更新日記 (61)
1月 1日(金) 新年/「狂骨の夢」
1月 2日(土) ニューイヤーカード
1月 4日(月) こんな夢を見た
※このファイルから、書き方を変えます。上から順に読んでください。
1999年1月 1日 (金)
新年明けましておめでとうございます。
いよいよ1999年が始まります。幼い頃より慣れ親しんだあの「1999年」。
何かがあるような。何もないような。
もっとも、どんなとっぴなことでも実際におきてしまえばそれは、つまり現
実なわけで。
***
父親購入シリーズ、京極夏彦の「狂骨の夢」を読了。前二冊と比べると、イ
ンパクトが弱い。もっともこうやって3冊読むと書き手のスタイルというのが
明確になってくる。
あくまで想像だが、元となる民俗学的な資料・仮説を元に、それが現代(と
いっても戦後間も無い頃だが)へ続く因縁話を膨らませる。妖怪を選び、キー
ワードとなる「タイトル」を決める。盛り込みたい要素を検討しながら、登場
人物の関係を図にしながら、その性格をキーワードを中心に味付け。
本文を執筆してゆくのは、その設定書の上のキャラクターを、現実的な行動
として描く。そう考えると、しつこいまでの描写も作者が登場人物に感情移入
できるように練り上げてゆく過程と分かってくる。
ということで、そういう同じ事を微に入り細に入り描く個所はすっとばして
も構わないということになる。いささか自己弁護気味だが、そんな風に飛ばし
読みした。
***
以下、ネタバレの要約。
未読の人は見ないでください。
(文字の色を消しておくのでドラッグ反転するか、ソースで見て下さい)
骸骨の夢を見る人物たちがいる。しかも過度に性的な夢だ。
二重の記憶に悩む女性が教会を訪れる。彼女は骨の夢を見るだけではない。
夢の中で何度も殺人を犯したと告白する。
それを聞く、元精神科医で今はプロテスタントの教会に身を寄せる男。彼も
また骨の夢に悩まされていた。傍にいた教会の牧師はおののく。そして自分も
また同じような夢に悩まされたと元精神科医に告げた……。
一方、その近辺では謎の殺人事件がおこっていた。頭蓋骨が湖に浮かんでい
たというのだ。乗り出す刑事。同時に彼が気にしていたのは何年も前におきた、
カルト教団が起こしたらしい集団自殺。
そこに新たな殺人事件が起る。
被害者は作家。容疑者は妻。そう、その彼女こそは教会で元精神科医に告白
をしたあの女性だった……。
殺された作家の友人である売れない物書きは、前日その作家に妻の様子がお
かしいと相談を受けたばかりであった。物書きは、旧友である、博学にして神
主の血を引く古本屋の主人を頼る。そして彼らの共通の友人である刑事にも…
…。彼は、頭蓋骨の事件と共にまた「骨」と関わりがあることに驚く。
刑事は調査を始める。そこで、元精神科医と会う。そしてお互いが子供の頃
の友人であったことに気付く。
元精神科医は、自らの対応が間違っていたのかもしれない、と作家の死に強
い責任を感じていた。「憑き物落とし」を副業とする古本屋の主人は、関係者
の話を聞いて言う。「これら全ての事件はつながっている」、と。
***
容疑者である「妻」の奇妙な半生が明らかになる。
彼女の前の夫もまた殺されていた。どうも彼女はその夫殺しの容疑者である
愛人ともみあって川に転落、一度記憶を失っていた所を、先の作家に拾われた
らしいのである。
元精神科医は、彼女の夢は、本当は彼女自身が元夫殺しの真犯人であり、そ
のことを抑圧しているが故にそんな「妄想」を見たのではと考えていた。しか
し、彼女にはしっかりとアリバイがあったことが警察で証明されていた。
謎は少しづつ解明されてゆく。
刑事が関わっていた集団自殺した信者は全員、元々ある造り酒屋の使用人で
あったことが分かる。そして例の作家の妻もまたそこの使用人であった。彼の
夫も愛人とされた女も全てその酒屋で働いていた。
いったいその酒屋の人たちは何者であったのか。そして、作家殺しの犯人、
その妻の元夫殺しの本当の犯人は誰なのか。また、それぞれが抱える「骨の
夢」が意味するところは何なのか。古本屋の主人は、現場近くにある小さな寺
