一から始めるエヴァンゲリオン
一から始めるエヴァンゲリオン
(最終更新98年5月25日)
テレビで、雑誌で時折見かける「エヴァンゲリオン」の名。
アニメだということは知っている。
一部のマニアにウケているということも知っている。
でも、なにをそんなにみんな騒いでいるの?
少し、気になる……。
そんなあなたに送るのが、この「一から始めるエヴァンゲリオン」。
エヴァンゲリオンという作品の概略。
鑑賞手段、方法。
そして、さらに広がるインターネット上でのディープな活動の数々。
それらを一気に簡潔に紹介してゆきます。
目次
[1-0]EVAを知る
[1-1]概要
[1-2]魅力
[1-3]社会現象
[2-0]EVAを見る
[2-1]ビデオは未完
[2-2]21話以降の話を知る
[2-3]マンガ版を見る
[2-4]再放送を録画する
[2-5]お勧め鑑賞法
[3-0]EVAを解明する
[3-1]解明を諦める
[3-2]関連本を読む
[4-0]EVAでインターネットする
[4-1]概要
[4-2]分類
[4-3]EVA小説
[4-4]その他
[5-0]EVAを語る
[5-1]EVAブームの謎
[5-2]EVAを取り巻く環境
[5-3]結語
[6-0]リンク
[6-1]総合EVAリンク
[6-2]公式サイト
[6-3]伝言板
[6-4]放送データ
[6-5]EVA小説
[6-6]心理学的考察ページ
[1-0]EVAを知る
[1-1]概要
1995年10月から96年3月までテレビ東京系列五局で放映されたアニメ作品。
一話30分。全26話。
近未来を舞台に14歳の少年少女がパイロットとして、人類の敵「使徒」と戦う一種のロボットアニメとしてスタート。
しかし、後半、主人公の少年を初め主要登場人物の多くがトラウマ(心の傷)を抱えていることが明らかになってゆくにつれ、物語は混迷、かつ悲壮感を漂わせ始める。
制作スケジュールの逼迫等の都合もあわさり、ついに最終回は、見知らぬ体育館の中、主人公の葛藤を登場人物達が問いつめるという内面劇に終始される。その是非を巡り視聴者間で激しい物議が醸し出された。
番組終了後、制作会社であるガイナックスは、心理劇と化した最終二話を通常の物語として作り直し、97年3月に劇場公開することを発表。
だが、総監督のこだわりにより物語はさらに延長。3月公開の映画は総集編60分、新作部分30分という変則的な公開に終わり、物語の決着を望んでいた人々から非難の声が再燃された。
最終話「THE END OF EVANGELION air/まごころを君に」は97年7月19日より東映系劇場で公開されました。詳しくは「DEEP EVA」の方へ
[1-2]魅力
(1)SF的小道具と日常風景とのミスマッチ。
(2)過剰なまでに使用される軍事・オカルト・生物学・心理学等の専門用語。
(3)複雑な構成を持つ物語の背景と人間関係。
(4)古今東西の映画・アニメ・マンガ・小説等に対する剽窃ぎりぎりのオマージュ。
(5)極太な明朝体、旧字体の字幕を多用した画面構成。
(6)極端なアングルやサブリミナル効果を狙った激しいカットつなぎ。
(7)そして、なにより劇場アニメ並の高度な作画レベル。
以上から、少なくともテレビアニメとしては90年代最高の作品と、ファンの評価も高い。
(それだけに、決着のつかない物語に苛立つ者も多い)
※夏映画によって一応の完結を見るも、謎の一部は手がかりだけを残し謎のままに終わった。(10/2)
[1-3]社会現象
父を憎み自閉症気味だが、家庭的な主人公の少年「碇シンジ」、司令(シンジの父)に献身的に尽くす無口な謎のショートカット美少女「綾波レイ」、物語の最後まで精神崩壊から回復されなかった勝気な天才美少女「惣流・アスカ・ラングレー」等、類を見ない造形の登場人物達に人気が集中。それら人物が表紙を飾るだけで雑誌の部数が倍増するとの現象を巻き起こす。
番組終了後、特に最終二話の心理劇を巡ってサブ・カルチャー系の雑誌で大きく取り上げられ、アニメファン以外にもその名が広く知られるようになる。
また、その心理劇の様子が社会的に問題となっている「自己開発セミナー」の様子に酷似しているとの批判が一部の新聞・雑誌で記事となり話題を呼ぶ。
その後の映画前売り券発売日には、初回発売限定特典のテレホンカードを目当てに前夜から行列が生まれ、「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」以来のアニメブーム再来、とテレビニュースで大きく報道。認知度が一気に高まり現在に至る。
[2-0]EVAを見る
[2-1]ビデオは未完
ビデオカセット、LDの形で販売中。レンタルビデオ屋にても貸し出しされている。
ただし、98年5月現在、11巻(22話)までしか発売されておらず未完。最終2話を含めた残り6話は、放映当時のスケジュールの関係上スタッフの満足のゆく形にできなかった、とのことで作り直しが現在進行中。
その12巻以降(23話〜26話)は作り直しの上発売予定。その際に、最終2話はテレビ放映版も同時収録と発表されている。DVD版も発売中。
