更新日記 (81)
8月 1日(日) 8月/トゥルーライズ
8月 2日(月) アルマゲドン
8月 3日(火) 夢を見る
1999年8月 1日 (日)
かくて1999年7の月が終わった。
ハイジャックが今月最大の悲劇だった。アンゴルモアの大王さまは来なかっ
た。
しかし安心するのはまだ早い。
8月もしくは9月であるとする説もあるのだ。暦の計算方法の違いらしい。
詳しくは知らないが、もう少し世紀末は楽しめるということだ。
参考までに述べますと、ノストラダムス系のページはどれも極度に理屈ぽく
って胃が痛くなるのでよほどの物好き以外は読まない方がよいです。
***
ジヲ同盟掲示板では少し触れたが、サイト運営にちょっとかかわる事件があ
って、ページの作り方に少し疑問を持つようになった。
中身のあるコンテンツならば、見かけは質素でもかまわないのではないか、
と思っていたのだが、最近中身も質素を通り越して貧相になってきたので、ち
ょっと外見も奇麗にしておいた方がよいのではないかと考えをあらため始めて
いる。
画像系には全く興味が無かったのだが、ちょこちょこと関連書籍なども読み
始めているし、これでも一応フォトショップなど使えたりもする。しかし、
ページをしっかりつくりすぎると更新が今度は面倒になるという問題がある。
やはりここは手抜きをするためにも、ページ制作ソフトでも学ぼうかとも思
い始める今日この頃である。
***
久々にジェームズ・キャメロン監督の「トゥルーライズ」を見る。タイタニ
ックよりも私は買っている。シュワルツネッガー主演のスパイアクション・コ
メディである。「さえないサラリーマンだと思っていたら実はパパは腕利きス
パイだった」という展開が個人的には好きだ。パパがハリヤー(垂直離着陸可
能なジェット戦闘機)に乗って突然、救いに来てくれるというシーンなど、や
はり笑うしかないと思う。キャメロンはこの映画で未曾有の百億円という金を
かけた。そして回収した。偉い。本当に。
(6/2 3:54)
1999年8月 2日 (月)
夜も11時頃になって、急に上の妹(当年25歳)が、激怒の声をあげた。
「自転車がない!!」
歩いて20分ほどの所にレンタルビデオ屋に行こうと思ったら、自転車が無い
ことに気づいたという。犯人は下も妹(当年19歳)しかいない。彼女は今、女
5人組でどこぞで飲んでいる。
家の電話でかけても出ないので、上の妹は普段は絶対にやらない行為に及ん
だ。自分の携帯電話で呼び出したのだ。ちなみに上の妹の先月の通話料は750
円だ。
ひとしきり文句の声をあげた後、矛先が私に変った。
遠くて暗くて嫌だから私についてこいというのだ。
あいにくそんなお人好しでは無い。
けれども、悪人でも無いので缶ジュース一本で手を打ってやることにする。
まったく馬鹿馬鹿しい話、ではあるが。
***
馬鹿馬鹿しさはさらに続く。
なぜか調子にのって、彼女は「アルマゲドン」を借りて来たのだ。まず私が
一人でビデオ屋に行ったらまず借りてこない作品だ。大体、上の妹とは、映画
や本のほとんどの趣味が合わない。
新作なので、明日返さなくてはいけない。
ものは試しということで、一緒に見てみたが、何度あくびが出たことか。
物語は単純で、テキサス風な油田掘りの男(ブルース・ウィリス)が、地球
に接近してくる巨大隕石を破壊するため、新型スペースシャトルに乗って宇宙
で奮闘するというもの。
全てが強引に進む。ストーリーもキャラクターも深みのなさはびっくりする
ほどで、「小学生がテスト用紙の裏に鉛筆で落書きした」程度の代物だ。
これで感動して泣いたという話を時々聞くが、あえて私は断言する。
こんなんで泣いた人は頭が猛烈に悪すぎる。
生きるための大事な何かを失っているとしか言いようがない。
ネタをばらせば、ブルース・ウィリスは最後、娘と娘の恋人と人類を救うた
めに自分を犠牲にして隕石を爆破する。なにやら感動的な音楽が流れ、涙を長
すので、もらい泣きしそうになることも分からないではない。
けれども、この全編馬鹿でしょうがない物語全体の端々で疑問符が沸き上が
りまくる。
一応これは述べておくが、演出方法や特撮などはそれなりにしっかりしてお
り、見世物としてのレベルはそれなりに高い。もっともっと話も演出もおかし
い物語は大勢あるし、そういう意味ではスタッフ全体の技術は評価できる。
映画の背景思想が気に入らない。
・深く考えない強引さが最高の解決方法
・手前勝手な自己犠牲
・その結果得られる英雄性
コメディならいい。実際そうなのかな、と思う部分もあるが、全体のテイス
トはやはり「感動路線」なのである。
上のことはもちろん「そういう場合もある」だろう。だが、それはとてもと
ても危険なことだ。地球を救うヒーローになるという英雄性の物語は、当然な
りうるとは思うが、この単純さは「スター・ゲイト」以上。
うじうじ考えてはトンチンカンなことをしているインテリ野郎をつきとば
し、ごり押しで物事を進める快感というのは存在しても、その過程が極度に嘘
くさくてはため息が出る。私自身がタイプ的にはうじうじインテリ野郎きどり
であるから感情的になることは認める。だが、この話のおかしさは受け入れた
くない。
細かいことを言えば「スペース・シャトルの動きがおかしい」「都合よく、
人が死んだり、物がは破壊されたりされなかったりしているのがまる分かりす
ぎる」「パリは壊滅しても、アメリカ国民が助かったからラストは大ハッピー
エンドでOKとはどういうこと?」「油田で銃を撃つな」「台詞だけで説明す
るな」……。
過去の映画のシーンのパロディというかオマージュというか似たような場面
が沢山ある。技術レベルが高いだけにどうも全体の違和感も強くなる。
まあ、見たい人は見てください。でも泣かないでください。
それだけです。
(8/4)
1999年8月 3日 (火)
夢を見た。
イメージの方が大きすぎて文章にはうまく書けないが、ほとんどのシーンで
海に埋没した町のイメージがつきまとっていた。そして、白い太陽の光。
岩陰のむこうに隠れる何かの生物。
直立してゆくバス型のオフィス。水と町。
繰り返される同一シーン。だが少しづつ細部は変化してゆく。
何かが生まれてくるような期待と、何かが静かに滅びてゆく感覚。
あっけらかんと明るいイメージの一方で、沈殿して見えなくなってゆく物を
見守る、その寂しさ。バスの中で見た錆ついた金属。
長い夢だったと覚えている。こんなに長く、また起きてからも鮮明に感覚を
記憶しているのは久々だった。
眠ることは人生の無駄だという人もいる。
しかし夢を見れることそ人生の最大の幸福な気もする。心地よい眠りと、夢
の世界を得るために生きてみるのもいいのかもしれない、とふと思った。
(8/4 1:04)
戻る