に一同を介し、「憑き物落とし」を開始した……。
***
祖母の家に行ったら、この年でお年玉を貰ってしまった。恐縮至極である。
(1/1 未明)
1999年1月 2日 (土)
今年から再び、積み木形式から日付順形式に日記のスタイルを改めます。
更新速度が遅くなり、まとめて読む人が増えた現状ではこちらの方がよいの
ではとの判断です。最初は違和感はあるかと思いますが、ご了承ください。
***
テレビ欄。午後10時代を見たら、日本テレビ・TBS・フジテレビの3局に
同時に西田敏行が出ていた。しかもTBSとフジは主役である。正月とは西田
敏行の時期なのか? 釣りバカ日誌の影響もあるのやも。
***
未だ本物の年賀状を書かず。画面合成でgif画像のニューイヤーカードは作
ってみた。こことここ。
***
今日一日寝正月。でも不満は無い。おせちに出てくるタコとカズノコがお気
に入りです。あと焼きブタも……かな。
(23:24)
1999年1月 4日 (月)
立て続けにおかしな夢を見た。
何度も目覚めるのである。
布団の中で目を覚まし、トイレに行く。そこで、気付く。
この状態。前もあったぞ、と。
すると布団の中で眠っていた自分に気付く。
あ、やっぱり夢だったのか。
と起き上がる。
途中、居間を通るのだが、そこにはなぜか田舎の祖父母が寝転がっている。
テレビでも見ている感じだ。
キッチンを抜け、トイレのドアに入る。
そして、あれ、と気付くのだ。
これはさっきもあったぞ。
キッチンに顔を出し、母親に「さっき、なんか同じようなこと聞かなかっ
た?」と言う。
母親は怪訝そうな顔をしている。
おかしい。
絶対これはおかしい。
夢だこれは。
と思うと、ベッドの中で気が付く。
やっぱり夢だった。
ため息をついて体を起こす。
なにかおかしい。あたまがぼうっとしてくる。
そうだ、メモに起きた時に何か書き記しておけばいいんだ。
そう気づき、電話用のメモに「正」の字を書こうとする。
また頭がぐわりとする。
そして目覚める。
記憶にある限り6度ほどこんなことが続いた。
もう大丈夫だろうと起き上がる。
居間の様子は変わっている。
父と母がいるだけだ。
やっと目が覚めたのか。テレビがついている。マラソンだ。感覚はリアルだ。
それにカラー。OK。
OK?
また靄がかかる。何なのか。
異次元空間に引きづり込まれる。
ぼんやりとした意識の中。
ベッドにうずくまっている。眠い。眠い。眠い。
いや、寝過ぎなのか?
おそらくここの部分は本当に目が覚めていたのだと思う。
証拠は無いが、それこそ本当に「次元」を感じたのだ。
しばらくぼうっとしていた。
特に起きなくてはいけない用事は今日は無かった。
それにこの夢の経験も貴重なものに思えた。また眠れば、この現実か夢か分
からない世界に戻れるのか。実験してみよう。再び布団の中に体を沈めた。単
にだらけたいという気持ちが、論理的な「嘘」を無意識に作成したのか、それ
は分からないが、ともあれ私は眠った。
そして3度は夢の中で目覚めた。
布団の中で。
現実に帰ってこれないんじゃないかと思ったような記憶は残っている。その
まま数時間私は寝ていたようだった。
***
夢の分析の一つもして欲しいものだと思えてくる。
しかしカウンセリングなり精神科なり行くと一時間ほどでも何千円も取られ
る。幸い日常生活には困らない現状である。こういうことは普通の人でもきっ
とあることだ。自分だけ特別だ、なんて思うことは無い。ちょっとぐらい夢の
領域が活発でもどうってことは無い。そういえば、この間読んだオウム信者へ
のインタビューの中でも、「子供の頃から白昼夢というか現実と同じ体験をす
る夢をよく見た」という話があった。実は私にも、現実なのか夢なのかいささ
か判断し難い記憶が幾つもある。大丈夫。誰でもそうだ。個人差はあるかもし
れないが十分「普通」の範囲だ。
そう言い聞かせて今夜も眠る。
スペクタクルな感動巨編の夢を所望する。
おやすみなさい。
(1/5 1:23)
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