※発売日時についてはGAINAX OFFICIAL NEWS参照のこと
[2-2]23話以降の話を知る
残り4話の物語の内容は、以下のガイナックス公式商品により知ることができる。全国本屋で入手可能。
・「新世紀エヴァンゲリオンフィルムブック」
(全9巻・各税抜き544円)
全話全シーンを完全収録。編集者の独断が多いが、作中の謎や設定についての解説も細かく記されている。スタッフ用設定資料集も巻末に附記。
※映画版「DEATH」「Air」「まごころを、君に」も発売中。税抜き600円。
・「EVANGELION ORIGINAL」
(全3巻・各税抜き951円)
オリジナル脚本。こちらは演出ノートや本編作品との相違点を記述。
[2-3]マンガ版を見る
また、テレビアニメの人物デザインを担当した貞本義行により、マンガ版が角川書店より発売中。98年5月現在、4巻まで既刊。1〜3巻 税抜き544円。4巻 税抜き540円
絵柄も話の筋もアニメ版と同じだが、主人公の微妙な設定の違い・モノローグの多用等から、より一層感情移入のしやすい物語であるとして別種の人気を勝ち得ている。現在「月刊少年エース」にて連載中。
[2-4]再放送を録画する
その他、地方においては本放送・再放送をも含め現在放映中の局もあるので、21話以降放映の際には是非ビデオ録画することをお勧めする。
(※なお、有償による録画ビデオの貸し出し・ダビング等は著作権法に違反するおそれがあります。ご注意ください)
[2-5]お勧め鑑賞法
アニメに興味の無い人は26話という長さと、未完であるという事情から、視聴に抵抗を感じるかもしれない。その為、まず6話まで(正味2時間半程)を一気に見ることをお勧めする。エヴァンゲリオンという物語の元型はそこで一度集約されている。
また個人的に他人にエヴァンゲリオンを薦めるにあたっては、マンガ版を見せるのが良いかもしれない。けだし、既刊3巻はアニメ版の6話までに対応しており、単体の作品として楽しむことができるからである。
[3-0]EVAを解明する
[3-1]解明を諦める
エヴァンゲリオンは、当初の予定を変更してまで意表をついた展開を繰り返したため、所々に矛盾を起こしており、その物語の設定を完全に理解することはまず不可能である。この辺りの事情は以前話題になった米国の連続ドラマ「ツイン・ピークス」と同じである。
また、専門用語の多くは本来の意味とは少し離れ、エヴァンゲリオン独自の用い方をしており、作中で読みとれる設定以上の意味はあまり無い場合が多い。
[3-2]関連本を読む
しかし、その用語等の頻出度は尋常ではなく、かつ、意図的に説明不足にして視聴者の興味を煽っているのも事実である。それらについては、本屋にてフィルムブックや種々の解説本を入手することである程度は解消される。
以下に定評のある関連書籍をあげる。
・「新世紀エヴァンゲリオン完全攻略読本」
(三一書房・税抜き1000円)
テレビ版を全部見た人向け。
状況証拠から想像を膨らませ独断的かつ、深読みしすぎのきらいはあるが、一つの回答を示してくれてはいる。学術用語についての言及は少なく、むしろ作品をとりまいていた制作状況に詳しい。
・「スキゾ・エヴァンゲリオン」/「パラノ・エヴァンゲリオン」
(太田出版・各税抜き800円)
監督及びスタッフに対する上下二巻に渡るロングインタビュー本。
エヴァンゲリオンが「ガイナックス」という特殊な会社によって生まれたと作品であることが分かる。その母体はプロとは離れたアマチュアの自主アニメ制作集団であり、それが為、監督庵野秀明は自身の個性を前面に押し出した作品づくりができたという。
作品は庵野監督のプライベートフィルムであるという視点から、その意図する所が赤裸々に語られる。物語自体の謎は結局明かされないが、作品世界に通底する思考原理は理解できるようになる。作品と作り手は別物であると信じる人はともかく、エヴァを理解できずに苛立っている人にはお勧め。
・「NEWTYPE 100% COLLECTION 新世紀エヴァンゲリオン」
(角川書店・税抜き1456円)
膨大な設定資料集と雑誌等に掲載されたフィルム絵の集大成。フィルムブックと重複した内容も多いが、番組開始前に作成された「企画書」も掲載されており資料価値は非常に高い。エヴァの世界を素直にじっくり味わいたい人には必携。
[4-0]EVAでインターネットする
[4-1]概要
製作会社ガイナックスは、パソコン通信(NIFTY)にフォーラムを設けたり、ホームページで画像情報を提供するなどファン活動のバックアップをし続けている。
特に、WWW上では放送後まもなくからエヴァンゲリオンの名を関するページが次々に立ち上がり、現在では300以上のサイトが確認されている。(1997年7月7日現在、2000以上という説もある。確認中)
[4-2]分類
エヴァンゲリオンという作品の特殊性か、そのインターネット上の活動内容もかなり多岐に渡っている。
大別すると、
・放送データ収録
・作中の謎に関する考察
・エヴァの設定に基づいた小説
・イラスト
に分類することができる。
