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更新日記 (70)

4月 24日(金) Card Wirthの紹介




1999年4月 24日 (金)  試験が5月9日にある。  にも関わらず、密かに未だ、ネットには接続していたりする。メールチェッ クをしてすぐに落ちればいいものの、ついYahoo Newsなどを読んでしまったり している。  我が家では毎日新聞をとっているので、Yahoo Newsの一般ニュースには興味 が無い。Yahoo の元ネタ記事は主に毎日新聞だからだ。最近はどこの検索エン ジンもニュースの提供をしているが、大体元ネタはどこかの新聞からのもの だ。最近そういうサービスの共有というのが多くなった気がする。で、大体そ の中でエンターテイメントとコンピュータとコラムのところばかり見ている。  そのYahooであるが。YahooにはYahoo Downloadというサービスがある。これ もオンラインソフトで有名なVectorの情報提供によるものだ。ただYahoo版は 文字ばかりで画像が無い分だけ動作が軽いという特徴もある。  何かオンラインゲームで面白いものは無いだろうか、考えがさらに、やばい 方向性にむいた時、RPGのカテゴリの中に「Card Wirth」というサブカテゴリ を見つけた。  既に、30以上のソフトがある。  どうもRPGソフトであるらしい。しかし、タイトルだけではどういうものか 分からない。  ということで、Yahooの検索で「Card Wirth」を調べてみる。  するとgooのサービスの方に回った。Yahooでは、自分のサイトに検索語が無 いと自動的にgooのデータを使って、検索をしてしまうのである。ここでも、 また相乗り。  なんだかなあと思いつつ、検索結果を見てみると、どうもこのCard Wirhtを 作っているのはASKという団体らしいことが分かる。フリーウェアで、しかも シナリオ作成も比較的簡単にできるものであるらしい。ユーザーのページへの リンクもある。 ***  ユーザーのページを幾つかまわる。個人ページのリンク集というのは、なか なかこういう時面白い。たどっていくうちに、そのジャンルの広がり具合とい うのが分かってくる。  どうもこのCard Wirthに参加している人というのはかなりの数になってきて いるらしい。幾つもの、この手の「自作シナリオができるRPG」というソフト をネット上で見てきたが、ほぼ毎日のように、新作シナリオが他人によっって 増えているという現状は知らない。  また、お勧めシナリオを紹介しているページも幾つかあった。関わっている 人ものめりこんでいる様子が伺える。  ということで、さっそくダウンロードして見る。ほぼ2メガ弱だ。  ダウンロードはそのASKのホームページでもできるが、一応Yahoo Download から行ってみる。スタートセットという奴で、とりあえずゲームができるらし い。ほかにもシナリオ制作ができる「エディターズセット」や、細かい設定が できる「ユーティリティ」というのもある。  スタートセットはLZHファイルなので、解凍しないといけない。  私は解凍ソフトは「Lhasa」と「LHmelt」を普段使っている。  もっともLHmeltは解凍用というより圧縮するために使う。設定によってちゃ んと変えられるのだが、内部にフォルダーがあっても無視して解凍してしまう ことがあるので面倒だ。大体解凍する時はデスクトップ上に行うのだが、その 設定を間違えるとデスクトップ上に数十ものファイルが広がりすごいことにな ってしまう。  素直にLhasaのアイコンの上にスタートセットの圧縮ファイルをドロップし て解凍。  中にはReadmeのテキスト文章と本体のexeファイル、それと説明用のhlpファ イルなどが入っている。ほかにもyado、scinarioなどのフォルダーもある。  説明書きを読むと、これはウィンドウズのレジストリを書き換えることなく 動作するソフトとのこと。どういうことかというと、インストールやアンイン ストールといった作業をする必要が無いということ。つまり本体のファイルを 勝手に移動しても動作するということでこれはなかなか便利である。   ***  exeファイルを早速起動してみる。  画面もきれい、しかもカードゲームを意識した作りになっており、カードが 音と共にくるくる回ったりするのもなかなかいい。  まず、最初に「宿」の設定というのをしなくてはいけない。「宿」ごとに、 使えるキャラクターを設定できる。よく分からないがとにかく名前を適当につ けると「冒険者の宿」という画面になる。  主人らしきオヤジと、若い娘がいる。定番の構図だ。  