庁が誕生している。ちなみに、朝鮮戦争はその前年に終戦協定を結んでいる。 一方で翌30年には核兵器廃絶を警告するラッセル・アインシュタイン宣言があ ったりする。きな臭い時代なのである。  その後日本は朝鮮特需にのった勢いもあって高度成長を続け、つい先だった ってのバブル崩壊までそれは続いていた。  考えてみれば、今も結構歴史的に見れば色々ある時代である。2年前には阪 神大震災とサリン事件がある。でも、それほど深くは関わらずに今を生きる。 両親もそうであったような気がする。  それでもクローンは実験に成功するし、インターネットで世界中はつながっ てしまうし、自衛隊は海外に行ってしまうし、共産主義はことごとく失敗した。 オウムに代表されるようなカルト集団は増える一方だし、援助交際という言葉 は流行語というにしてはしぶとく生き延びている。コカインやヘロインも、輸 入量が増え、円はどんどん安くなる。  明るい要素はあるのだろうか。あるとしたら技術の進歩によるコミュニケー ション手段の多様化、それと歩を合わせて進む、既成概念の瓦解と再編成とい ったところか。もっともこれは、諸刃の剣でもある。そもそも今までの価値観 が通じないのは経済的な裏付けがなくなったことによるわけで、それはそれで 「混乱」していることの証拠でもあるからだ。  面白い時代とも言えるし、大変な時代とも言える。見方によって変わるとい うことは、その見方を支える自分によって世界は変わってしまうと言うことだ。 自分は時代を楽しんでいるのか。いささか自信は無いが、いやでも何でも今に しかいられないのが事実だ。受け入れるしかない。その上でどうしたいか考え るしかない。答えは正直未だ定まらない。子供、なのである。 ***  ところでギザつき十円玉って将来プレミアがつく、って小さい頃聞いたけど 本当なのかな。 ***  ロス疑惑の三浦被告、逆転無罪。新聞社のサイトで知った。物的証拠が無く、 実行犯が特定できないのがやはり痛手であったようだ。真実は分からない。と りあえず聞きたいのはどうして、三浦氏はここ数年であんなに太ってしまった のかということだけだ。刑務所ってどういうところなんだろう。 ***  「ズッコケ マル秘大作戦」という本がある。児童書のベストセラー、ズッ コケ三人組シリーズの第三巻である。  この巻は強烈である。  シリーズの初期は昔、揃えていたのだがこの巻だけ紛失して久しかった。 数ヶ月前がまんできず本屋で買い直してしまい、読み返したのだが、あらため てすごいなと思った。  物語は、スキー初心者の小学校六年生三人が、スキー場で謎の美少女で出会 うシーンから始まる。さっそうと滑る彼女に救出される彼ら。ゴーグルを外し たその下の顔は超美形。  そんな彼女が、新学期、自分たちのクラスに転校してくる。「転校生とはそ の前に一度偶然に出会っている」という学園ものの王道のオープニングだが、 その後の展開はこれが子供の本かと思うほどシビアだ。  三人組は、スキー場での出会いの印象から彼女は金持ちのお嬢さんだと推察 する。女子に囲まれなかなか近づけない彼らだが、それぞれ帰り道や図書館で 彼女とわずかながら接触することができる。そして当然のように恋してしまう のである。  顔もよく愛想もよく、親は外国船の船長という彼女はクラスの人気者になる。 その上、遠足に行った先で川でおぼれた下級生を助けたことで、不動の地位を 確保してしまう。遠くなる彼女にあせりながらも、三人組の一人がついに思い を友人二人に告白。二人は黙って彼を応援することにする。  しかし、彼らは知ってしまう。彼女が実は金持ちでも何でもなく自分たちの 町にただ夜逃げして来ただけとのこと、そして、下級生を助けたこともお金を 与えてのヤラセであったということを。  と、まあここまで既にかなりシビアな物語であることは分かると思う。とに かく、この嘘を言い続けるヒロイン「真智子」は子供心にはかなり強烈だった。 いや、今読んでもこれは結構なハードボイルドワールドである。  ヤラセ事件はやがてクラスメイトにばれ、一転彼女は軽蔑の的になり、全員 に無視される存在になる。野次が飛ぶ中でも、冷静さを保ち続ける彼女。そん な彼女を見つめ続け、彼女がつく嘘を信じているふりをする主人公三人組。  切なく、そして重い。  この巻は、シリーズ全体から見ても不思議なぐらい地味である。推理ものや 冒険ものも多いが、やはり個人的に心ひかれるのはこういう「闇」な部分があ る所だ。  今度このシリーズの一つが夏に映画公開されるらしい。はっきり言って期待 していない。少年の冒険ものに仕立てる意図が宣伝から感じるからだ。ハカセ がパソコン使ってるって、そりゃ典型的な間違った設定だろう。いかにもすぎ て恥ずかしいぞ。それじゃ「おもいっきり探偵団」だ。  マニアックなシメですいません。 (7/2 1:42)

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