(実際には一つのページに以上の要素が混在し、完全に判別することは難しい)
[4-3]EVA小説
その中でも小説群は、特に活動が盛んであり、かつ、その内容も非常に多様化している。しかも、そこには明らかにエヴァ特有のジャンルが二つある。
一つは、「最終二話補完小説」と呼ばれる部類である。
心理劇化した最終二話(25話、26話)を自らの手で通常の物語形式に書きあらためるという試みである。その動機の主なるものは、「主人公のシンジの心理的葛藤だけが解決されて、精神崩壊したアスカが救済されないのは不満だ」という所に集約される。実際、「補完小説」作者にはアスカファンが多いのが特徴になっている。
またこの形式は、同時に作中の謎をも一気に解決させようという試みも兼ねている。成功しているかどうかは、各人によって確かめるしか無いが、筆力が高い人ほど挑戦する傾向が強い。
二つ目は、「学園エヴァ小説」と呼ばれる一群である。
最終回の終わり近く、主人公のシンジは突然、作品世界とは別の穏やかな学校生活を送る世界で「目覚める」。そこでは、アスカはシンジの幼なじみでシンジにほのかな恋心を感じている。綾波レイは二人のいる学校に来た転校生。性格も明るくおしゃべりで毒舌家。
作中では、結局これはシンジの見た一種の空想の世界、として説明されているが、多くの視聴者は監督の意図に反しこれを「新しい設定」として受け入れることを望んだ。かくして、エヴァの登場人物を学園ドラマに置き換えて描く、「学園エヴァ」というジャンルが確固として確立することになった。
もちろんそれ以外にも、通常のアニメファンが行うような、本編完全小説化や、登場人物の立場を入れ替えたり、他の作品世界と交錯させたりするパロディ小説も多く登場しており、現在、エヴァ小説はyahooの検索リストの中で一ジャンルとして認識されるまでの広がりを見せるようになっている。
[4-4]その他
小説の他、エヴァのその衒学趣向に影響され、その方面に詳しい方々によるかなり高度な考証や、議論が巻き起こっている。エヴァはその本編以外の活動をも知ることによって一層深く味わう事ができる作品であると言えよう。
[5-0]EVAを語る
[5-1]EVAブームの謎
エヴァンゲリオンという作品を見ると、必ず誰かに何かを語りたくなってくる。それは、エヴァという作品そのものに関する感想であると同時に、しばしば自分自身についての間接的なメッセージとなって他人に響くからまた怖い。
それは一体どうしてなのか。意図的に人の感情を刺激するような画面や設定、謎が仕組まれているからだと説明する事は簡単である。しかし、私はこう思いたい。この作品には監督を筆頭にスタッフ一同による異常なまでのこだわりと思い入れ、すなわち「情熱」がそそぎこまれているからだ、と。
[5-2]EVAを取り巻く環境
実際アニメーションは現在において多大な経済効果と影響力を与える存在となったのに反し、決して創作活動の自由度という点では恵まれた環境にはない。
巨匠手塚治虫は日本で初めて「鉄腕アトム」というアニメ作品をテレビ放映する際、他のテレビドラマなどに対抗するために、極度に安価な制作費で仕事を引き受けてしまった。その影響力は数十年たった今でも続いており、制作費の低さは関連商品の売り上げによってまかなうという方式が定着してしまった。結果、特にロボットアニメにおいてはスポンサーたる玩具メーカーの意向が強く反映され、過去作品の焼き直し的作品が乱発されるに至っている。
そのような状況に不満の声を挙げて制作されたのが、このエヴァンゲリオンであると言えば、その意気込みの大きさも少しは理解できるかと思う。
幸か不幸か、エヴァンゲリオンは無類の大ヒットを博し、関連商品の売り上げも前代未聞な程に膨れあがった。
[5-3]結語
だが、現在の経済効果の大きさなどは視聴者一般には特に関係の無い話である。ただその作品から「熱きパトス」を感じるのみである。その情熱にあてられて語る人の言葉は面白い。語り屋が煙がられることが多い今の世の中、エヴァはそういう人たちの「福音」として現れた。そんな気がする。
[6-0]リンク
[6-1]総合EVAリンク
第3新東京市のリンク(in 「第3新東京市ノ解析」)(相互LINK)
一枚のファイルに全エヴァ関連サイトを完全網羅。登録数200突破。必携。
Evangelion Links (相互LINK)
質、量、更新速度、いずれも最強。必見。
[6-2]公式サイト
GAINAX EVA PAGE [OFFICIAL NEWS /DIARY](in GAINAX)
本家ガイナックスによるエヴァ紹介ページ。
画像、音楽データ、映画情報、最多のエヴァサイトリンクあり。NEWSと日記も要チェック。
エヴァ TV-TOKYO
テレビ東京によるエヴァページ。地方局の放映状況、特別番組紹介等
東映EVA映画
東映のエヴァページ。全国上映館リスト、前売り券情報等
[6-3]伝言板
綾波レイの部屋
(相互LINK)
番組放送中から設置された老舗伝言板。過去記録も全収録。綾波リンク付。硬派。
ああっ、アスカさまっ!!