この時点ではキャラはいないので、作らないといけない。  基本的に6人のキャラを作る必要があるようだ。「登録する」というカード をクリック。  このCard Wirthというのは、とことん数値をいうのを隠すというのがコンセ プトらしく、キャラを作った時も数値はでない。その代わり「性格」というの を設定する項目がある。性別と年齢の若さを設定した後、ずらっと性格リスト が出てくる。「まじめ」だとか「愛に生きる」とか「下品」「上品」とかなか なか壮観だ。設定してもしなくてもいいそうだが、調子にのっていろいろ決め る。これも内部で何か処理をしているのだろう。  そして、キャラクターをそろえる。「宿帳を見る」を押すと作ったキャラク タが出てくるのでそろえてやる。  すると画面の右上に「貼紙を見る」という項目が出てくる。ここを見ること でシナリオを選択できるようになっているわけだ。 ***  スタートセットには二つのシナリオがある「ゴブリンの洞窟」と「交易都市 リューン」の二つだ。もっとも後者は冒険シナリオというより、ただアイテム を買うことができるというだけのもの。こうしたお店の追加などもシナリオと いう形で追加できるというシステムもすごい。実際、ユーザーが作ったシナリ オにもこうした「店」「銀行」というものが幾つもある。  ちなみにシナリオの追加というのも、基本的に解凍したフォルダーを(日本 語名でタイトルが書いてあるのですぐ分かる)を、scinarioのフォルダーの中 にコピーすればそれでおしまい。  立ち上げると、貼り紙の中にそのシナリオが追加されている。うーむ。簡単 すぎる。   ***  で、とにかくそのゴブリンの洞窟をする。  まあ簡単にできるだろう、とも思いつつ。  実際には戦闘システムがなかなかつかめず苦労した。  まず、進行はカードを押すことで進む。つまり、カードという形式でボタン 類が統一されているのである。背景画像とこのカード、そしてメッセージボッ クスを組み合わせることで、シンプルにさまざまなシチュエーションを演出で きるということだ。  素人がいきなりシナリオをつくってもそこそこのものがすぐにできる秘密は ここにあるのだろう、と検討をつける。  そしてこれが「テーブルトークRPG」を意識して作ったと製作者が述べて いる意味も理解できた。  テーブルトークRPGとは、ボードゲームの一種のようなもので、ゲームマ スターという人が、プレイヤー以外の全ての情報の管理を行う。「今きみたち はどこどこにいる」「**というような人がいる」「敵の攻撃が**に命中し た」などなどを口や紙、人形などで説明する。人間同士のやりとりなので、柔 軟な対応ができるのが魅力なのだが、逆に言うとマスターによって、面白い面 白く無いの差が大きくなる。  しかし、差が出ない部分もある。それが戦闘だ。  ゲームマスターは当然ながらゲームのシナリオも自作しないといけないのだ が、この時、どうやって戦闘を配置するかで面白さが変わると言っても過言で はない。戦闘は簡単にプレイヤーを楽しませる。しかし多用はできない。戦う 理由づけが無いといけないからだ。  そこでテーブルトークRPGでは自作シナリオを作るためのノウハウという のがある程度あるのである。簡単に言うと、「地図を書く」「敵を設定する」 「敵を倒す動機を設定する」の3つの作業をするのである。  最後の動機というのが重要で、これも「探索」「退治」「調査」と相場は大 体決まっている。探索というのはいわゆる「なにかをアイテムを持ってくる」 退治というのは「ボスを倒す」、調査というのは「調べて欲しい」という依頼 で大体が「巻き込まれてさらなる事件と出会う」という風になる。  と、以上のようなノウハウを知っていると、このCrad Wirthでのシナリオを 作るのも簡単だ。そしてこのノウハウをうまく利用したつくりになっているの だ。 ***  話を「ゴブリンの洞窟」に戻す。  見張りが最初にいるので、まずこれと戦闘することになる。  相手は一匹なのでさほど難しくない。  左下に「戦闘開始」というボタンがあるので押してみる。すると勝手にキャ ラクターは攻撃をする。簡単だ。  もっとも、後で気づくのだが、このランダムで適当に戦闘するのはちょっと 危険なこともある。  本当は、まず「キャラクター」のカードを押すところから始まる。  すると5枚ほどのカードが並べられている。「攻撃」「防御」「渾身の一 撃」などなど。しかもカードがだぶっている。つまり、いろいろな選択肢が そのキャラごとにあるとしても(後述するように、カードを買うことで、魔法 や特殊技術が使える)、その場で選択できるのはこのカードの中だけなのであ る。かなり行動の幅が狭まるがゲーム性は高い。また、何をしたらいいのかも わかりやすい。  ということで勢い込んで中に入る。  すると、なんとマップの移動もカード。  背景画像に洞窟の地図があり、「北へ行く」「東へ行く」というカードがあ る。つまり、これは通常のマップ移動型のドラクエなどとも違う。アドベンチ ャーゲーム的手法である。  そして、時々、音楽の変化とともに物語の進行がされる。この辺りはかなり サウンドノベルっぽい。実際、戦闘シーンを入れなければそのままサウンドノ ベル的なこともできそうだ。  これは通常のマップを自由に動けるタイプのものより選択肢の数は限られて くる分、自由度は低く感じられるかもしれない。しかし、プレイする方の意識 として、実は3択以上の選択肢というのはかえってややこしいだけなのであ る。したがって実際には、自由に動き回れるようでいて、そのむかうべき方向 性というのはせいぜい3つ、十字路的思考以上のものは作らないのが一般的 だ。  このシナリオの場合単純な退治ものなので、親玉を倒して買えればそれでお しまい。経験値というのも無く、単純にこなしたシナリオによって一応クーポ ンという制度で、レベルがあがってゆくシステムになっている。キャラクター のステータスは、右クリックで見れるがクリアしたシナリオや倒したモンス ターの名などがそこに記されている。  金を使うことで、前述のように、追加されたシナリオで技術や魔法を勝手ゆ ける。それによって行動の幅も少しづつアップできる。このカードを誰が持つ かによって、キャラの差がつくようにもなっている。明確な、「職業」という のは無いので、カードを持つ人の差によってまあ大体個人個人想像してくれと ということなのだろう。もっともカードの交換は簡単にできてしまうというの がある意味、「個性」と考えにくい部分ではあるのだが……。 ***  とまあ、長々と書きましたが、現在大作化してゆくRPGの中で、遊びやすさ と参加しやすさを両方備えたこのシステムは多いに期待大。  私も、まだあんまりやっていないので、なんとも言えませんがはまりそうな 気配です。  一つのシナリオクリアに大体30分から1時間程度とみつもってよいのでは と思います。不満と言えば、一度クリアしたシナリオは「済」マークがついて しまうことぐらいでしょうか。  まあ「宿」を別にして、キャラを別に作り直せば遊べますし、また前述の ユーティリティソフトで済マークを消したりもできるそうです。単純にシナリ オをインストールし直すという手もあるそうですが、試していないのでわかり ません。基本的にはつぎつぎにシナリオをやり倒すというのがスタイルなので しょう。  シナリオのファイルはだいたい500k前後のものが多いです。それ未満だ とミニシナリオ、長いものではも1Mを超すことはあまり無いようです。この あたりのシナリオの短さも、「RPGツクール」などとは違うところ。RPGツクー ルとくらべて「物語志向」が強いあたりも、創作意欲を沸かせる部分です。  個人的予想としてはこれから本格的にブレイクするのではとも。  もっとも完全フリーウェアのこのゲーム。いったいGroup ASKの人たちはこ れで採算がとれているのでしょうか。一応シナリオは作成者自身が有料配布し てもよいということになっているようですが。  システム的な影響は、「ソードワールドRPG」「GURPS」「マジック・ザ・ギ ャザリング」あたりのものが大きいようです。はっきり言って、一部では有名 な流行ゲームばかりです。その王道さ加減がよいのかもしれません。とにかく やってみてください。 ■参考リンク ・Yahoo DownLoad/RPG/CardWirth  さくっとここからダウンロードしましょう。ファイルの大きさも書いてあり  ます。 ・goup ASKホームページ  ここからもダウンロードできます。ゲームをするだけならスタートパック  と、ASKさん自身が作ったシナリオをとりあえず幾つかダウンロードしてお  けばOKでしょう。 ・Adventure's GUILD  ASKさんが管理している投稿用シナリオの紹介ページ。「レベル別」のペー  ジが全投稿作品の一覧表になっているので、低レベルの作品からがんがんダ  ウンロードしてしまいましょう。  ちなみに一度クリアしたゲームはそのままフォルダーごとごみ箱に捨ててし  まえば、ハードディスクにも負担がかかりません。 ・好き好き! Card Wirth  投稿シナリオについての感想や、おすすめシナリオが紹介されてます。迷っ  たら参考にするとよいかもしれません。  この手のファンページは幾つかあるので、さらにさがせば「はずれシナリ  オ」はやらずに済むかも……? (10:12)

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