「アスカの下僕」向け伝言板。過去記録全収録。アスカリンク付。やや軟派。
[6-4]放送データ
白くて可愛いレイちゃん
各話ごとのスタッフ名を網羅。声優リスト。一覧性高し。各話コメントも必見。
某番組の感想とか
(in 「第3新東京市ノ解析」)(相互LINK)
全話ストーリー紹介。放映中より活動開始。先読み解釈、蘊蓄等豊富。
林氏の「NEON GENESIS EVANGELION」
上ページにも途中参加した林氏のページ。21話以降の話を知るには最適。補完小説あり。
SCRIPTS (旧版)
英語、獨語によるシナリオ全話収録。仏語、伊語、西語も進行中。海外エヴァファンのバイブル。
eva dictionary(in
「ネルフ本部発令所」)(相互LINK)
エヴァンゲリオン用語集。新作映画の内容もフォロー。テレビ版のみ対応バージョンもあり。
Word of REBIRTH(in 「BOMb's Page-EVANGELIONARY-」)(相互LINK)
春映画「REBIRTH」の全セリフ書き起こし。夏映画「THE END OF EVANGELION」版も完成。
[6-5]EVA小説
EVA NOVEL LINK(相互LINK)
EVA小説一欄。最新更新順に並ぶ。各コメントあり。EVA小説の総本山。
Nari`s ROOM(novel link)(相互LINK)
最速のEVA小説更新状況報告ページ。朝晩二回にチェック。現在休止中。
EVA小説ファンクション・ファイブ(相互LINK)(new)
「なしつぶ」さんによるEVA小説の更新チェックを主としたリンク集。
エヴァンゲリオンな小説へのリンク(相互LINK)
池内万平さんによる老舗EVA小説リンク。投稿小説多数。日記が面白い。
新世紀エヴァンゲリオン小説化計画
本編六話までを独自に再構成した硬派なノヴェライズ作品。単独作品として完成度高し。
Genesis Q
学園EVAの始祖にして決定版。第一部必読。第二部は一転しSFオリジナル小説化中。
かくしEVAルーム
SF色の薄い補完小説。毎日一話ずつ更新するEVA小説界の赤川次郎。遂に200話突破。
※こちらにエヴァ小説リンクの続きがあります→エヴァ小説リンク(2)へ
[6-6]心理学的考察ページ
阿世賀浩一郎のホームページ(相互LINK)
来談者中心療法の流れを汲むフォーカシングによる現役カウンセラーのページ。
アニメ全般に造形が深く、登場人物の内面を独自に追求した論文多数。
日刊アスカ(in 「白旗」)(相互LINK)
「ものぐさ精神分析」の岸田秀を師と仰ぐ本田氏の毒舌的アスカ崇拝ページ。
アンチ母性を合言葉に、補完小説、学園小説、先読み情報など満載。一押し。
[Deep・Eva Links](1998/05/25)
さらなるエヴァワールドへのいざない……
[Back to Deep・Eva]/
[MORIVER'S HOMEPAGE]
(since 1997-05-20)
文責:moriver(moriver@geocities.co.jp)(感想、叱責等、一言でもお願いします)
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エヴァページの中で「ガイダンス」として引用していただければ幸いです
なお、この文章のリンク以外の無断転載・無断引用は禁止します。
「新世紀エヴァンゲリオン」は、(C)GAINAX/Project Eva.,テレビ東京,NASの作品です。
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